アフィリエイトの落とし穴 なぜWEBメディアはヤバい広告に手をだしてしまうのか

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イケダハヤトさんが、「アフィリエイトの落とし穴」に堕ちてしまった。

イケダハヤトさん、ホメオパシーに続いてEM肥料ユーザーと告白

ホメオパシー・EM菌とは、古くからある疑似科学を元にした商品のことだ。健康効果は極めて疑わしいが、巧みなPRに よって現在までビジネスが続いている。

「アフィリエイトの落とし穴」とは、報酬目当てにこれら倫理的に問題のある商品のPRをはじめてしまうことを指す。僕の造語だ。

イケダハヤトさんはかなり古くからのネットユーザーで、これらの商品がさんざんネットで問題視されていることを知 らないとは思えない。恐らく高単価の成果報酬に釣られてこれらの商品のPRという「仕事」に手を出してしまったのだろう。

同じような事例は古くからある。

代表的なのは通称「ペニオク」のステルスマーケティングに協力した芸能人ブロガーたちだろう。

ペニーオークション詐欺事件

ペニオクとは、参加者が入札しても事実上落札できない仕組みのオークションサイトで、参加者から入札手数料をだま し取ることを目的とした詐欺サイトだ。2010年あたりにブレイクし大きな社会問題になった。

ペニオク事件の時は、芸能人や大手WEBメディアが「ペニオクで安く商品を落札できた!」などと嘘の書き込みを行い、それらのステマに騙されて多くのユーザーが被害を受けた。ちなみにペニオクの運営会社の役員らは2012年詐欺罪で立件されている。

 

詐欺商品とネットメディアは相性が良い

詐欺商品とインターネットメディアの相性は、残念ながらとても良い。

なぜかと言うと、テレビや新聞などのマスメディアはこれらのPRに手を出せないからだ。

大企業は常に社会的問題を問われる。こういった危ない商品は、流石に少し手を出しづらい。

その点、個人ブログやWEBメディアというのは、拡散力の割に小規模の人員で運営されていることが多く、社会的責任やコンプライアンスをそれほど強く問われない構造にある。

実際、「ペニーオークション詐欺事件」の時も、ほしのあき、熊田曜子らの芸能人ブロガーだけでなく、ガジェット通 信、サイゾーウーマン、日刊サイゾー、kotaku JAPAN、ギズモード・ジャパンなどの大規模WEBメディアが宣伝に加担してしまった(wikipediaより)。

もちろん詐欺構造の全てを知ってPRに手を貸していたわけではないだろうが、「怪しい商品」であることの認識は多少 なりともあったのではないだろうか。それでも、手をだしてしまったわけだ。

 

アフィリエイトの落とし穴

それでは、ペニオク詐欺事件に手をだしてしまった芸能人や諸メディア、また今回のイケダハヤトさんは、みな倫理観のない邪悪な人たちなのだろうか?

僕は、それは少し違うと思っている。

彼らメディア運営者は、たしかに責任を問われる立場にある。しかし、そもそも「アフィリエイト」という収益モ デル自体が、メディアを「闇落ち」させてしまう危険を孕んでいるのだ。

 

ぶっちゃけて言えば、倫理的に問題のある商品の広告報酬は高い

成果報酬型アフィリエイトの広告費というのは、顧客単価が高く、しかも顧客を獲得するのが難しい商品であればあるほど上昇していく仕組みになっていく。「客が入ればガッポリ儲かるが、客を掴むのが難しい」といった類いの商品だ。

必然的に、そういった商品には倫理的な問題が入り込みやすい。

そりゃそうだ。倫理的に問題のない商品は、ふつうそこまで高単価にならないし、また口コミで売れるような魅力的な商品なら広告費に莫大な予算をかけようとはしないだろう。つまり広告報酬が高い商品というのは、「魅力に乏しく、しかも高い」商品であるわけだ。

 

したがって「アフィリエイトで稼ぐ」という収益モデルは、相当気をつけていないと、ヤバい商品を読者に紹介してしまう可能性がある。報酬単価が高くしかもマスメディアの参入がない。こんなにおいしい市場はない、と勘違いしてしまうのだろう。

つい最近も人気ブログ「やぎろぐ」が出会い系サイトのアフィリエイトを紹介してしまったことで株式会社はてなとトラブルになっていたが、これも類似の事例だろう。出会い系サイトという「ヤバい」商品を、恐らく成果報酬単価の高さから、安易にブログで紹介してしまった。恐らく「やぎろぐ」の管理人もそこまで深く考えずに紹介してしまったのだと思うのだが、それが思わぬ結果を招いてしまったということだろう。

やぎろぐの消失騒動ツイートまとめ・所感~はてなブログBAN騒動

 

アフィリエイト広告、オワコンでは?

さて、僕はブロガーではなく、メディア「メンヘラ.jp」の編集長だ。

その立場で言わせてもらうが、「アフィリエイト、正直オワコンでは?」と最近思っている。

・アフィリエイトでメディアを維持していくなら、必然的に高単価の広告案件を探さなければならない。
・しかし、高単価の広告案件には少なからず問題を抱えている
・問題のある広告に手を出したことで、最も貴重な資産である読者からの信頼を失う

どんなに気をつけてメディア運営をしても、アフィリエイト広告を収益の柱にする限り、問題のある商品を紹介してしまうリス クは常に付きまとう。マネーフローがいつも健全なわけでもない。設備投資のコスト(例えば8000平米の土地とかキャンピングカーとか)によって、短期的にキャッシュが足りなくなることもあるだろう。

そういった時、これら高単価な「ヤバい商品」の誘惑から、倫理観だけで逃げられるのか。

僕は、人間とはそこまで強い生き物ではないと思う。

そういった意味で、メディアを運営する上で、アフィリエイト広告を収益の柱にするのは極めて危険な選択だ。少なくとも5年10年とやれるモデルではない。僕はそう思 っている。

 

持続可能なビジネスモデルは何処にあるのか

というわけで、

「なぜWEBメディアは倫理的に問題のある広告商品に手をだしてしまうのか」

という問題についての僕なりの考えを軽く紹介した。

問題はイケハヤ氏だけにあるのではなく、アフィリエイト広告というシステム、それ自体がそもそも問題を抱えているのではないかと思うのだ。

 

ユーザーとのリレーションを良好に保ちつつ、収益をあげてメディアを運営していくのは本当に難しい。
近頃、改めてそう思う。

最近だとバーグハンバーグバーグのネイティブ広告モデルや、ファミ通WEBのような専門情報モデル、ほぼ日刊イトイ新聞の物販モデル、そこらへんくらいしかしか「成功例」といえるビジネスモデルは存在していないんじゃないだろうか。

でも、これらはめちゃくちゃ強力なブランドがあってはじめて成り立つ方法であって、月間PVとかを気にしてるレベ ルの木っ端メディアでは逆立ちしても真似はできない。

メディアとしてユーザーに価値を与えつつ、またヤバい商品に手を出さず、しっかり収益を生み出す方法はどこにあるのか。

メンヘラ.jpではひとつ「これじゃね?」というのを思いついてるんですが、それはしばらくは秘密にしておきます(サロンとかnoteじゃないんで安心してください)。




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わかり手

メンヘラ.jpのライター兼編集者。 メンヘラなりに前向きに生きていきたい。好きなメンヘラ作家は永田カビ先生。

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