長所なんて書けなくてもいい!メンヘラの就活法

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就職活動、略して就活。
誰もがそれを一度は考えるが、それを実行しない人も実行する人もいる。ありとあらゆる年代の人が就職活動をする可能性がある。それなのに、おおよそピチピチの新卒ばかり募集しているし、求める条件も「即戦力」。処女の床上手を国全体が求めるという、不思議な行事。

私はメンヘラなりに一度は就活をして、とりあえず内定をもらうところまでこぎつけました。ついでに入社もしました。その後は散々だったので、その時のことはあまり思い出したくないです。

そもそもメンヘラと就活の相性は悪いです。すこぶる悪いと思います。

「長所を言えって言われても、一つも思いつかない」
「コミュニケーションが苦手で、面接が無理。緊張して変なこと話しちゃう」
「不採用通知やお祈りメールが届くたびに心がバキバキに折れる」
「人に話しても恥ずかしくないような会社じゃなきゃ入りたくないのに……」

メンヘラである以上、おおよそこんなことばかりを考えてしまって、尻込みしたり、死にたくなったりしてしまっているのではないでしょうか。お疲れ様です。皆様、本当にお疲れ様です。

そんな皆様の不安を少しでも和らげるべく、今回は私の実感から「就活はこんなスタンスでやってほしいな」という気持ちと、「具体的にはこういう感じでやっていくといいよ」という方法論をお話していきます。

私が今回の記事で特に言いたいことは、以下の2つです。大切なことなので先に言っておきますね。

・いついかなる時でも自分を最優先してください
・心身の調子が優れない時は働く必要がありません

これだけです。それでは具体的な話をしていきます。

 

■応募先の企業を選ぶ前に

メンヘラ諸氏は、企業を選ぶ段階でつまずきがちです。

「雇ってもらえればどんな仕事でもいい」或いは「なんでもやるから雇ってくれ!」という考えを持っているあなた、その考えは非常に危ないのでちょっと立ち止まってください。

「どんな仕事でもいい!」と考えてしまっているあなた。

本当にどんな仕事でも大丈夫ですか?今までに「やってみたけど合わなくてやめた作業」や、「案外楽しかったけど人間関係が嫌で辞めたバイト」など、ありませんか?自分の心に聞いてみてください。そしてできるだけ素直に、自分の感情を掬い上げて、向き合ってみてください。切実に。

 

なぜそのような作業が必要かというと、就職した後は、ほぼ毎日同じような業務を続けることになるからです。
もしあなたに苦手な作業があり、それに類似した業務を行う仕事に就いてしまった場合には、毎日続けることは大変な苦痛になります。逆に、あなたに得意な(或いは、毎日続けても苦痛にならない)作業があって、それに類似した業務を行う仕事に就けたなら、それは貴重な財産です。

人には得手不得手があります。当然、それは人によって違います。だからこそ、「なんでもいいから雇ってほしい」ではなく、「これがいいから雇ってほしい」に近い仕事を選んでみてほしいのです。苦手な作業で精神を削り続ける毎日は、想像以上に悲惨です。

自分に合った仕事とはどういうものか、企業を選ぶ前に一度考えてみてください。

 

■応募先の選び方

会社を選ぶときは、会社のネームバリューや会社の規模、理念なんかよりも、まずは「どんな仕事内容が中心になるのか」、つまり職種を重視してみてください。なぜかというと、先述したように、仕事内容が自分に合わなければ、せっかく決まった内定後の社会人生活がうまく続かない、というかもう会社に行きたくない……ということになりかねないからです。

事務、接客、飲食、営業……ご存知とは思いますが、世の中には非常に多様な職種があります。その中から、自分が週に5日続けられそうなものを、なんとかして選んでください。ベストがなければ、ベターを選んでください。

 

職種が絞れましたか?そうしたら今度は、待遇を見ましょう。

「月にこのくらい働いて、このくらいのお金が欲しい」という希望はありますか?
もしなければ、考えましょう。自分一人の人生を支えていくには、月々いくらのお金がかかるのか。貯金がしたいならそれも足して考えましょう。

「このくらい働いて、このくらいお金が欲しい」が明確な方、偉いです。
その希望を、できるだけ叶えられそうな場所を志望しましょう。「いきなりこんな良い待遇のところに入れるわけがない」と思うかもしれませんが、入れるか入れないかを決めるのは企業側です。出すだけならタダだと思って、思い切って応募してみましょう。ダメだったら忘れましょう。

一番気をつけて欲しいことは、「内定がゴール」ではない、ということです。就職活動をしていると、どうしても内定をもらうこと=ゴール、という気持ちになりがちですが、内定はゴールどころかスタートラインでもありません。やはり、「働きながら、自分の生活を安定させる」ことを第一に考えましょう。自分の生活が最優先です。

また、メンヘラ諸氏はブラック企業に入りがちです。ブラック企業に入らないようにするにはどのように考えればいいのか?……ということについて、立ったまま寝るさんのこちら(http://menhera.jp/177)の記事に詳しいので、ぜひお読みください。

 

■自己PRも長所も「今までの経験」から作れる

「長所を教えてください」と聞かれると、何も答えられない。エントリーシートや履歴書に書くことがない。

これはメンヘラでなくても引っかかりがちな問題です。メンヘラなら尚更だと思います。
自分の長所なんてわかりません。私だってわかりません。あるとも思いません。だから、本気で悩んで悩んで悩んで悩みました。

結果、長所を考えることはやめました。

その代わり、自分が今までやってきたことの中から、「努力・友情・勝利」のジャンプ的エピソードになるものをひたすら探し出して、いかにも「私はすごく大変なことをして、でもたくさんの人に働きかけて(助けてもらって)、なんとかしたんですぅ~」という感じの文章を仕立て上げました。

ただし、細かい数字はちょっと盛りました。例えば30を100にするくらいなら全然バレません。100を200にするくらいでも全然バレません。いや、バレていたかもしれないですが……。

自分のやったことを、いかにも大変そうだったように語って、いかにもめちゃくちゃ頭を巡らせて解決法を編み出したように表現して、最後に「この経験から私はXX力(それっぽいこと。最後までやり抜く力、行動力、なんでもいいです)を身につけました!」で〆ればほぼ完璧です。

そのあとに長所を聞かれたら、先ほど捻出したエピソードに矛盾しない、性格面の良さみたいなものをぼんやりと出してやればいいと思います(粘り強いところ、負けず嫌いなところなどが鉄板でしょうか)。

こういうことを書くと、おそらく「私、今までの人生で何にもしてきませんでした」「サークルもバイトもやってないし勉強も大してやってこなかった」という方がたくさん出てくると思います。

大丈夫です。私だってサークルなんて入ってませんでしたし、バイトも短期バイトを転々としていただけで、長く勤めた経験はありません。研究室でリーダーになったこともないし、勉強も誇れるような成績を収めてはいません。

それでも、何かしているはずです。あなたは生きてきたからです。

何かに熱中したことはありませんか。音楽でも絵でも手芸でも、語学でも料理でも近所の猫の世話でもファッションでも散歩でも写真でもライブの遠征でも読書でも映画でも何でもいいのです。その中で、細かい問題にぶち当たりませんでしたか?それを自力でなんとかしたことはありませんか?

就活では、なぜか「問題を解決した経験」をドラマチックに語ることを求められます。逆に言えば、それさえ言えれば通じてしまうところがあります。抽象的な「長所」なんていうものよりも、こちらの方が重視されている印象があります。ですから、長所なんて思い浮かばなくても、無くても、案外どうにかなるのです。

 

■面接は場数を踏むと上達する

これは身を以て体験しました。

最初の頃は、「これを言ったら面白いんじゃないか!」と思うことをボロっと口走ってしまうことが非常に多く、面接官にあからさまに引かれたことが何回かありました。私のADHD的な衝動性がモロに表出してしまったのです。落とされた後になって、「あっ、失敗した。あれを言っちゃいけなかったんだな」といちいち反省しました。

そうやって何回も面接をこなすうちに、「面接で言ってはいけないこと」がわかるようになってきました。テンプレートのような、無難な言葉の使い方が何よりも大切なのだと学びました。

また、面接を何度もこなすことで「面接」という行動のセットが頭の中に染み込んできて、一生懸命覚えてきた嘘混じりの自己PRも、何故か真実味を増してきます。スラスラと口から出てきます。笑顔の貼り付け方を覚えます。回数を重ねることで、面接という環境に体が勝手に適応していくのです。

ですから、最初の面接がボロボロでも、あまり怖がらず、自分を責めず、社会の偉い人を踏み台にする感覚で次の面接に応募していきましょう。

 

■採用されるかどうかはこちらには決められない

これは当たり前ですが、大切なことです。

内定が出るかどうか、採用されるかどうかは、志望者には決められません。

誰が決めるかもわかりません。採用の可否を決めるプロセスは、全てブラックボックスの中で行われています。あなたが今までどれほど努力してきても、頑張ってきても、疲れていても、落とされる時は落とされてしまいます。完全なる理不尽です。

ですから、あなたがもし一つの会社から不採用通知をもらっても、あなたという人間を否定されたことになりません。あなたが気に病む必要は一つもありません。

お祈りメールを見たら「死ねよXX社~マジで~~」、不採用通知が届いたら「はいうんこ~」と言いながらくしゃくしゃに丸めて捨てる。これくらいの扱いでいいと思います。

 

■死にたくなったら休むのも手

就職活動は、己を捻じ曲げる作業です。捻じ曲げずに済めばそれが一番なのですが、捻じ曲げなければいけない人が、たくさんいると思います。

その結果、計り知れないほどのストレスを受けることになります。そうすると、心身に不調が出てくる場合があります。

私の場合、うまく眠れない、朝から晩まで涙が止まらない、あらゆる自傷行為の頻度が高まり頭の一部が禿げる、死んだほうがマシと考えて死に方を考えてしまう、などの症状が出ていました。

そんな状態の時は、本来なら働くべきではないと私は考えています。働くべきでないなら、もちろん就職活動なんてしてはいけない……と思います。

確かに、お金が無ければ人は生きていけません。しかし、お金を得るための活動で死んでしまうのは本末転倒です。何より、死にたくなるようなことをさせる社会が私は嫌です。死にたくなったら休む、これは当然のことなのです。死にたいほど頑張りすぎて、疲れ果てているあなたに「それでも働け」ということなんて私は絶対にしたくないし、仮にそんなことを言う人がいたら私がそいつの頬を叩きます。

何よりも自分の心と体を穏やかに保つことを優先してください。世間体や、まだありもしない将来のことや、自分を責めてくる自分や他人の声のことなんか、あなたの命の前にはどうでもいいことです。就職活動をしていて死にたい気持ちになってしまったら、一度立ち止まってください。

 

■とにかく生きることを優先してほしい

冒頭にも申し上げましたが、メンヘラと就活は相性がすこぶる悪いです。

会社に入ったら入ったで、ブラック企業という名の違法労働を強制する違法組織に入ってしまったことに気づいたり、働かされすぎてさらに心を病んだり、命を落としたり……。落とし穴がたくさんあります。

社会は本当にドライで、サラッとしていて、感情がないものです。

それでも働きたいという、とても偉いあなたに、最後に一つだけ伝えたいことがあります。

「自分を一番大切にしてください」

メンヘラには難しいことかもしれませんが、自分を大切に、自分本位で、就職活動だけでなくその後の仕事もやっていってください。あなたに穏やかな社会生活が訪れることを願っています。




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会社員時代の自殺が未遂に終わり、いろんな意味で「サービスで生きてる」無職。生きてる以上、楽にやっていきたい。少しでも死にたい人のお役に立てればと思います。

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