「心の風邪」の予防についてももっと考えてほしいよね!っていう話

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本稿は読者投稿コーナーに応募してくれた方からの原稿です。


こんにちわ、はじめまして、サユといいます。15年物のうつ病患者です。

実は双極性障害の疑いもあるんですが、双極性障害なら飲んだら躁転してしまうと言われる薬を飲んでも鬱々としていたので、きっとうつ病だろう、ということで治療を続けています。ちなみに、一昨年に受けた光トポグラフィーでは「どちらかというと双極性障害っぽい」と言われました。「っぽい」ってなんなんでしょうね。

なんらかの気分障害であることは間違いないのですけれども、結局ハッキリしないので、私は自分を「うつ病患者である」ということにしています。

現在、日本のうつ病患者(双極性障害も含む)の数は111万人を超えています(2012年時点での国の統計より)。
ざっくり計算すると、日本人を100人集めたらそのうち1人はうつ病で通院している、といった感じになります。

「日本におけるうつ病の生涯有病率は3〜7%である」という内容が厚生労働省のホームページに書かれていますが、これは2006年の文献からの引用です。当時よりもうつ病患者が増加している現在、改めて調査すればもう少し高い確率が導き出されることになるのは間違いないでしょう。

「うつ病は心の風邪」というキャッチフレーズで抗うつ薬が発売されたのは1990年代の話です。私はこの「心の風邪」という言い方にはどうしても納得いかないものがあるのですが、「誰にでもうつ病になる可能性がある」という点では同意します。私だって自分がうつ病になるなんて思ってなかったのにね、なっちゃったからね。

そこで、ふと思ったのです。「風邪なんだったら予防しようよ」って。

「誰でもうつ病になるんだから、うつ病を特別視しないでね!ちゃんと病院行こうね!」という認識を広めるのも大切なことだと思うけれど、その前に「うつ病にならないように対策しよう!」ってことを、もっと考えるべきなんじゃないのか、って。

私がうつ病になった15年前と比べたら、うつ病に対する理解は進んでいます。もちろん、断固としてうつ病を病気だと認めてくれない人も世の中にはいるようですが、それでも昔より遥かに理解者は増えたと、私は感じています。うつ病を理解して、うつ病患者の苦しみを思いやってくれる人が増えたことは、患者としては有難いことです。

でも、それじゃ足りない、とも思うんです。

「生きているうちにうつ病になる確率」の3〜7%というのは、決して低い数値ではありません。健康な人達の中に「自分はうつ病にはならんよ」という慢心がある限りは、「うつ病への理解が進んだ」なんて甘い甘い。

「自分もなる可能性がある、予防するためにはどうしたら良いだろう」という意識が浸透した時、初めてうつ病が「恐れるべき病気」として認められたと言えると思うんです。発ガン性がある食べ物を避けるのと同じように、うつ病にならないように予防する。それが自然なことなんじゃないでしょうか。

うつ病の治療法についての議論は盛んに行われていますが、予防法についての議論はそこまで活発ではありません。

うつ病になったことで経済的にも文化的にも貧しくなった私としては、これ以上うつ病患者が増えて欲しくないんです。これは恐ろしい病気なんです。うつ病になって良かったなんてこと、一つもありませんから。うつ病は、人生を捻じ曲げる負のスパイラルそのものです。一刻も早く治してやりたいと、このスパイラルから這い出してやろうと、私は発症から15年が経過した今でもそう思いながら日々を生きています。

願わくば、国レベルで、うつ病予防の為の対策を取ってほしい。

うつ病患者の増加は国の生産力の低下に繋がります。うつ病になったら、その人はかなりの確率で普通の人と同じようには働けなくなってしまうんですから。私は根っからの無能ですが、優秀な人がうつ病で社会からドロップアウトせざるを得なくなる様子を目にするたびに、惜しい、と思わずにはいられません。

そして、一度ドロップアウトした人がうつ病を克服することができたとしても、なかなか元通りの場所には戻れないのが今の日本です。

うつ病の治療は大事です。でも、それと同じくらい、予防も大事です。
個人のためにも、国のためにも、もっと「うつ病にならない社会」を目指す気持ちが広まってほしいと、願ってやまない今日この頃です。


【投稿者】
サユ さん

【プロフィール】
普通のうつ病患者です。
おどりば(http://www.sayulog.com/)に棲んでいます。
Twitter:@Sayu_Log




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