私が辿り着いた最適なストレス解消法「無心ウォーキング」




1.はじめに~自己紹介と私がストレスに振り回された経験~

メンヘラ.jpの読者の皆様、初めまして。仲見満月と申します。少し自己紹介をしますと、数年前まで私は大学院に通い、長い長い博士論文を書いておりました。博士号を頂いた後は、教育関係のフリーターを経て、現在、研究機関に属していない「ノラ博士」です。

大学院というのは、根を詰めて薬品を混ぜて実験したり、古文書を解読して新たな事実を見い出したり、そういう研究を進める場所です。そして、発見に至るまでを筋の通った文章にまとめて論文を書き、分野ごとの学術雑誌に投稿。審査を通過した論文の数が成果になり、それを業績としてアピールすることで、国、そして外部からも研究の資金を獲得する。

そういった競争社会に、勉強好きな私は大学生の頃から接していました。大学院に入ると、周りは優秀な先輩の大学院生だらけ。研究予算の申請書を出せば助成金が下りたり、偉い先生の誘いで海外の学会で研究成果を発表したりして、それが論文集として出版されたりしました。先輩方の格段に高い能力を察した私は、もともと低かった自己肯定感が更に下降していき、おまけに大学院の修士課程に入って1年目、自分の研究の方向性さえ見失いました。

日々、先輩方に感じる嫉妬と、研究の方向に道標をつけられない苛立ちから来るストレスは、好きなものを山ほど食べても、休日に十数時間眠っても、解消されませんでした。イライラは、先に就職した友人、同期の院生との食事中に八つ当たりするようにしゃべる方向に影響し、帰宅後は自己嫌悪で大声をあげて泣く日がありました。

私は泣きながら、このまま自分のストレスを放置すると、大切な人たちを傷つけてしまう、大切な人たちを失いたくないと考え、ストレス解消法を探り始めたのです。

 

2.いろいろ試して、ベストなのは「無心で歩くこと」だった

ストレス解消法として、食べる行為も、眠る行為も効き目がありませんでした。特に食べることは、お金を使う上に肥満状態が悪化。健康面でもよくないので、別の方法を探しました。まず、心身を休める方向として、時間のある時は銭湯に行き、身体を温め、帰宅後はストレッチでほぐすようにしました。そのうち、通っていた銭湯の料金が値上がりしたため、銭湯通いを断念することに。

次に挑戦したのは、身体を動かす方法でした。湯上り後に始めたストレッチを、大学院の廊下で休み時間に始めたところ、通りかかる偉い先生に凝視されたり、講義室に向かう大勢の学生の通行を妨げそうになったり、問題が発生したため、自宅のみで続けることにしました。

また、経験のある武道を再開しようと、自宅近くの道場を調べて行ってみましたが、アルバイトをしても払える月謝の額でないと分かり、こちらも諦めました(学生さんには、金がない)。しょうがなく、自宅の天井が高めの部屋で、所持していた木刀で素振り。一週間もしたら、机上の電気スタンドを割ってしまいました。屋外での素振りを考えましたが、私の帰宅は夜9時以降になることが多い。深夜、近所の公園で木刀を持ち込み、素振りをするのは、さすがに不審人物すぎる!ということで、木刀の素振りは却下しました。

 

お金がかからず、服装や所持品から他人に怪しまれず、物を破壊せず、身体を動かす方法を考えた結果、ジャージやTシャツに靴の格好で近所をウォーキングすることに決まりました。寝巻用にしていたジャージを着こみ、通学用のスニーカーを履いて、修士1年の秋からウォーキングを始めました。

いきなり、速足で歩くと身体を痛めると思い、武道で習った準備運動で身体をほぐし、まず、自宅と公園のあるブロックを一周。それでも、イライラの消えない日は、ちょっと先の川にかかる橋まで足をのばす。その日その日にあった嫌なことは、思い出すと負の感情を再燃させてしまい、その感情に我を忘れて足を止めてしまう。だから、歩くときは可能な限り何も考えず、無心に近い状態で、ただただ歩き続けました。繁忙期は、時間がもったいないので、速足になったり、走ったりしていました。ウォーキング、そしてランニングを不定期に続けたのです。

「無心ウォーキング」をするようになってから、起こった変化があります。まず、周囲の人に八つ当たりすることが減りました。愚痴は言っても、苛立ちの感情のままに不満を友人や仲間にぶつけることが無くなり、苦笑いで済むことが増えました。加えて、苛立つようなことが少なくなったようでした。研究室内で先輩の論文掲載の吉報を聞いても、静かな心持で、素直に喜べるようになりました。

 

それから私は大学院の博士課程に進学。競争が厳しくなっていくアカデミックな世界に居続けます。ある時期は、3日おき交替で自宅と大学院の院生部屋に引きこもって文献を読んだり、別の時期は、音信不通になった近所の院生の行方を電話で探したり、指導教員のゼミや業務補助をしたり、様々なことがありました。研究と人生の先が見えず、周囲に不満を漏らし、泣きつくこともありました。

その隙間の時間に、少しでも無心を意識して、歩くことを続けました。大学院では、学内の図書館と研究棟の間を往復、帰宅後は自宅のあるブロックを一周。苦しいことがあっても、負の感情を無くす時間を設け、歩くという身体行為を続けることで、ストレスを軽減できるよう、努めました。

こういう感じで、博士論文の提出、審査を経て、何とか博士号授与と博士課程修了までたどり着き、大学院を出ました。無心ウォーキングがなかったら、大学院在籍中、どこかで私は精神的に潰れていたかもしれません。

 

3.その後の自分と無心ウォーキングの再開

大学院を出た後、私は家族のいる別の自治体に引っ越します。教育関係の職場でアルバイトをしつつ、就職活動をスタートしました。就活開始2年目の最初にバイトを辞め、試験勉強や面接練習に専念しようとしますが、応募先はすべて不採用。研究のほうは続ける・続けない、続けるなら博士論文の続きをするのか、と悩み続け、気持ちが不安定な状態に突入したのです。

今年の秋ごろ、採用試験シーズンがひと段落したところで、スイッチが入ったように、安眠できない日々が始まりました。日によっては、心も身体も重く、布団に入ったまま、日光に当たれない日が出てきました。

今度は家族に当たっては、自己嫌悪を繰り返すことが増えたのです。このままでは家族を傷つけてしまうと考え、再び、ストレス解消の方法を探し始めました。引っ越し先の構造上、室内で運動ができないため、室内での運動はストレッチが限界です。大学院まで私は一人暮らしだったのですが、引っ越し後は家族との同居になったため、長時間、自宅を占拠するわけにもいきません。

 

そこで、とりあえず、落ちた体力をつける目的で、外出できる日があれば、自宅周辺の散歩をしました。夏頃は一時期、ポケモンGOで散歩しつつ、アイテム回収やポケモン捕獲に熱中していました。しかし、疲労してしまい、飽きて続かずに放置したことを踏まえ、現在は万歩計を使うだけで、無心ウォーキングをしています。たまに、買い物途中で、ポケモンGOをしていますが、買い終わって帰路が近づくと、ポケモンGOのアプリをオフにして、万歩計を起動し、何も考えないように意識するウォーキングに切り替えています。

無心ウォーキングを再開してから、家族に自分の様子を尋ねると、一時的にですが、負の感情がきつくなり、吹き出すことは減ってきているとのこと。大学院にいたときほどではありませんが、無心ウォーキングの効果は出ているようです。

冬に入ってから、気持ちが落ち込みやすくなって、外出が難しい時も出てきています。強引に外に出ようとすると飽き性で続かず、疲労すると動けなくなる時期が続くことが危惧されます。自分としては、無理はせず、できる日にだけ外へ出て、ゆっくり歩くことにしました。就職活動や研究の進退そのほか、片付けたいことは山積み状態ではありますが、今は、まずウォーキングで体力をつけ、メンタル面の調子をととのえることを優先したいと考えております。

 

この投稿をお読みになって、無心ウォーキングをやってみよう!という方がおられたら、まず、ご自身の心身それぞれのコンディションを見極められることを、おすすめします。そして、歩ける距離から始め、体力と心に余裕が出てきたら、徐々に歩く距離と時間をのばし、あくまでマイペースにやってみてください。ご無理をされませんように。

ここまで、冗長な文章をお読みくださいまして、ありがとうございました。少しでも、読者の皆様のお役に立ていたら、幸いです。気が向いたらでいいので、次のリンク先にあるものを恵んで頂けたら、日々を生きる糧になります。→「恵んで下さいリスト」


【投稿者】
仲見満月(なかみ・みづき) さん

【プロフィール】
元人文科学系、今は文理総合系の経歴「真っ白」な博士。今は、散歩や読書をしつつ、大学院や文系院生の問題をブログに書き、いろいろ考え中。

【ブログ】「仲見満月の研究室」:http://naka3-3dsuki.hatenablog.com/
【Twitter】https://twitter.com/naka3_3dsuki


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