過食嘔吐してた人が、もう吐かなくてもいいやって思うようになった話

体験談 過食嘔吐 摂食障害 090

ごきげんよう。
今回は、私が摂食障害から脱却し、過食嘔吐をやめるに至った経緯についてのお話しです。

私の過食嘔吐が最も激しかった時期の体験談は、以下の記事をご覧ください。
(関連記事:摂食障害からの「過食嘔吐」が激ヤバだったときの話

前回の記事に書いた通り、私はものを食べては吐くという「過食嘔吐」を数年間に渡ってやっていました。ですが、気づけばもう1年以上も、そういった行動から離れられています。

以下は、そんな私なりの「過食嘔吐のやめかた」です。時系列順にどうぞ。

 

過食嘔吐できない環境に身を置いた


異常な量を食べたり、何度もトイレに行って吐いたりといった行動が、やりにくい場面ってありませんか。私にはありました。

私の場合、過食嘔吐ができなかった場面は、

・実家
・他人の家
・外出先

の3つです。

それらの場面では、「私が過食嘔吐をしていることが他人にバレるのでは」という不安から、過食も嘔吐もできなくなってしまいます。他人の存在がカギなんでしょうね。逆に言えば、一人暮らしは過食嘔吐をするのに絶好のロケーションだったのです。

さて、順調に一人暮らしを続けつつ過食嘔吐を繰り返していた私でしたが、就職後してしばらくして、メンタルがぶっ壊れました。そして、そんなある日のこと、ついに自殺未遂をしてしまいました。

その後、しばらく一人暮らしを続けようとなんとか粘ったのですが、周囲の人の勧めに根負けし、ついに実家へ強制送還されることになりました。

そう、「過食嘔吐がどうしてもできない」実家に住むことになったのです。

しかし、どうしてもできない環境であっても、過食衝動は襲ってきます。

実家に住むようになってちょっと経ったある日、私以外の家族が買い物に出かけているタイミングがありました。家には私だけがいます。急に過食嘔吐がしたくなりました。

そそくさとコンビニへ行き、お菓子を2〜3袋、アイスを1袋くらい買ってきて、過食しました。

トイレで久々の嘔吐に苦戦しながらも、ちょっとだけ吐けたと思った、その時です。

家族が帰宅しました。死ぬかと思いました。

鬼のような速さでトイレを清掃し、消臭スプレーをまいて、手を洗って口をゆすいで、事なきを得ました。アホみたいに疲れました。

その時、ふと思ったのです。「もう諦めよう」って。

「バレるのが怖いからってここまでするくらいなら、最初から過食も嘔吐もやらなきゃいいじゃん」

「バレたらできないっていう程度のものなら、もうやる必要ないじゃん。素直に食って吸収して太りなよ」

「そもそも一回死のうとした体なんだし、太ったっていいじゃん。自分を諦めろ」

「とにかく、過食も、太らないための嘔吐も、全部諦めよう」

こんな感じの声が、頭の中を流れていったのです。

あれ以降、現在に至るまで、過食嘔吐をしていません。

過食衝動はなんとかやり過ごしていますし、普通に食べ過ぎた時も、太らないために吐くようなことはしなくなりました。

過食嘔吐ができない状況に身を置いた結果、過食嘔吐を手放すことができました。

 

体重計に何回も乗らなくなった


上にも書きましたが、私は実家に戻ったことで、急に食生活が健康的になりました。そもそも療養生活ですし、食事をとらないという選択肢はありませんでした。

久々に三食食べた夜、

「普通に食べてしまった。体重が増えているに違いない。増えた数値を見るのが怖い」

という理由で、毎日何十回も乗っていた体重計に乗れなくなりました。

それ以来、体重計から目をそらし続けて約一ヶ月、ある日おそるおそる体重計に乗ったら、びっくりしました。思っていたよりも体重が増えていなかったのです。せいぜい1〜2kgくらいだったでしょうか。その日まで私は

「普通に食べるようになれば、3〜5kgは増えてしまうだろう」

と思いこんでいたのです。

その後、試しに1日1回だけ体重計に乗ることにしてから、もっとびっくり。

体重は勝手に増えたり減ったりしながら、なんとなく落ち着いていくものだと気付いたのです。

例えば、一週間の間に、こんな風に体重が変動します。

45.0kg→46.2kg→46.4kg→45.8kg→45.3kg→45.0kg→44.8kg

(数字は架空のものですので、イメージとしてご覧ください)

この経験から、

・自分の体重には波がある
・長い目で見れば体重が減ることだってある
・1kgだの500gだの増えたところで、何も怖くない

ということを知りました。

体重計に乗る頻度を、1日1回に減らしたことで、体重の増減にビビらなくなりました。

そして、「過食嘔吐をしない」「三食食べる」「体重を長い目で見ることができる」という非常に健康な状態を手に入れてしまいました。棚からぼた餅ですね。

 

「お腹いっぱい」の時点で食べるのをやめていいことに気づいた


小さい頃から、「出されたものは全部食べなければならない」と思っていました。

給食を残すと怒られたり、「XXちゃんは全部食べてえらいわね〜」と他の家の子が褒められるのを聞いたり、私自身、幼い頃は食べ物を残さないだけで褒められたりしたので、「出されたものは全部食べる以外に選択肢はない」と本気で思い込んでいたのです。大人になっても、ずーーーっとそう思い込んでいました。

ですので、療養しに帰った実家でも、出されたものをできるだけ早く、全て食べるようにしていました。

ある日の夕食。母が私をまじまじと見てから、

「もうお腹いっぱいでしょ。お腹いっぱいだったら無理して食べなくていいんだよ」

と言いました。

そのとき、ようやく自分が「お腹いっぱい」であることに気づきました。

私は過食に慣れきってしまって、お腹いっぱいの感覚がわからなくなっていたのです。

これまでの経験上、食べ物を残すのは害悪だと思っていましたが、試しに

「じゃあ食べない。残す」

と言ってみました。

母は

「うん、残せ残せ」

と言って、お皿に普通にラップをかけて冷蔵庫に収納しました。

その一連の動作の、あまりのあっけなさに拍子抜けしました。

わたしは、食べ物を残しても、よかったのか……。

「食事はお腹いっぱいになったら残してもいい、残りは明日食べればいい」

という当然のことを、このとき初めて感覚的に理解しました。

それ以来、自分の「お腹いっぱい」がわかるようになりました。「お腹がいっぱいだと苦しい」ということもわかるようになりました。

結果、苦しくなるような食べ方をやめることができました。

 

過食嘔吐のことを考える習慣がなくなった


ここまでの流れをまとめてみましょう。

1.過食嘔吐する「隙」も「気合」も無くなり、
2.体重の変化にビビらなくなったから吐く必要もなくなり、
3.苦しくなるような食べ方をやめた

という状況でしたね。

ここまで来てどうなったかというと、まず、過食嘔吐のこと自体を考えなくなりました。

そして、過食嘔吐の習慣がなくなりました。

最終的に、過食嘔吐をやらなくなりました。

 

「克服した」というより、「今やってない」だけ


以上が、私が過食嘔吐をやめるに至った経緯と理由です。

単なるラッキーでやめられただけにも見えるのですが、一つ一つの要素が過食嘔吐から離れるいい材料になったのだと思います。

一方で、まだ太るのは怖いので、完全に過食嘔吐を克服したとは思っていません。

では、現在はどういう状態かというと、

「今、やらない」に毎日成功している

という状態ではないでしょうか。

これが死ぬまで続けば何よりなのですが、また一回ぐらいやっちゃいそうな気もしています。

もしまた一回やってしまったら、その次の日からまた「今、やらない」を始めればいいんじゃないかな〜と、ゆるめに考えています。あまりガチガチに「やめなきゃ!」って考えすぎると、やりたくなってしまうものですし……。

何はともあれ、環境と習慣を塗り替えただけで、あんなにも深かった過食嘔吐の沼から、上半身ぐらいは脱出できることがわかりました。ついでに、自分の中で、過食嘔吐への興味が超・薄れました。

この記事を書こうと思ったのも、

「そういえば最近吐いてないよなあ。あれ?」

「いつからやってなかったっけ……うわ、わかんない」

と思えるようになったからです。完全に忘れてました。

過食嘔吐とは、このままの距離が保てれば、一番いいなと思っています。

この記事が何かの参考になれば幸いです。それでは。

 

【関連記事】
摂食障害からの「過食嘔吐」が激ヤバだったときの話
摂食障害の「過食嘔吐」衝動を殺す呪文

 


【執筆者】
090 さん

【プロフィール】
会社員時代の自殺が未遂に終わり、いろんな意味で「サービスで生きてる」無職。生きてる以上、楽にやっていきたい。少しでも死にたい人のお役に立てればと思います。
Twitter:@oqo_me_shi

 


【募集】
メンヘラ.jpでは、体験談・エッセイなどの読者投稿を募集しています。
応募はこちらから

この記事のカテゴリ・タグ

体験談 過食嘔吐 摂食障害 090
このエントリーをはてなブックマークに追加

5件のコメント

あめ 返信

初めまして。
過食嘔吐を続けて、四年になります。

あめ 返信

すみません。続けます。

すごく、共感させてもらいました。
今は、これがわたしの生きる手段なのだ、と自分に言い聞かせながら吐き続けています。やめたいか?と問われたらわからないのが現状です。
でも、自分の中で壊れていくのがわかるから、今回すごく夢中で読ませてもらいました。特にやめることができた過程について。

わたしも、どうにか出来たらなと思います。
ありがとうございました。

まき 返信

私もまったく同じように過食嘔吐してました。
吐くために気持ち悪くなるまで食べる。足りなければ買いに行く。そして吐く。
苦しくて涙を出しながら。そして吐き終わるとへとへと。脱力。そしてものすごい自己嫌悪。来る日も来る日も繰り返す。やめられない。帰宅すると過食して吐き後悔の中、眠る。他に何もする気にならないので部屋の中もグチャグチャ。
誰にも打ち明けられないし知られるわけにもいかない。終わりのないトンネルのよう。
家に友達も彼氏もあげられない。きっと私は誰とも一生一緒に暮らせない。彼ともいつしか疎遠に。そして孤独。これが10年近く続きました。

そんな日々を変えたのは、私も、家族との生活でした。
妹がトラブって私の一人暮らしの家に転がり込んできたのです。
共同生活が始まると、私は過食嘔吐行為を誰にも知られたくない一心で嘔吐しなくなりました。最初は吐かないと落ち着かなかったけど平気になり、食べるものも変化し、腹一杯になれば、吐ければいい、というのではなく、美味しいものを食べたいと思うようになりました。吐かなくても体重が増えないことにも気づきました。

あれから約20年たちます。急に転がり込んできた妹と、それを押し付けてきた親に、憤りも感じてたけど、今の私は、あのおかげで立ち直ってます。

マヨネーズ 返信

過食嘔吐は3年になります。好きな物を好きなだけ食べて出す。太らない。という事に、ある種の快感を感じてしまっています。ですが、どうしても止めたいとも思っています。少しでも嫌な事があれば『帰って食べてストレス解消しよう』と考えてしまいます。その場しのぎで、時間とお金の無駄だと気付いているのにどうしても止められません。本当に辛いです。。コメントをされているまきさんや筆跡者の090さんのように私もきっかけが欲しいな

めらちゃん。 返信

初めまして。私は自分自身 摂食障害なのかはっきり分からないんですが3ヶ月前程から食べたら吐く、吐ききらなかったら三種類の下剤を飲んでお腹痛めてでもその日に口にしたものを体内から出しきるという生活が続いています。吐きながら泣いてる自分の姿に自分のことながら呆れたりひどく後悔したり、でも体の中になにもないことへの快感があったりもう自分がよくわからないです。死にたくなるというかもう死ぬんじゃないかって突然頭をよぎることがあります。何が言いたいのかまとまっていなくてすみません。

コメントを残す

会員のみコメントが可能です

新規登録する

ログインする