メンヘラの就労支援にはスモールステップが必要ではないかという話




最近、精神障害者の就労支援を行う事業者が増えた。どうも補助金の額とか、法律とかが変わりつつあるかららしい。

その証拠に、例えばリクルートみたいな超大企業とかも障害者雇用の世界に入ってきて「オッシャ!メンヘラどもを社会復帰させたるで!」みたいなノリでブイブイ言わせている。体育会系のノリを感じるので少し怖い。

まぁ基本的には、良いことだと思う。

今まで精神障害者は就労支援に結びづらかった。その状況が変わりつつあって、そこに民間の業者が入ってくるのも良い流れではある。そういう流れは大切に育てていかなければならないと思っている。

でも、今の流れには多少の違和感があって、早いうち(ブームにならないうち)にその点だけは指摘したいなと思い、この記事を書く。

言いたいことはひとつだけで「メンヘラの社会復帰は就労支援だけでは完結しない」ということだ。

 

フルタイム就労のハードルの高さ

すごく単純な話、メンヘラ(大半が週の労働時間0時間のニート)がフルタイム労働者(週の労働時間40時間↑)に変身するのは、とても大変だ。

週休7日だったのが週休2日になるわけで、その天文学的数字のキツさは経験者なら誰でもわかってくれると思う。

でも、現在の精神障害者就労支援は、助成金の関係からかフルタイム労働に強く拘っているように見える。週0時間労働のメンヘラを、いきなり週40時間働かせよう…みたいな事業者が、どうも多い。

この性急さは、僕は危険ではないかと思うのだ。

 

基本的に、ひとは薄皮を剝くように少しずつしか変われない。

週0時間からはじめるなら、まずは週5時間とか、週10時間から働いて、そこから段々と時間を延ばすようにしなければ中々難しいと思う。

なのだが、現行の就労支援はその「ゆるやかな移行」が制度的に難しいからか、いきなりフルタイム労働者になること、つまり大きなステップを飛ぶことをメンヘラに強いているように思える。これはちょっと、見ていて、危なっかしい。

「ロックマン」のジャンプみたいなもので、大ジャンプを決めようと頑張って失敗すると、大抵はダメージゾーンに落ちる。

週0時間労働から週40時間労働のジャンプは明らかに大ジャンプだ。そのジャンプに失敗してダメージを負っているひとが、どうもあまりに多くみられるような気がする。

図にすると、こんな感じのイメージ

zu1

 

メンヘラの社会復帰にはスモールステップの支援が必要

個人的には、「いきなり就労」ではなく、もっとスモールステップの支援が必要なのではないかと思っている。

図にすると、こんな感じだ。

zu2

就労の前には、まず医療とか、福祉とか、コミュニティがあって、そこで人間的な能力を回復させてから、少しずつ就労に携わっていく。

もしジャンプに失敗しても、ダメージゾーンに入ることはなく一歩後退するだけでいい。

三歩進んで二歩下がる、そんなペースで前に進めればそれが最善だろう。そんな感じの支援が、本当は必要なのではないかと思っている。

 

非採算部門のかなしみ

…と、こんなことは福祉分野のひとや当事者に近いひとなら誰しも思っていると思うのだが、なぜこういうサポートが広がらないかというと、やはりあまりお金にならないからだろう。精神障害者のサポートは圧倒的に「就労支援」の部分に旨みが詰まってて、他の部分にはどうもお金になる部分が少ない。

特にコミュニティとか、繋げてもなんのお金にもつながらない。めんどうくさいだけである。

なので、まぁこういう部分をメンヘラ.jpではやっていきたいなと思っている。

今までは当事者の体験談などを通じて、オンラインでの繋がりとか暇つぶしを創れればいいなと思っていたんだけど、もう少し進めて、リアル(福祉とか自助コミュニティとか)との繋がりも作れるサイトにしたいという野望が最近出てきた。

色々な方法を通じて、達成できれば良いなと思っている。


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わかり手

メンヘラ.jpのライター兼編集者。 メンヘラなりに前向きに生きていきたい。好きなメンヘラ作家は永田カビ先生。

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