メンヘラ・発達障害者が生き延びるために 社会適応のための10の生存戦略

ライフハック 発達障害 ポン

初めまして。メンヘラ.JPへの読者投稿はこれが初になります。
筆者は2001年にアスペルガー症候群(自閉スペクトラム症)との診断を受け、現在は手帳二級持ちです。

十数年前と比べて、メンヘラ/発達障害者を取り巻く環境は大分改善してきているとは思いますが、メンヘラに理解が無い人間も未だに多くおり、特に地方ではサポートが行き届いていない地域があったり、まだまだ問題は山積みです。

そこで、読者の皆様のお役に立てればと思い、この世の中を生き延びるための10の知恵をここに記します。

 

1.自分らしくあること


最初にして最大の難問。それは何故かと言うと、「自分らしさ」の定義があやふやになっていることが多いからです。

「自分らしさ」と言う言葉の捉え方には次のようなものがあります。

・理屈抜きで、自分はどうしたいかと言う正直な気持ち
・普段の自分の行動/思考パターン
・自分を客観的に見て、自分が強い部分と弱い部分をまとめたもの。

これらを総合し照らし合わせ、「自分らしさ」を浮き彫りにしていきます。そして、自分の気持ちに正直であることを決め、自分らしく生きる意志を明確にします。

 

2.意志/感情/行動を一貫させること


自分らしく生きる決意をした後は、自分自身の意志/感情/行動を見つめ、相反する考えがあるなら見直します。

Will(意志)。
自分はこうしたい、こうありたいと言う事柄。マニフェスト。

Emotion(感情)。
自分は(特定の事象について)どう感じているか。

Act(行動)
マニフェストを実現するために取る行動。

最も重要なのは「自分が今、何を求めているのか」を明確にすることです。

もしアドベンチャーゲームで選択肢が同時に10個以上出てきたら、どれを選んだらいいか分からずに混乱してしまうでしょう。なので、不要な選択肢を切り捨てて、候補を絞り込みます。そして、一度決めたことは基本的に変更しないでください。他人の意見に左右されて根幹部分を変えてしまうのは駄目です。

ただし、自分のEmotion(感情)が揺らぎだした場合は計画を見直した方が良いサインです。

他人が絡むマニフェストの場合、自分の意志/感情/行動に加え、相手の意志/感情/行動も影響するのでかなり複雑になります。その場合、相手の意志も入念に確認しておいた方が良いでしょう。

 

3.嫌なものは嫌と言うこと


あなたが自分らしく生きる決意をした時点で、抑圧された環境や、機能不全した人間関係に身を置いている場合、周りから横槍が入ることが予想されます。なので、抑圧や機能不全した人間関係に対し、「ノー!」と言う必要があります。抑圧がかかってくるのは抑圧に対して「ノー!」と言っていないからです。

今の世の中では、イエスの16倍はノーと言う必要があります。毒親に、ブラック企業に、迷惑な近隣住民に「ノー!」を突きつけ、それでも相手の考えが変わらなければ、その相手から物理的に離れるか、それが不可能なら極力関わらないようにしてください。

 

4.己の許容量を把握すること


ここで言う許容量とは、自分自身が持つ気力(エネルギー)の総量です。ドラクエで言うところのMP/最大MPのようなものです。

仕事/家事などの日常の様々な行動でMPを消費します。最大MPには個人差があり、後天的な若干の変動もありますが、基本的に生まれつきのものです。つまり、同じ仕事量でも個人によってかかる負担の大きさが異なってくることになります。大切なのは自分の限界値を知っておくことです。

限界値を知っておくことで、MPの消費を減らすなどの対応が取りやすくなります。限度を超えて頑張りすぎてしまう人は要注意。いくらマニフェストのためとは言え限度を超過した状態が長く続けば、いずれは心身に異常が現れて行動を中断せざるを得ない状況になってしまうでしょう。

これを未然に防ぐには、先に述べたように自分自身の意志/感情/行動がバラバラになっていないか考えることです。
限度を超過していると言うことは、既に感情が反乱を起こしている状態なので、そのままの状態が続けば遅からず破綻がやってきます。

 

5.逃げも戦術の一つ


破綻を避けるためには、自分が許容量オーバーしていることを周りに伝え、例えば仕事だったら、自分に似合った仕事量に調整してもらうようにお願いします。もし周りの理解が得られないのならば、戦術的撤退をするしかありません。

しかし、これはマニフェストを諦めろと言う意味ではありません。このままを続けるといずれ自分が破綻して、マニフェスト実現が遠のいてしまうので、傷が浅いうちに引き揚げて態勢を立て直してください、と言う意味です。

世の中には「適度なストレスは人を成長させる」とか、「苦難に耐えることは人を強くする」と言った考えの人もいますが、そもそも人には不快なものを避ける本能があるので、こう言った考え方は人の持つ生理的な習性に反していると言えますし、個人的な意見ですが、今から10年もすれば廃れた考え方になるだろうと思っています。

ですが、今の時代はまだまだそういう考え方の人間がいるのも現実。
もし、あなたの周りにそう言った考えの人間がいて、あなたにその価値観を押し付けてくるのなら、即、逃げましょう。

 

6.自尊心を持つこと


自尊心がないのは、抑圧された環境に長く身を置いているか、「自分らしさ」が何なのかわからない状態になっていることが原因であることが多いため、1から5の項目を実践し、自尊心を回復させるプロセスに入ります。

この時にストレッサーが身近にいると、自尊心の回復を阻害するので、そう言った人物からは物理的に離れるか、それが不可能なら極力関わらないようにします。

ストレッサーの多くは自尊心が希薄であるか、逆に自意識過剰であることが多いです。なので、そのような健全な自尊心を持たない人間との関わりを極力避け、健全な自尊心を持っている人との結びつきを強くするのが生存戦略の一つです。

自分自身の自尊心を回復させることは、健全な自尊心を持っている人とそうでない人間の区別をしやすくします。

 

7.受け取れる物は受け取ること


読者の方の中には、「自分は発達障害かも」と思っている人もいると思いますが、本当にそう思っているのなら、精神科に通院して、正式な医師の診断を受けましょう。そして、医師の診断書を持って役所に行き、障害者手帳(精神障害者保健福祉手帳)の申請をします。

等級によりけりですが税負担が軽くなったり、一部の公共交通機関の料金が割り引かれるなどの支援があります。今はこのような制度があるので、利用できる条件を満たすなら利用した方が良いです。

もし、あなたが行政から援助を受けることを心苦しく思っているなら、自尊心の回復が十分に出来ていません。なので、先の項目に目を通し、自分自身と向き合うことを欠かさないようにしてください。

 

8.好きなものを見つけること


現代社会はテレビ、映画、漫画、アニメ、ゲームと娯楽で溢れています。あなたの好きな娯楽作品は、あなたの本質を探るヒントになるかもしれません。もちろん、娯楽以外でも構いません。自分自身が心の底から好きと思えるものなら。

と、ここまではいいですが、物によっては大きな落とし穴になってしまいます。それはずばり、「依存症」の問題です。
(依存症の記事に関してはメンヘラ.JPに多数投稿されているのでそちらもご覧ください)

必ずしも依存することは悪い、と言うわけではないのですが、生活/体調に支障をきたしたり、事後に後悔の念が浮かぶようになると赤信号です。その場合、専門医による治療が必要になります。

自分の依存が良い依存なのか悪い依存なのか判別する基準は、「自分の大切な人が同じことをしたら(自分は)応援できるか否か」です(某有名精神科マンガからのパクリです。ごめんなさい)。

好きなものに健全に依存できれば、それを行動の原動力にすることができるし、好きなものが同じ人と繋がるきっかけになるかもしれません。なので、自分に好きなものがあるなら、大切にしてください。

 

9.分からないことは何でも検索すること


今はインターネットで検索すればたくさんの情報が見つかる時代です。「知は力なり」と言う言葉があるように、分からないことは何でも検索しましょう。

例えば、今飲んでいる薬。飲み合わせや副作用を知っていれば役に立つことがあるかもしれません。
例えば、使い方が分からない言葉。一般的な言葉だけでなく、インターネットスラングも正しい意味で使ってこそです。

もちろん、この記事も検索に検索を重ねて書き上げています。内容を覚える必要はありません。忘れてしまったらその都度検索すれば良いだけですから。

 

10.どうしようもない時は、時が過ぎるのを待つのも手


この記事はいかなる状況にも対応できるものではありません。時には、この記事の内容を実践していてもどうにもならない時があるかもしれませんし、氷河期のように冷凍された時期が過去にあったり、今そうなっている人もいるかもしれません。

自然の力と言うものは、人の力ではどうにもならないので、こんな時は、シェルターに入って吹雪が止むまでやり過ごすに限ります。他の方の記事ですが、この記事も参考になります。
(参考:「鬱に耐えるシェルターをつくろう」

8で健全に依存できるものを、できれば複数確保しておけば強度は増しますが、全ての人が堅牢なシェルターを築けるわけではないので、本当の本当にどうしようもない時は、祈るしかないだろうと思います。

ただし、漠然とした祈り方ではなく、「自分は○○する、したい」と明確なビジョンを示し、それを実現するために力を貸してください、と言う祈り方の方が届きやすいでしょう。

 

おわりに


今は昔と比べたら精神疾患やメンヘラ/発達障害者への社会全体の理解は相対的に進んだと思うし、インターネットの発達によりメンヘラ/発達障害者同士が情報交換できる環境が整っています。

しかし、両者の社会参加と言う面では、まだまだこれからと言ったところです。こればかりは、時代が変わってくれるのを待つしかありません。

私は、全てのメンヘラ/発達障害者が自分らしく生きられる世の中が到来するよう、切に願っております。もし、そんな世の中が本当に到来したら、皆さんは既にメンヘラを卒業しているかもしれませんが。

そんな世の中が本当に到来するのかは私にもわかりませんが、それまでの間は、この「10の知恵」を駆使して生き延びてください!


【投稿者】
ポン さん

【プロフィール】
自閉スペクトラム症(アスペルガー症候群)で精神障害者保健福祉手帳2級。無職。
得た情報をスポンジのように吸収してしまう体質。


【募集】
メンヘラ.jpでは、体験談・エッセイなどの読者投稿を募集しています。
応募はこちらから

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ライフハック 発達障害 ポン
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2件のコメント

ハリー 返信

初めまして。
自閉スペクトラム(ADHDも持っているアスペルガー症候群)の当事者で、ハリーと申します。

ネガティヴな書き込みが多い中ポジティブな内容であり、私の考えととても近いので書き込みました。

私自身は体調を崩した事をきっかけに、勉強しポンさんの様な考えを持つ様になり、今は自分の得意な事で会社を経営し働いています。

率直な質問ですが、ポンさんが今は無職な理由は何でしょうか?

私が行なっている事業の参考にしたく、差し支えなければ教えて頂けたら嬉しいです。

砂糖 返信

ああああああすごく耳が痛い(笑)
納得できるものばかりで、私たちメンヘラがいつもぐるぐる考えてしまうことが整理されていて、本当にいい記事を読ませていただきました!
ありがとうございます!

私はまだまだ病気と戦っている最中ですが、治って行く過程で何度もここに立ち返りたいなと思いました。

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