ひきこもりから再就職を経たいま思うこと 働くことの楽しさと虚しさ

コラム ひきこもり 就労 ハル

最近、仕事を始めた。高校時代に一度バイトを経験して辞めてから、絶対にもう働くことなんてできないだろうと思っていたわたしがだ。

以前のバイトでは接客が上手くこなせず、先輩たちとも上手くやれずに逃げるように辞めた。わたしは一度の経験だけで、もう働けない、世の中に適応できないと決めつけていたのだけれども、いざ働いてみるとどうだ、意外としっかり働ける。

他の人より出勤は少ないけれども、引きこもっていた頃を思い出せば十分なほどだと思う。働いてお金を貰うのは素晴らしいことで、仕事に行く時と家に帰るときの空の色や空気が美しいことをわたしは初めて知った。

わたしは今まで、自分には努力が足りないのだと思っていた。努力=働くことで、働くことさえできればこの自殺願望は消えて、明るい人生を歩めると思っていた。

けれども違ったのだ。お金は貰えるし、働き始めたことでお母さんは嬉しそうだし、わたしは毎日いろいろなことを学べる。確実に前より成長できている、楽しく過ごせている。だけれどわたしのこの胸のわだかまりは消えてはくれなかった。

楽しくてもいつもどこかぽっかり穴が空いているのだ。仕事で疲れるとその穴は何倍にも広がって、消えたいと考えてしまう。どうにか埋めようとしてやることは暴食。お金を貰っても、おそらくその半分はそれに消えている。

「今日何か嫌なことがあったら死のう」と考えて出勤することもあった。けれどもそんなときは決まって先輩に褒められたり、嫌なことがひとつも起きなかったりするのだ。わたしの死にたさはいつもこうやって肥大化し固まっては霧のようになって飛ばされていく。そうしてまた肥大化する。

虚しさはどうしたって消えないものだと気付くのだ。わたしが生きている間ずっとこうして持っていなければならない。わたしは今18だ。あと何十年分もの命が残っている。60年、70年もこの人生を生きるにはこの穴は少し大きすぎる。

変わらず空は綺麗で日差しは暖かいし、死のうったって、心残りがありすぎる。いくら泣きながら過ごす夜がつらくても、そのときが来るまでわたしは生きなくてはならないのだ。

生きるとは、このぽっかりあいた胸の穴をどれだけ知らん振りをできるかなのかなあ、と、わたしは思う。


【投稿者】
ハル さん

【プロフィール】
18歳、中卒メンヘラ


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