「気分変調性障害」という病 あなたの抱える絶望感は「甘え」ではなく「症状」かも




初めて投稿させていただきます。成瀬(なるせ)と申します。

私は「気分変調性障害」という障害をベースに、「大うつ病性障害」「社交不安障害」という3つの障害を発症しています。

今、私は30歳ですが、「気分変調性障害」は成人前から罹患していたようです。うつ病と社交不安障害は、いつからの発症か正確な時期はちょっとわかりません。

今回は、精神的な落ち込みが長引いたら、すぐに精神科に掛かる人が増えてほしい、そして、「気分変調性障害」という病気を知ってほしい、と思い投稿しました。

 

◆「気分変調性障害」とは?

皆さんは「気分変調性障害」という病名を聞いたことがあるでしょうか。この疾患は「うつ病」と極めてよく似た病気のひとつで、私は自分が発症して初めて知りました。

診断基準があるので、以下に載せます。

*診断基準
(1)抑うつ気分がほとんど1日中存在し、少なくとも二年間続いている。憂うつな気分がない日があっても、憂うつな気分がある日のほうが多い。(子どもや青年の場合は、いらだたしさとして感じられることもあり、期間は最低1年間続いている)

(2)憂うつな気分のときには、次のうち二つ以上が存在すること。
食欲減退もしくは過食
不眠もしくは過眠
気力の低下、または疲労
自尊心の低下
集中力低下、または決断困難
絶望感

(出典:水島広子(2010)『対人関係療法でなおす「気分変調性障害」』創元社 より)

こういった症状があり、著しい苦しみや社会機能の障害が起こっていると気分変調性障害と診断されるそうです。

私は、この診断基準ほぼ全部に当てはまります。医者にかかる前はどの要素もひどかったですが、中でも「絶望感」は日常的に強く感じていたもので、遊びでも仕事でも、何をしても手応えがなく、それこそ、日々虚無と絶望を感じて生きていました。

診断基準で言われる「社会機能の障害」は何かというと、主に「適切な対人関係を構築できない」ことだと、私は理解しています。

この障害の厄介な点は、①症状が目立ってわかりやすいものではないため「性格」の問題とされてしまって受診・治療に結びつかないこと②成人前に発症する人が多いにもかかわらず、適切な治療に結びつかないため、人格形成の段階で現実における適切な対応能力を育てる機会が奪われる、ということではないかと思います。

私自身、この障害のこともあり中学・高校と健全な人間関係がほとんど構築できずに過ごしてきましたし、今も人間関係をうまく築けません。おかげで、適切な社会生活を営めているとはほとんど言えないのですが、そういうコミュニケーション不全と社会不適応を起こしてしまっていることが、上の診断基準にある「社会機能の障害」であるのだろうと理解しています。

 

◆「気分変調性障害」はわかりにくい

私が、冒頭の”精神的な落ち込みが長引いたら、すぐに精神科に掛かる人が増えてほしい”と思っている理由は、この障害を知ったからというのが大きな理由です。

この障害は、時期が不明瞭なまま、知らないうちに発症していることが多いようです。私も、この障害の正確な発症時期はわかりません。たぶん、12~15歳ぐらいじゃないかと思います。私は30歳ですので、思えば15年以上この障害に悩まされてきました。

最近になって医者にかかるまで、精神的な不調を感じる時もありましたがそれでも医者には行っていませんでした。でも、実際に医者に行き、診てもらって思ったことは、「もっと早く医者に行けばよかった」です。

なぜそう言えるのかというと、私は、医者に行ってとても楽になったからです。

「私は病気なんや」

という気付きが、私はずっと欲しかったように思います。なので、とにかく病名をつけてもらって、治療してもらえるということがありがたかったです。

15年近く、訳も分からず、ずっと絶望感を根底に抱えて、この先将来何もいいことないな、とか、人生は空しさの連続やな、とか、そういうことを考えて生きてきて、まあそれでもなんとか生きよう、みたいに努力しては空回りしてきたので、診てもらって、障害だと判断してもらって、初めて、病気なんだからそんなに無理することないのでは?と思えました。

病名を聞き、病気だと自覚して、はじめて楽になった。「もっと楽になれる糸口があるのかもしれない」という思いが湧き出たことを痛感しているので、私みたいに日々「虚しい」とか「なんかよくわかんないけどツラい」とか思って、その思いがずっと続いているなら早めに受診してほしいと思います。

なぜかというと、そう思う事自体がこの「気分変調性障害」特有のモノの感じ方であり、症状だからです。「自分は何をやってもダメだ」「他の人はもっと苦労しているのに…こんなこともできない自分は情けない」と思うのも、この障害の症状だそうです。

こういう「考え方」のようなものが「症状」であるとは、よほどのことがないとわかりません。私もずっとこんな考え方で人生やってきましたが、それは自分の「価値観」とか「性格」の問題だと思っていました。

でも、それは実際には病気の「症状」であり、「治せるもの」でもあるということは私にとっては信じがたいことではありつつ、それならなんとか治してもらいたい、治りたい、という気持ちを持つことにはつながりました。

 

また、お医者さんから言われた「絶望感を持って生活している人は実は少ないですよ」という一言が、私の「考え方」は、たしかに「症状」なのかもしれない、と思うきっかけになりました。

診断基準や症状を見ていただいて「自分はもしや当てはまるんじゃないか?」と思った方は、私個人の経験のみに依拠してしまい恐縮ですが、まず受診していただけたら、もしかしたら少しは楽になるかもしれない、そういう希望があるかもしれない、と勝手ながら思っています。

もちろん、受診先のお医者さんとの相性もあるので、一概には言えないと思いますが…それでも、まずは「診てもらう」というのを大事にしていただけたらなあと思います。

※ただ、この「気分変調性障害」は広く知られているものではないそうなので、診療先のお医者さんで、これだと診断してもらえない可能性もあるかもしれません。すみません。

でも、「こういう症状が出ていて、この障害だという可能性はありませんか?」と聞けたり、自分でも自覚できるだけでもいいのかもしれない、と思って書いています。

 

◆もっと早く「気分変調性障害」に気付けていたら

こう考えるようになったのも、15年近く、この「気分変調性障害」のために苦しんでいて、人生の前半は、ほぼ記憶が曖昧な状態だなあ、と自身を振り返り気づいたからです。私は家で虐待を受けていたので、発症の一番の原因はそれだと思っていますし、人生の前半が何だかほぼ無意味な気がするのはそのせいでもあるとは考えています。

だけど、せめてもっと早く受診してれば、もうちょっとなんか楽しく人生生きられたんじゃないの…?という疑念が湧くことは抑えられません。

私はオタクなので、もっとオタ活もしたかったし、オタ友も欲しかった。オタクなのに、いや、オタクだから余計にぼっちに拍車がかかったのかもしれませんが、オタ活も満足にやってこれたとは言い難いです。

とにかく、何をするにも砂を掴んで手から大半をこぼしながらなんとかその場を切り抜ける、というような精神状態で人生やってきたので、もっと早めの受診で病気に気づき、適切な治療を受けていたらこんなに長いこと苦しまずに済んだのでは…?と思うのです。

そしてもう一つ、早めに受診してほしいと思うのは、この気分変調性障害は他の病気を併発しやすいと言われているからです。気分変調性障害の人はいわゆるうつ病として知られる「大うつ病」にもかかりやすいそうです。まさに私もその一人であり、知らない間に「大うつ病」にもかかっていました。

私は大うつ病も発症したため、落ち込みがひどいときは「死にたい」と思うことも度々ありました。(大うつ病だと「死にたい」と思うようですね…気分変調性障害には希死念慮の基準がありませんでした)

私の場合は「死にたい」と思って泣きわめく、というのが一番症状としては強かったんですが、もうひとつ、自傷行為として皮膚の特定の部位をむしってしまうスキンピックが今でもやめられません。

過去に、自分はメンヘラなんじゃないか?と疑ったことは何回もありましたが、今思えば、いや、その通りだよ…?という気持ちです。そのとき、その考えを打ち消す努力をするんじゃなくて、医者に行くための努力に使えばよかった、と言うのは今だからこそ言えることかもしれませんが。

 

少し話がそれてしまいましたが、「気分変調性障害」と「大うつ病」という二つの病気を併発することで、「二重うつ病」と呼ばれる状態になります。私はどちらも発症した結果、日々落ち込んだ状態になり、対人関係や仕事のミスで少しでも躓くとすぐ涙ぐむ、理不尽なことを言われても反論できない、日常生活ができない(料理洗濯掃除ができない、寝られない、起きられない、食べられない)という症状が出て、布団から起き上がれない日が続いたこともありました。

他にも併存しやすい病気があるそうですが、その内のひとつ、「社交不安障害」にも私は罹患しています。

正直、どれも社会に適応して人とコミュニケーションとりながら生きていくためには枷となる障害ばかりです。それでも、死にたいと思う毎日を過ごすよりは明日の朝ごはん何かな、くらいの希望は持って人生を送ってもいいんじゃないか…?と思っているし、人並みにお金もほしいしもっと真面目に働いてみたくもあります。

雑なんですがまとめますと、早めに受診してもらえば症状が長引かずに済むし、その分、精神的に楽になって、なんとか楽しく生きられる余地が多くなったんじゃないか?と後悔しているので、私は自分のように後悔する人が少なくなって欲しい、と思っています。

 

◆なんとか生きていきたいし、まだもう少し希望を持って生きていきたい…。

私は、長年この二つのうつ病に悩まされてきたので、今も正直、社会に適応できている気がしません。

高校・大学の受験はどっちも失敗した気がするし、大学でもちゃんと勉学に励んだ記憶もありません。就活もうつのために全然身が入らず、気力が出なくてヘロヘロになってやった気がします。また、突発的に仕事を辞めたくなるため、今まで3回転職しています。が、それでも一応、何とかはなっています。

でも、私は、本当は具合が良くなったら大学にもう一回行きたいし、真面目に勉強してみたい。今の仕事も、お医者さんから大うつ病の診断を受けて以来、うつの症状をはさみつつ休み休みやっているせいで全然パフォーマンスが上がらず、死にたいな~って思いながらやっているので、せめて「死にたい」と思わずに仕事をやれる状態になってみたいです。

それから、「余暇には好きなことをしてもいい」ということをこの歳になってはじめて知ったので、もっと自分の好きなこととかやってみたいことを、せめてもう少し自分の気持ちを大事にしながらやってみたいです。(日常的な虐待の結果、「好きなことをしてもいい」という感覚が正直この歳までわかりませんでした。今もそんなことしていいのか半信半疑です。)

まとまりのない文章になってしまいましたが、今回の投稿で私が主張したいこととしては以下の3つです。

1.精神的な落ち込みが長引いたら、すぐに精神科にかかってほしい
2.「気分変調性障害」は性格の問題と片付けられやすいが「うつ病」。他の病気の併発を防ぐためにも早めに受診してほしい
3.メンがヘラっても楽しく人生を生きたい

この文章が誰かの暇つぶしになり、願わくば似たような症状を持つ方が受診するきっかけになりますよう願っています。

機会あらば、気分変調性障害の経過のようなレポなども書けたらいいな、、と思っております。

お読みいただき、ありがとうございました。


【投稿者】
成瀬(なるせ) さん

【プロフィール】
30歳になって初めて「うつ病」持ちだと知る。被虐待歴あり。
TwitterID:@mockcake


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