【書評】『美人画報』シリーズ(安野モヨコ)

コラム 書評 さしすせさそ

こんにちは。OLになって一年が経ちました。さしすせさそです。なんとなくですけど、年末に私、無職になってる気がします。なんとなくですよ? ならないかもしれません。12月が楽しみですね。

今回は、僭越ながら尊敬する安野モヨコ先生の書評を書かせていただきます!

ご紹介するのは『美人画報シリーズ』の三部作です。こちらは安野モヨコ先生による美容エッセイになります。

「メンヘラ.jpで美容エッセイ? なんで……?」という声も聞こえてきそうですが、これは私の醜形恐怖症を和らげるきっかけになった本です。同じように醜形恐怖症に悩む方にとって良いきっかけになってほしい、という願いも込めてご紹介します。もちろん、美容に興味がある方や「なんで女は美容にこだわるの?」という男性陣の疑問も解決できるのではないか? と思っております! 皆さんぜひお手に取ってみてください。

ちなみに私は保存用のハードカバー版と、持ち歩いて読む用の文庫本、全部あります! 大好き!!

 

■美人画報シリーズとは


美人画報シリーズとは、安野モヨコさんが美容雑誌VOCEにて連載していた企画を単行本化した作品です。

『美人画報』『美人画報ハイパー』『美人画報ワンダー』の三部作になっており、それぞれのコンセプトが違います。

『美人画報』はいわば美容デビューのような、美に関する入門のような内容です。
「可愛いってどういうこと?」「美しい女は美しい日本語から生まれる?」「若者のファッション、実際それどうなの?」「全身ヴィヴィアンウエストウッドって可愛いの?」など、思想や考え方を中心に構成されています。執筆時の安野モヨコ先生が、連日の徹夜作業でボサボサになってしまった髪の毛で表参道の美容室にチャレンジ! という企画も収録されています。

 

『美人画報ハイパー』では安野モヨコ先生の体当たり企画が中心に収録されています。
鼻筋やあごにヒアルロン酸を注入するプチ整形や腸内洗浄、1週間でマイナス5キロの炭水化物抜きダイエットなど、かなり体を張っていらっしゃいます。実際、本書にはとてもスリムになられた安野モヨコ先生の著者近影が掲載されており、私が炭水化物抜きダイエットを決意したきっかけになりました。

さらに叶姉妹に会ってインタビューをしたりと、読み物としてもかなり読み応えがあります。ちなみに、発売当時は電車の中吊り広告に著者近影も掲載され、大々的にPRされていました。

 

『美人画報ワンダー』では、大々的な広告により著者近影が多くの人の目に触れたことで、ご自身が「美人が書いている美人画報じゃない」と明言していたにも関わらず、 「ブス」「デブ」というような誹謗中傷を受けてしまいます。それをダイレクトに受け止めてしまった安野先生は塞ぎ込んでしまい、みるみるうちに太ってしまいます。さらに3か月ほど仕事もできない状態になってしまったようです。しかし、実はこの単行本に収録されている現行の最中に、庵野秀明さんとの結婚も決まり、ウェディングドレスを着こなさなくてはならない状況に!このままではいけないと感じた安野先生は、心の在り方から美人になっていこうと前に進みはじめる。ーーという内容が『美人画報ワンダー』の内容になります。

 

皆さんも、心無い人に外見のことで悪口を言われたことはあるのではないでしょうか?

今すぐ変えられないような身体的特徴について、揶揄されたり中傷されるとヘコんでしまいますよね。私もそうでした。私は、顔がアトピーで赤く荒れていて、顔のことで散々いじめられました。 心無い人からの誹謗中傷は心にダイレクトに刺さって、くよくよしてしまいます。そして表情は暗くなり、ますます美しさや可愛さからは遠ざかり……と書いてても暗くなるだけなのでやめます。

 

■醜形恐怖症で苦しんでいた時に救われた言葉


以前、私は醜形恐怖症の記事を書きました。
(関連記事:醜形恐怖症を克服した私の3つの考え方

仕事を辞めた私は実家に戻り、本棚を整理していたところ、ふと昔購入した美人画報シリーズが目に留まりました。そして「時間もあるし、大好きだったから読み直そう」と再び読み直しました。

すると、初めて読んだ時とは違う感覚が、ダムが決壊したようにドバドバ溢れてきました。

当時は大好きな安野先生が何を考えているか知りたくて読んでいたという感じでしたが、26歳・醜形恐怖症に罹患した女の心には響くものがありすぎました。印象に残っている言葉はたくさんあるのですが、一番印象深いものはこちらです。

「美しい人はいい。美しいものはいい。美しい風景、美しい音、光、香り。この世は美しいものに溢れかえっています」

(引用:美人画報ワンダー)



この言葉を読んだ時に、私はハッとしました。

私が醜形恐怖症に悩んでいた頃、他人から言われた悪口を素直に受け取ってしまって暗い気持ちになることがありました。ひとたび暗い気持ちになってしまうと、気分はどんどん沈んでいき、悲しい気持ちになり、ついには体調まで悪くなってしまうということもありました。

しかし、安野先生のこの言葉を見たとき、負の感情は気にするだけ無駄! ということに気づいたのです。それからは悪口も可能な限り気にしないように努めました。そして、YouTubeで美しい人の動画を見まくりました。綺麗なものを見たり好きな音楽を聴いたりしていると自然と気持ちも前向きになって、「このままじゃだめだ。現状を変えるにはどうしたらいいだろう」と考えられるまでに回復しました。

「美しいもの」は私の気持ちをこんなにポジティブにしてくれるパワーがあるんだ、と実感したことを覚えています。

 

■本物の美人って何?


綺麗なものを見てポジティブになれるほど精神状態が回復した私は、本物の美人になりたい! と思うようになりました。では、本物の美人とは一体どういう人を指すのでしょうか。

安野先生が考える本物の美人については、ぜひ本書をお読みください。ここでは私の考える本物の美人についてお話させていただきます。

私が考える「本物の美人」とは、人に承認をされなくとも、人の悪口を言ったりせずとも、自分のことを肯定できて、現状を受け入れた上でさらに前へ進む努力をしている人だと思います。努力して頑張っている人は、その「現状よりも素敵な自分になりたい」という気持ちが可愛いと感じるし、とても愛おしい気持ちになるからです。それに、努力をしていれば本物の美人になれると思うと、少し希望がわいてきませんか?

私の考える「本物の美人」は安野先生の考えに影響を受けています。醜形恐怖で精神的に死んでしまっていた時、安野先生の「本物の美人とは何か?」という考えが本当に支えになりました。

 

■本当に綺麗な人、って外見だけじゃない


と、本の中身をネタバレしないように書いていきましたが、美容についてだけではなく、心が穏やかで居られる在り方を学べるエッセイになっています。

心無いディスに傷つき、心が荒んでしまい自分の体調が悪くなってしまうことは、自分の時間がもったいないことだと考えてやっていきましょう。せっかく生きてるんだもの。出来れば、楽しく、穏やかに、素敵なものを見て素敵だと思える感性を守って生きていきたいですね。

文庫も発売されています。とても読みやすく、元気がなくなった時は私は必ず読みます。

世の中には、もちろん綺麗な物だけではなく、汚い事実や醜い事柄もたくさんあります。ですが、それらにとらわれずに、綺麗なものや可愛いもの、素敵なこと、素晴らしいものに自分の楽しみを見出して心を潤わせていきましょう。一度、挫折を味わった人が再び立ち上がる場合、顔には潔い覚悟が勲章としてついていると思います。

 

美人画報シリーズを読んで得たことは「たとえ挫折しても綺麗なものや美しいものを見て、浄化された気持ちから前向きになれる。前向きに自分について考えているとき、自己肯定感にあふれているのではないか」という可能性と希望です。健康的に自己肯定感を高めていく方法も得られました。本当に素敵な本です。

そんな最近の私の思う美しいものブームは可愛い人の画像を集めまくる事です。
そしてその美しい人に、合うようなちょっと切ない曲を合わせたりしながらニヤニヤしています。気持ち悪いですよね。えぇ、私もそう思います。
終わりまーす(またね)!

 


【執筆者】
さしすせさそ さん

【プロフィール】
総務OL兼ライティング修行中の29歳女
Twitter:@mmmmmmmmmm222

 


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