普通だった私に戻りたい

コラム でんどろ

昨年、仕事が原因で悩むことが多くなり、「このままでは、いつ取り返しのつかないことをしでかすかわからないぞ」と、初めて心療内科へ行った。

私がイメージしていた『心療内科の医師』とは随分かけ離れた、白衣も着ていないラフな格好をした医師からは「うつ病まではいかないけれど、このままだとうつになってしまいますよ。」と告げられた。

うつじゃない。私はまだうつじゃない。病名が付かない。どうして?こんなに毎日24時間自分が嫌いで、私だけ明日が来なければいい、死にたい死にたいと思っているのに。うつじゃないなら私は一体何なんだろう。ただただ、自分に甘いだけの人間なんだろうか。

その日は、安定剤(飲んだら半日は眠ったままになってしまうような薬だったが、今思えば、ただ単に私には合わない薬だったのかもしれない)と一緒に診断書を貰い、後日上司へ直接提出して当時の仕事は辞めた。

知りたがりで調べ物が好きな私は、処方された薬と医師から質問された内容を思い出しながらネットで調べた。
自分が知らなくて興味があることは特に、すぐに調べる癖がある。その結果、もしかしたら双極性障害に近いのかもしれないという結論に至った。

恥ずかしながら諸事情により借金はあるけれど、躁状態で高価な物を買い漁ったのが原因ではない。死にたい気持ちは実は何年も前から度々あったけれど、リストカット等の自殺未遂は一度もしたことがない。痛いのと血が出るのは怖いし、高所恐怖症だから高層ビルから飛び降りなんて出来ない。

昔、姉が面白がって買ってきた『完全自殺マニュアル』を読んでいたおかげで、どんな手段で自殺に成功しても失敗しても、何をどうしたって家族に迷惑がかかるのは知っていた。私は家族が好きだから、迷惑をかける死に方はしたくなかった。

死にたいのに死ぬ決意もできない中途半端な私には、そりゃあ医師だって病名を付けようがないんだろう。

 

しかし、残念ながらそのままのんびり心身を休めていられるほど金銭的な余裕はないので、すぐに次の仕事を探した。幸い、早いうちに新しい仕事を始められたが、それも長くは続かず。

周囲の見ず知らずの人々が自分に注目しているようで急に怖くてたまらなくなったり、電車やバスに乗っていたら突然、乗車しているのが怖くて落ち着かず、目的地まではまだまだあるけれど。もう走行中でも構わない。アクション映画のようにガンガン体当たりをしてドアを開けてでも降りたくなることもあった。

そんな状態だから出勤もままならず、最終的にはほぼひと月休んだまま自主退職。今は実家でニートなうである。

しかししかし、先ほども言ったように、金銭的な余裕は全く無い。早く次の仕事を見つけて収入を得なければならない。収入を得て、少しでも家にお金を入れて、借金も返さなければならない。家にお金を入れられていない私に、家族は「ご飯だよ。」と声をかけてくれる。それが毎日申し訳なくて仕方がない。

働いていない私が食事なんてしていいのだろうか。
働いてない私の食事にかけた分の時間とお金がとてももったいなく思える。

早く働きたい。だけどこんな私が、次は一体何ができるんだろう。たとえ新しく仕事を見つけても、またすぐにダメになるんじゃないか。

次の一歩が踏み出せない。前はもっと簡単に次へ次へと進めたのに。

早く働いて収入を得て、きちんと払うべきお金を自分で払って、また以前のように友達とライブに行ったり映画館に行ったりしたい。

早く『普通』だった頃の私に戻りたい。早く。早く。

 


【投稿者】
でんどろ さん

【プロフィール】
アラサーでオタク♀。音楽と生き物が好き。


【募集】
メンヘラ.jpでは、体験談・エッセイなどの読者投稿を募集しています。
応募はこちらから

この記事のカテゴリ・タグ

コラム でんどろ
このエントリーをはてなブックマークに追加

0件のコメント

コメントを残す

返信をキャンセル
返信先コメント

captcha