アダルトチルドレンにとって有益な「インナーチャイルド」との向き合い方

コラム せり アダルトチルドレン インナーチャイルド

こんにちはせりぽよです。

今回は、前回の記事『機能不全家庭について』と類似したお話「アダルトチルドレン(以下AC)」と呼ばれるものについてのお話となります。
(関連記事:家庭の半分は機能不全家族予備軍とも言われる現代。貴方の認知は正常ですか?

今まで私が書かせていただいた記事のいくつかにはACについて触れたものがあります。今回はそのACがうつ病や双極性障害、統合失調症といった様々な精神疾病の根源になっているかもしれないというお話になります。精神疾病の原因がACかもしれないって人、実は少なくないんですよ。

今回のお話も、個人的な経験として書かせていただいているものです。自分がACであると認められていない方、ACが原因で精神疾病を発症したとまだ認めたくない方は心の余裕がある時にお読みいただけたらと思います。無理して読む事は精神によくないですからね、余裕がある時によんでいただけたら幸いです。

 

■精神疾病の原因として挙げられるもの


さっそくではありますが、精神疾病を抱えているみなさんは自分の精神疾病の原因について考えた事はありますか?

昨今では非常に多くのものが精神疾病の原因として挙げられていますね。具体的に挙げると以下のようなものが挙げられると考えています。

・先天性(遺伝性や生まれつきによるもの)
・ストレス
・トラウマ(PTSDなど)
・身体的原因(脳障害など)
・AC

私自身のうつ病の原因は超軽度のADHD、そしてACとして育った事による生き辛さ(ストレス)が原因であるという診断が最近下りました。こういう事が原因で精神疾病を発症する事もある、と知っていただけたらと思います。

 

■AC(アダルトチルドレン)とは


そもそも、今まで軽くしか触れてこなかったACとはなんでしょう?
これは親との関係で何らかのトラウマを負ったと考えている大人、或いは虐待する親の下や機能不全家庭のもとで育ち大人になった人の事を言います。
(参考:アダルトチルドレン解説ガイドより)

これはざっくりと言うと、幼少期の家庭環境などが原因で大人になっても生きづらさを感じる、認知や考え方、感情表現に歪んだ特徴を持った状態ということですね。理解していただきたいのは、決して「成人しても精神的に未熟だという状態ではない」「アダルドチルドレンという病気ではない」という2点です。ACはあくまでも、病気ではなく過去の経験によって生き辛さを感じている、という状態を意味する言葉ですので、そこは誤解なきようお願いします。

 

■ACとしての傾向


これもまたアダルトチルドレン解説ガイドから引用しますが、アダルトチルドレンの主な特徴としては以下のようなものがあげられます。
・自分で判断を下すことに確信が持てない
・物事を最初から最後までやり遂げることが困難である
・本当のことを言った方が楽なときでも嘘をつくことがある
・情け容赦なく自分自身を批判する
・楽しむことがなかなかできない
・真面目すぎる
・他者と親密な関係を築くことが難しい
・自分にコントロールできないと思われる変化に過剰に反応する
・他人からの肯定や受け入れを常に求める
・他人は自分と違うといつも考えている
・常に責任をとりすぎるか、とらなさすぎるかの両極端である
・無価値なものとわかってもこだわってしまう
・衝動的である

これ以外にも、
・過剰に空気を読もうとする
・誰かと自分を極端に比較をする
・100か0の思考(生きるか死ぬかどうしようのような思考、中間がない)
・自分に自信がなく他人の基準で判断する
・何かしらの役割(世話焼き、しっかり者、おふざけ担当等)を演じようとする
・自分の可能性に対しては何故か過信している。
・自尊心のなさから共依存に陥る

等が挙げられます。これらの項目に当てはまる人はACである可能性が高いと言われています。

実際に私が自分に当てはまっているなぁ、と感じるのは「100か0の思考」「他者と親密な関係を築くことが難しい」「自分にコントロールできないと思われる変化に過剰に反応する」「物事を最初から最後までやり遂げることが困難である」「何かしらの役割(優等生、世話焼き、問題児、おふざけ担当等)を演じようとする」「自分の可能性に対しては何故か過信している」等が当てはまりますね。正直生き辛いことこの上ないです。人生easyモードだなんて誰が言ったよ、って感じに思っています。

 

■ACが周囲から見放されないために考える思考回路


ACの特徴で挙げたものとして、人間関係が上手くいかないというものがありました。これは嫌われる事を過度に恐れたり、失望されたり見放される事に対する恐怖や、そもそも自分以外の人間に一切興味を持つ事が出来ない等が挙げられます。人から嫌われる事を恐れる人からすれば、周囲から見放されるという事は死にも近い恐怖を感じるようなものです。

では、見放されないためにはどうしたらいいのか?
これは「嫌われない自分」を作り、それを演じればいいという結論に至ります。実際に私がそうでした。当時、嫌われない自分を作る為に必要な要素としては以下のようなものがありました。

・仕事が出来る、ハイスペックな自分になろう!
・同期だけではなく後輩や先輩からも慕われる存在になろう!
・嫌われない程度の八方美人になろう、愛想を良くしよう!

→つまり完璧人間になればいいんだな。

正直に言ってしまえば、この状態が既に認知の歪みを表しています。嫌われない自分なんて無理に決まっているんですよ。人間、何処かしらで綻びがあるため、完璧にはなれません。しかし、それを薄々わかっていても実行し、周りから好かれる自分を演じる事をします。

ここで詰みます。何故詰んでしまうのか?なんてわかりきった事です。少年漫画のような特別な才能を秘めているわけでもない平凡である人間が、「完璧」になんてなれるわけがないんですよね。村人Aがいきなり「俺勇者になる!」って言っているようなものです。

それでも完璧に近づこうとすると、歪みが生じます。ここでの歪みとは、ストレスを意味します。過度に嫌われる事を恐れるという事は、他人と話している時は常に緊張状態であるようなものです。自分の「役割を演じること」は常にその状態でなければいけないという、自分から自分に対する過度なプレッシャーを浴びせられています。

役割をこなしても、褒められた経験が少ない故に自尊心が低いです。褒められるためには、賞賛されるためには、もっと努力しなければいけないと考えます。それなら、過度に働けばいいと考え、動き過ぎてストレスや疲労がたまります。こうして、うつ病や心身症を発症するという流れが完成です。まったくもってよくない考え方ですね。それを分かっていても理解が出来ないのが悲しいですが、時間をかけて理解していくことが大切です。

 

■ACとして自分と向き合い、治療していくためにしておくこと


ではこのAC、一体どうやったら治療というより、良好化するのでしょうか。私が医師から言われた対処法は以下のような事です。

・自立する
・認知行動療法を取り入れる
・可能な限り健康的な生活をする
・インナーチャイルド(幼少期の自分の辛かった、悲しかった体験)と向き合う
・精神疾病の治療とは分けて考える

この4つが私が医師からアドバイスされた対処法になります。

以下では、この4つのうち私が特に重要であると考えている3点についてお話します。

 

■1.自立する


自立とは、なにも実家暮らしの人に一人暮らしをしろといっているわけではありません。この文における自立とは、精神的自立を意味します。誰か特定の人とずっとLINEしていたり、Twitterのタイムラインを監視するように眺めたり。他にも恋人に対して過度な依存をしていたり、周りに嫌われたくないあまり八方美人になったりしていませんか?

これはハッキリと言ってしまえば、他人ありきの自分になっています。ACとして育ってしまった自分を見てくれる人に依存してしまう気持ちは分からなくもありません。実際に私もそうでした。しかし、誰かに精神的に依存している人は自分の為に自分を大切にするということが苦手な傾向にあるように思えます。

勿論、疾病の影響で働けないために家族に経済的に依存するしか方法がないという方もいるかもしれません。そういう方は少しでも出来ることからはじめて、徐々に自立できるようになるとよいのではないでしょうか。外で働くのが難しいという方には、在宅で出来る仕事もあるのでそこから始めてみるといいかもしれませんね。経済的な自立は精神的に自立する事にも繋がります。

 

■2.インナーチャイルドと向き合う


インナーチャイルドとは、大まかに言うと幼いころに負った傷のことを意味します。この記事では、「親から本当はこうしてほしかった」「もっと家族に愛されたかった」「あの時、本当は悲しかった」という経験と向き合うことをインナーチャイルドと向き合うことと意味しておきますね。

トラウマにも似たものと向き合うことはとてもつらく悲しいので、そんなことしたくないという人が多いかもしれません。しかし、インナーチャイルドを愛することが出来るのは自分だけです。他の誰とも共有出来ません。体験談として話したとしても、本当の意味でその悲しさ、辛さを理解できるのはその体験をした自分だけです。

その経験をした自分自身が幼い頃の泣いている自分を慰めないで、誰が慰めてくれるでしょうか。誰も慰めてあげることは出来ません。インナーチャイルドを放置するのは、幼い頃の自分がずっと泣いている状態を放置しているようなものです。自分は本当はどうしたかったのか、当時悲しかった自分を認識して認めてあげることは、ACの良好化を図るには必要であると考えられます。

 

■3.ACの治療と精神疾病の治療を分けて考える


精神疾病の治療とACの治療は異なるようです。具体的に私の例で挙げてみましょう。

私は現在ACによる二次作用として、うつ病とADHD(仮)を患っています。このADHD(仮)というのは、ACとして起きやすい状態として「忘れっぽい」「注意力散漫」等が挙げられます。これがWAISのようなADHDとして診断されているのであれば兎も角、私は現在グレーゾーンにいます。

そのため、ストラテラ(ADHD用のお薬)の効果が効いているのか効いていないのかすらわからない現状です。現状ではストラテラを投薬し続け、ACとしてのカウンセリングやインナーチャイルドと向き合うことが治療方針として続いています。

このように、私の場合は、精神疾病としてのADHDに対する治療とACによるADHD(仮)では治療方針が異なっています。主治医から説明された具体例を挙げると「同じ咳をしていても肺炎と風邪では処方する薬が違うよね、それと一緒だよ」とのことです。

医師が変われば診断名が変わる事もあるのと一緒で、ACを診断する医師も人それぞれです。身体や精神に影響が出る前に、治療方針について医師としっかり確認することが大事ですね。

 

■私が自分のインナーチャイルドと向き合ってみた話


さて、少し私が自分のインナーチャイルドと向き合ったお話をしましょう。

前提として私の家庭環境を少しお話しますね。

1歳差の妹が身体障害者手帳1級レベルの障害児で、母が双極性障害を発症。父と母は離婚し、母が身体障害者の妹を引き取りました。私は父方に引き取られ、過干渉の叔母に育てられます。高校以降、母に会うことはほぼありませんでした。そして母はいつの間にか再婚していたのです。

私の中のインナーチャイルドが求めていたことは「家族全員で仲良くしたかった」「親から愛されていたという事を幼い頃の生活の中で知りたかった」「妹だけでなく私も見てほしかった」、この3つでした。そんなインナーチャイルドが何を求めているのかも分からない中で、偶然母が再婚していた事をSNSで知りました。意味も分からず号泣しました。

その事から、母に自分を見てもらいたかった、妹だけでなく自分も見てほしかった、愛されたかった、もっと自分自身を理解してほしかったということを理解しました。泣き止んでから考えました。どうやったらこの感情に折り合いを付けられるのか、ずっと考えました。

結論として出たのは、「仕方がなかった」と理解すること、これから私は怖がらず自分自身を愛すること、私を愛してくれる・好いてくれる相手と真摯に向き合うことの3つです。

母が双極性障害を患っていたことを知ったのはつい先々月でした。しかも、なんと私が5歳の頃に発症して15年、入院経験が3回もあるそうです。それを知ってしまったらもう、私に残された対処法は「仕方ないことだった」と理解するしかありませんでした。

母なりに今は寛解に向け仕事をし、私の事を気にかけてくれています。再婚して、心の余裕が出来たのでしょう。彼女が父の妻としてもう家族になれる事はなくても、私の母であることには変わりがありません。今更ではありますが、母や父の不器用な愛情を素直に受け取ることでインナーチャイルドの「愛されたかった」という叫びを解消しようと、そう決めました。

過去の記憶にしがみついたままでは、前を向くことが出来ません。私を愛してくれる恋人や大切に思ってくれている友人を綺麗な形で大切にすることが出来ないままです。私はそんなのは嫌です。ACとして育った経験があるからといって、周りにそれをぶつけていい免罪符にはなりません。私が自他共に愛する為に必要なことはうつを治療し社会復帰に近づくこと、そして認知が歪んでいるということを理解し続ける。この2つが今すべきことであると、そう考えています。

 

■ACへ対する理解


ACに対する理解は「機能不全家庭」という言葉とともに徐々に広まりつつあります。ですが、具体的なACとしての状態などはあまり知られておらず、名前だけが知られているという現状も否めない状態です。

実際にアダルトチルドレンという名前から、「精神的に未熟な成人した人」といった風に捉えられる事も少なくありません。実際の意味は異なりますよね。このような誤解を招きやすい言葉でもあるため、ACという状態に対して、正しい理解をする事が大切になってきます。

 

■まとめ


さて、そろそろこの記事も終了です。今回の記事をまとめてみましょうか。

・精神疾病の原因の1つとしてACがあるということ
・他人に嫌われたくない、理想の自分を追求しすぎるあまり、ストレスや疲労過多になってしまい、精神疾病を発症してしまうケースが多い
・ACと向き合うには精神的自立、インナーチャイルドと向き合うことが大切
・インナーチャイルドと向き合うときには、「何が」辛かったのか、「自分はどうしたかったのか」を優先的に思い出してあげることが大切
・ACとしての治療方法や適切なカウンセリングを受けることで生き辛さが軽減される可能性がある

こんなところでしょうか。

過去の思い出したくもない経験を思い出すのは辛い事かもしれません。しかし、過去の経験は鎖のようなものになって自分自身が上手く動けないように雁字搦めになってしまっています。是非とも1人でも多く、その鎖が解ける事を祈っています。本当に。読んでくださりありがとうございましたっ。

 


【執筆者】
せり さん

【プロフィール】
眼鏡がおいしそうと言われた変態とメンヘラを引き寄せるメンヘラキャバ嬢
Twitter:@seri_nonnon

 


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