データで見る発達障害者の就職状況 卒業後の進路は健常者とどう違う?




ごきげんよう。090です。
今回は「発達障害持ちの学生の進路状況」の話をしようと思います。

発達障害と社会は相性が悪いことで有名(?)ですが、実際、実際、発達障害者は就職などの分野で、どの程度のハンデを背負っているのでしょうか。

様々な調査を参照しつつ、実際に調べてみました。

 

発達障害者と就職

社会の入り口といえば「就活」。発達に問題がなさそうな人でも苦戦する場面だと思います。就活はちょっと特殊な茶番なので、ある種の人たちは得意かもしれませんが……。

ということで、発達障害を持っている学生の卒業後の身の振り方が知りたい!

そういう内容の調査、どっかの機関でやってないかな〜と思っていたら、やっぱりありました。

その名も『障害のある学生の修学支援に関する実態調査

奨学金でおなじみの日本学生支援機構による調査です。
タイトルからだとどういう内容なのかイメージがつかみにくいですが、すごくざっくり言うと、

“各種の障害を持った学生(大学生(院生含む)・短大生・高専生)にまつわるデータ”です。

「障害を持っていて、高等教育を受けている人たちのデータ」とも言えます。
(※ちなみに、中学生・高校生は「学生」ではなく「生徒」なので、ここには含まれません)

高等教育を受けた発達障害者は、どれくらいの勢いで社会に入っているのでしょうか。

いわゆる定型発達の人たちとそんなに変わらないのか、それとも……。

最新の資料を読んだところ、なかなかアレな現実が見えてきたので、ひとまずご紹介します。

 

そうそう、この調査を読む前に留意しなければならないことがあります(めんどくさいと思ったら、次の見出しまで飛ばしてもらっても大丈夫です)。

まず、この調査における「発達障害者」はどんな人たちかと言いますと、
・SLD … 限局性学習症/限局性学習障害(旧LD)
・ADHD … 注意欠如・多動症/注意欠如・多動性障害(旧注意欠陥/多動性障害)
・ASD … 自閉スペクトラム症/自閉スペクトラム障害(旧高機能自閉症等:高機能自閉症及びアスペルガー症候群)
・上記3つのどれに該当するか不明な人
を指しています。

また、この調査の対象者が
「発達障害(診断書あり)」
「発達障害(診断書なし・配慮あり)」
の人たちであるということにも留意してください。

つまり、ここには、
「発達障害(診断書なし・配慮なし)」
という、とびきりのアウトサイダーが含まれていないので(捕捉のしようがないですから。仕方ありません)、現実とは少し違う可能性があります。

さらに言うと、これは「卒業直後(卒業した年の5月)の状態」を表しているデータです。

よって、たとえば
・卒業後、すぐには就職しなかったが、現在は就職している発達障害者
・卒業後、すぐに就職したが、6月には退職した発達障害者
なども存在することを念頭に置くと、より興味深い話になると思います。

以上、留意する点でした。ややこしくなっちゃいそうだったら忘れてください。
さて、本題に入ります。

 

発達障害持ちの学生、卒業後の就職者は4割

発達障害持ち学生の就職者の割合ですが、 41.8% でした。約4割ですね。

ちなみにこちらが参考にした平成27年度卒業生のデータです。

ちなみに、「診断書あり」の人は36.6%、「診断書なし・配慮あり」の人は45.7%が、卒業後に就職していました。どういう因果か知りませんが、「診断書なし・配慮あり」のほうが若干就職への距離が近いようです。

 

大学生の就職者は7割超。発達障害持ち大学生の就職者は4割。

「発達障害持ち学生の就職者の割合、4割ちょい」とのことですが、学生の当事者のみなさま、体感的にはいかがですか。非当事者の方々もいかがですか。

卒業が決まっている人で、就職する人の割合ってこんなもんでしょうか……。

分野によるかもしれませんが、私の周囲では、7〜8割くらいの人が卒業と共に就職していったイメージです。実際、国全体の(つまり、健常者も障害者も含めた)データはどんな感じなんでしょう。

これについては文部科学省が毎年調べてくれているので、せっかくですから発達障害持ち学生の調査と同じ年(平成27年度卒業)の進路状況を見てみましょう。

文部科学省の調査によると、平成27年度卒の大学生で、就職した人の割合は 72.0% だそうです。

「あ、やっぱりそれくらいだよね」という数字だな。と個人的には思いました。

ちなみに、大学生の進路状況しか載っていないので、短大生や高専生の進路状況はわかりません。

大学生の発達障害者はというと、日本学生支援機構の資料を見る限り、就職者の割合は40.9%
やはり4割程度です。

就職するのは大変だなんて、発達障害者だけの問題でもありませんが、全体との数字を比較しちゃうとコントラストがキツめですね。ただ単に、卒業してすぐ社会に出ることを選ぶ発達障害者が少ないだけなのかもしれませんが……。

 

就職だけが生きる道でもない。それはわかるけど……

もちろん、学校を卒業した後の進路はいろいろあります。就職だけが全てではありません。進学する人、旅に出る人、いったん休む人、バイトする人、起業する人……いろんな人がいます。人は就職のみにて生きるにあらず。

ここから読み取れるのは、
「発達障害を持っている学生で、卒業直後に就職している人は4割くらい」
「国全体で見れば、学生で、卒業直後に就職している人は7割くらい」
というだけのことです。

この数字を見て何を思うか、考えるか。感想も解釈もそれぞれにおまかせします。詳しい人、是非いっちょ噛みしてください。

個人的には「なんとなくわかってたけど、意外と差が出るものなんだなあ」という印象です。

発達障害は社会に規定される部分が非常に大きい障害だと考えているので(器質的な原因があるにしても)、いわゆるふつうの社会人になれる or なりたい人が比較的少ないことを示されたところで、特に違和感はありませんでした。

ただただ、働かなくても生きていけたら一番いいなあと思います。

それでは、ごきげんよう。


【執筆者】
090 さん

【プロフィール】
会社員時代の自殺が未遂に終わり、いろんな意味で「サービスで生きてる」無職。生きてる以上、楽にやっていきたい。少しでも死にたい人のお役に立てればと思います。
Twitter:@oqo_me_shi


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