ADHDが編み出した、片付けられない人のための「散らかりにくい部屋の作り方」




今年で一人暮らしを始めてから5年目になりますが、最近やっと部屋をある程度きれいに保てるようになりました。

片付けが苦手な人の中でも散らかる原因は人それぞれだと思いますが、私の場合はADHDの特性が関係しているようなので、普通の片付け本やADHDの特性について書かれた本を読んで試行錯誤した結果、実践している方法をまとめてみました。

きれいに保てると言っても、最低限の労力で生活に支障が出ない程度の部屋を保つためにしている工夫という感じです。

 

「片付けられないこと」を自覚した所から始まった

実家では家族によく「部屋を掃除しろ」と言われていたし、部屋に友達が来ると汚すぎて引かれていたのですが、私は20歳くらいまで片付けられない自覚がありませんでした。自分はただ掃除を面倒臭がっているだけで、やれば出来ると思っていました。

しかし、一人暮らしを始めてしばらく経ってから「部屋が汚いと生活の質が下がる」という事に気付きました。必要なものが見つからなくて時間が無駄になる。持ち物を把握していないから同じ物を買ってしまってお金も無駄になる。部屋が汚いと人から「だらしない人間」とみなされる。汚い部屋を毎日見ていると自分も何となく気分が悪い(視覚優位なタイプの発達障害者は特にだと思います)。

そこで本気で部屋を綺麗にしようと思ったのですが、いざやろうとしても全然出来ない。「おかしいな~何でだろう?私はよっぽど掃除が嫌いなのかな?」と思ったまましばらく過ごしていたのですが、学業とバイトが上手く行かず「これはおかしい」と思って病院に行った時に、ADHDが発覚しました。

ADHDの特徴の一つに「片付けが苦手」というのがあります。そこで初めて私は「やらない」というより「出来ない」ことに気付きました。

 

部屋が汚い理由

それまで私は、部屋が綺麗な人達は何で掃除なんて面倒臭いことをやれるのか不思議に思っていました。平日は学校に行って、週末は遊んだり趣味に時間を使ったりするのに、いつ掃除しているんだろうと。

そこで何人かに話を聞いて気付いたのですが、まず掃除に対しての認識が違いました。

掃除と片付けというのは別物で、部屋が綺麗な人達はどうやら普通に生活していれば物が散らかる事はないようです。あの人達にとっての掃除とは、ただ埃が目についた時にサッと掃除機をかければそれで掃除終了です。床に落ちてる大量の物を分類して、やっと掃除機がかけられるようになる私とは掃除のスタート地点から違うようでした。

何故物が散らからないのか?と訊くと、「出したら片付けるから」。それに対して私は物を出したら出しっぱなしにするから、気付いた時には部屋が散らかっているのです。

ADHDの特性についてよく「注意力散漫なせいで部屋が散らかる」と書かれてありますが、「いやさすがに掃除も出来ないほど注意力散漫じゃないよ」って思ってました。洗濯物を畳み始めたら終わるまで集中出来るし、掃除機も全部屋かけられます。でもこれは解釈が間違っていて、ADHDが苦手なのは「普段の生活で散らかさないこと」かなと思っています。

 

家で何か物を使うタスクを実行する時、大抵「出す」→「使う」→「戻す」がワンセットです。しかし私には「戻す」まで完了することが困難です。

これには2パターンあって、1つは忘れてしまう場合。他の事に気をとられたり、後でやろうと思って忘れてしまうのですが、これはワーキングメモリの少なさ、注意力の散漫さ、多動などが原因なのですが、このあたりの問題は結構複雑に絡み合っていて自分の知識が正しいのか自信がないので、ADHDについて書かれている本を読むと良いと思います。

もう1つは覚えていてもサボってしまう場合。これもADHD特有の先延ばし癖から来ています。この先延ばし癖というのは遅延報酬の理解困難から来ているらしいのですが、これも私はお医者さんではないので正確に説明することが出来ません。自分の実感としては、理解困難と言っても理解はしているけど出来ないと言うのが正しいと思います。

洗い物を溜め込んでしまうのが良い例だと思います。

「お腹がすく」→「ご飯を作る」→「食べる」までは出来ますが、「ご飯を食べる」という目先の目標を達成した後は、「洗い物は、まあまた後でいいや」と思ってしまいます。今洗えば後々楽が出来るのですが、未来の報酬より今洗わずに楽が出来る目先の報酬に目がくらんでしまいます。そしてまたお腹が空いたら、新しく食器を出して食べる。そうすると後から溜まった食器を洗う羽目になりめんどくささが倍増です。そうなることは予測出来ているのに、目先の報酬を優先してしまう脳の癖があります。

こういった脳の癖が原因で、私には出した物をこまめに片付けるのは無理です。片付けられない自分を責めたり、出したものをしまう癖をつけようと努力した事もありましたが、あまり改善されませんでした。

なので片付ける癖をつけるのはある程度諦めて、片付けの労力を可能な限り減らせる環境作りに努力の方向性を向けました。

 

散らかりにくい部屋の作り方

それでは具体的に実行していることを紹介しようと思います。

まず、片付けと掃除は別物であると言いましたが、先に散らかりにくい部屋作りの為にしている工夫について紹介します。

 

●まず家を選ぶ所から

部屋が広いとそれだけで掃除や片付けの難易度が上がるので、部屋は広すぎないほうが良いと思います。狭い空間を上手く使って収納出来ると移動に労力を割かずに済みます。それから、畳は埃を吸収するしダニが沸いたりするので絶対にフローリングの方が良いです。

お金がある人は浴室乾燥機付きだと洗濯物を溜め込みづらくなるので良いと思います。大きめのクローゼット付きとかだと、また後で書きますが、ハンガーをいっぱいかけられるので良いと思います。でもこれはハンガーラックを買えば良いので、無くても良いです。

部屋を片付けるためにすぐに引っ越す訳にはいかないと思いますが、今の部屋の何が片付けの邪魔をしているのか考えておくと、引越しの機会が来た時に役立つと思います。

 

●物を買う時はデザイン性が結構大事

片付けるのが困難ならば、出しっぱなしにしていても見た目が良い物を選ぶのも一つの方法です。

ただしこの方法は結構お金がかかるので限度があります。私は高いものは買えないので、出しっぱなしにしていてもインテリアの邪魔をしないようなシンプルな物を選ぶようにしています。

 

●物の置き場所は動線上に配置する

物の置き場所を決めるという事と、動線上に配置するというのは多くの片付け本にも書いてあります。整理整頓の基本でありやっぱり一番重要だと思います。これを徹底してやると「出す」「しまう」の動作の面倒臭さがかなり減ります。

例えば、ドライヤーなどの家電製品をいちいち出してコンセントを挿して使って抜いて戻すなんてのは工程が多くて困難なので、私は節電タップに全て差しっぱなしにしています。タップも気づいたら消しますが基本的に付けっぱなしです。コードがごちゃごちゃしていると見た目が悪いので、それも気になる人はタップの目隠しやコードの整理方法など調べてみるのも良いかもしれません。

ドライヤーとヘアアイロンをタップの近くのカゴにつっこみ、その近くに姿見と化粧品ボックスを置いているので、スキンケア、ヘアセット、化粧、ファッションチェック等の一連の動作は一箇所で出来るようにしています。

ゴミ箱まで移動するのが面倒くさくて床に放ってしまったりもするので、メインゴミ箱の他に、デスクの上(ケシカスやふせん)、ドレッサーの上(コットン等)、キッチン(生ゴミなど)、お風呂場(入浴時の消耗品など)のように、それぞれの作業中に中断することなくゴミを処理出来るようゴミ箱を置いています。

物の配置について細かく書こうと思えばまだありますが、自分の生活スタイルの中で無駄な動作を探してどんどんアップデートすると良いと思います。

 

●入れ物に入れる

情報が整理されていない事と、情報量が多いと、人は「散らかっている」と認識します。色というのはそれだけで一つの情報なので、私はできるだけ無地の白い入れ物を買ってその中につっこむようにしています。(視覚的な情報の整理についてはまた詳しく書きたいです。)

頻繁に使うものならフタなしで投げ込めるようにしておくなど、中身に合わせてサイズや形状を選ぶことが重要です。

 

●ラベリングする

あと、入れ物に入れると中身が見えなくなるので、どこにしまうのか忘れてしまうこともあります。それも散らかる原因になるので、入れ物にはいちいちラベリングしています。

私は白のマスキングテープと油性ペンを使っています。パソコンを使ってシールを印刷した方が見た目が良いですが、面倒臭くてハードルが上がるのであんまりおすすめしません。

 

●床に物を置かない

床にはカーペットは敷きません。カーペットと床の間にほこりがたまるし、わざわざどけて掃除機をかけるなんて絶対に無理だから。あと布団の上げ下ろしも絶対無理なのでベッドにするべきだと思います。座椅子も埃がつきやすいので出来ればソファ、それかクッションなら気軽に洗えてまだマシなのではないかと思います。

当たり前ですが床に物が置いてあると掃除の時どけるのが面倒臭いです。部屋が散らかりやすい人にはこたつや布団のような床に直接物を置くスタイルはあまり向いていないのではないかと思います。

 

●洗い物の処理

食べ終わったあといちいち食器を洗うなんて作業は面倒臭くて出来ないので、理想は食洗機を買うことだと思います。つっこむだけなら手間にもならないし、もし溜め込んでも大したダメージにならないので。

でも、もちろんそんなお金はない人も多いと思います。私にもありません。なので私の場合は洗い物に関してはほぼあきらめて、紙皿を使用したり、溜め込んだりしています。いつか食洗機を買いたいです。

 

●洗濯物

洗濯物を取り込んだ後いちいち畳むのも無理なので、 クリップ付きのハンガーを活用しながら干して、伸びない素材のものはそのまま全部ハンガーラックにかけています。

伸びる素材のものはカゴにつっこんで、テレビを見ている時など手が空いてる時に畳むようにしています。でもそれも面倒な時があるのである程度諦めてカゴためっぱなしにしています。

 

散らかりにくい部屋が完成したら、いよいよ掃除!

散らかりにくい部屋作りが終わったので、次は掃除です。でも片付けさえ倒してしまえば掃除はたいした労力は必要ないのではないかと思います。ハウスダストのアレルギーとかがなければ、最悪でも人が来る時だけ掃除してしまえば良いと思います。

掃除のコツと言っても便利な物とその理由を紹介するだけですが、以下の物は持っておくと良いと思います。

・ウェットティッシュ
・クイックルワイパー
・コロコロ
・消臭ビーズ
・ファブリーズ

ウェットティッシュは気が付いた時にすぐにほこりを拭えるから便利です。雑巾をいちいち絞るなんて面倒臭くて出来ないことの方が多いです。

掃除機は重いしうるさいししまったり出したしするのがものすごくめんどくさいから、クイックルワイパーとコロコロをメイン使いしています。これなら夜中に掃除をしたくなっても騒音を気にしなくて済むし、場所をとらないからすぐ使える所に置いておけます。

またお金がある人はワイヤレスでお洒落なデザインの掃除機を置いたり、ルンバを購入するともっと良いと思います。私もいつかルンバを購入したいです。

それからあまり掃除をサボらないのが理想ではありますが、しばらくサボってしまうと臭いが染み付いたりするので、詰め替えの消臭ビーズのストックを持っておいて家中に消臭ビーズを配置しておくとまだマシなような気がしないでもないです。

ファブリーズも消臭の為に必要です。ラベルがごちゃごちゃしていて目障りなので、ラベルは剥ぐか可愛いスプレーボトルに入れ替えるかして、すぐ使えるところに出しておくと良いです。

 

苦手なことよりまずは住環境の改善

私が実践している方法について色々書きましたが、全体を通して言いたかったのは、それぞれのライフスタイルや金銭状況に合わせて面倒な作業をショートカット出来る住環境を整えましょうと言うことだと思います。

私の場合はどうしてもADHDの特性上こまめな片付け作業を習慣化出来なかったので、住環境の改善の方がまだ進歩が見られて精神的に楽になりました。あとあまり完璧を目指さず、出来ないことは諦めるのも結構大切だと思います。

ADHDの人やそれ以外でも部屋が散らかりがちな人に参考にしていただけると嬉しいです。

 


【投稿者】
ごま さん

【プロフィール】
3年ほど前にADHDと診断される。現在はガールズバーで働きながら就職活動中。
Twitter:@tororoll555


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