母親のがっかりした顔、呆れたような態度。 誕生日が苦手になったケーキ作りの話

体験談 弥生ふたば

こんにちは。家庭が色々とボロボロで、とても不器用な人です。たまにメンヘラ.jpを見て、なんとか今日も頑張って生きる気力をもらっています。

今日はそんな私の昔話を聞いてもらいたいと思って、キーボードの前に座りました。大した話でもなく、誰に対して、というわけでもないのだけれど、誰かに聞いてほしかった話です。

前述した通り私の家庭はボロボロですが、今日する話は、家庭がボロボロになる前の話です。何とか家族が家族らしい体裁だけ整えていた頃に、子供だった私が経験した話。

 

その頃の私は、厳しい父と、まぁまぁ優しい母と暮らしていました。ただ、私が親の期待に応えられないと両者から厳しい叱責を受けました。時には殴られることもありました。

私の10歳の誕生日のことでした。誕生日にはケーキがつきものです。買ってきてもよかったのですが、なんとその年は作ることにしました。私は張り切っていたと思います。めったにお菓子作りなんてしない上に、作るのは大好物のチョコレートケーキです。前日に、作るケーキの写真が載ったレシピ本を眺めて楽しみにしていたことを覚えています。

細かい作り方はあんまり覚えていませんが、まあ普通のケーキだったと思います。スポンジの生地を作って焼き、チョコレートソースを作る、凝ったところのない普通のケーキ。

なのですが、そのチョコレートソースを作るところが問題でした。色々ボウルに入れてミキサーで混ぜるのですが、混ぜすぎると分離して美味しくなくなるので、程々に混ぜないといけません。レシピ本にも書いてあったので気をつけていました。

…でも、普段作らないと全然わからないんですよね。どれくらい混ぜればいいかわからず、混ぜながら悩んでいました。

そんな時、私の母が作っているところを見に来ました。ちょこちょこと手伝ってもらっていたのです。母は私の手元を見るなり、甲高い声でこう言いました。

「ダメじゃない!なんでこんなになるまで混ぜたの!」

その声に私はすくみあがってしまいました。ああ、また私は失敗したんだな。その後も甲高い声で私を責める母を前に、私はただ縮こまることしかできませんでした。何度か問い詰められてから、かろうじて

「だって、わからなかったから。」

と答えた時の、母のがっかりした目信じられないと言わんばかりのため息を私は忘れていません。自分のバカさ加減と不器用さを呪いました。

その後、なんとかケーキは出来上がりました。多分普通の出来栄えだったと思うのですが、私はそのケーキの味を思い出せません。その年にもらった誕生日プレゼントも、他の料理も、何も。 多分、おいしかったと思うんですけどね、あはは。

それ以来、私は誕生日というイベントが苦手です。何度プレゼントを貰っても、何度美味しいものを食べても、そういった記憶はすぐにすり抜けて、いつも思い出すのは母の甲高い声と呆れた目。

 

つい先日、友人の誕生日でした。私は恐る恐る、その友人のAmazonウィッシュリストに入っている、500円位の小物を注文して贈りました。そのことを伝えると、友人はとても嬉しそうでした。よかった、と思いました。

それでも、私は、あんなふうに自分の誕生日を祝うことはもうしたくありません。なんとなく、そこにはもう幸せがないような気がしてしまうから。

あまり楽しくない話を読んでくれてありがとう。こんな出来事をふと思い出して悲しくなることもある私ですが、そのたびに喫茶店のケーキを食べに行って、なんとか日々を誤魔化して生きています。チョコレートケーキ、おいしいですよね。

 


【投稿者】
弥生ふたば さん

【プロフィール】
壊れた家庭を眺めて20年.数学と,ケーキみたいな甘いものが好きです.


【募集】
メンヘラ.jpでは、体験談・エッセイなどの読者投稿を募集しています。
応募はこちらから

この記事のカテゴリ・タグ

体験談 弥生ふたば
このエントリーをはてなブックマークに追加

4件のコメント

菜子 返信

幼少期に母親から怒鳴られた記憶って、やけに甲高い声が印象として残りますよね。誰しも失敗はできればしたくないものだろうと思いつつも、過剰に恐れて自発的に動けない自分が情けないです。

ゆーかり 返信

私も同じようなことを母親からされました
加えて暴力もありましたからね
今はもう死んでしまったのでどうでもいい思い出になればなぁと

みこみや✿ 返信

すごく分かる。私は料理すると毎度のように怒られました。
私だけが食べるお菓子を作る時でもじっと手元を見られて不手際が少しでもあると大きな声で怒られてしまうので、やりたいけど怒鳴られるならやりたくない、誰もいない時を見計らって作る、運悪く始めた途端親が帰ってきたりとかで見られながら作る時はいつ怒鳴られるかひやひやしながら…みたいな状態でした。
怖かったなぁ。
今は一人暮らしなので好きな物好きな時に作って食べてます。料理、楽しいです。

おし 返信

とても涙がでました。不甲斐ない自分に常に腹が立ち、親に怒られるたびに「どうしたらいいのかわからない」というパニックみたいな感情になります。何度注意されてもできなかったり、うっかりしたミスで怒られると自分のダメ具合に苦しくなります。自分がどうとかいうより、私を見てがっかりした顔をする母にたいして苦しくなります同じ人がいてよかった、、、、

コメントを残す

会員のみコメントが可能です

新規登録する

ログインする