FtXでバイセクシュアルな自分が辿り着いた「自分の性の在り方」




初めまして。ハルキと申します。
中学生の頃に自律神経失調症、そして20代で心療内科に掛かり始め、3年目を迎えようという状態です。

さて、今回私がお話したいのは、今までの投稿にも何件かあった「FtX」という性別についてです。何件か、「自分の性別が解らない、そのため相手との関わり方が解らない」という内容を見掛けたので、あくまで自分の場合という条件はつきますが、お話をさせていただきたいと思います。

 

私が自己の性別に対して嫌悪感を抱き始めたのは、恐らく小学生の頃からだと思います。理由としては、あまりにも「女性としてあるべき姿」というものを押し付けられて苦痛だったことかと記憶しています。

そのため、親の意向で伸ばしていた髪はばっさりと肩上まで切り、大学卒業までずっとショートヘアでした。またスカートは制服以外持っておらず、私服では全てパンツスタイル、というスタイルが定番でした。流石に中学生の頃は比較的ボーイッシュの域を出ないものでしたが、高校に入学してからは元々好きだったヴィジュアル系・パンク系に服装が寄り、”男装”というスタイルへ移行しました。

この頃、一人称はずっと「僕」か「俺」が定着しており、まさに世間から言うと「遅れてきた厨二病」というカテゴリになっていたかと思います。それでも私がそのスタイルを続けられたのが”親が性別という概念に対して寛容”であったこと、”周囲の友人にオタクが多かったため、そのようなキャラでも引かなかった”という2点が大きかったです。

 

私は”FtX”の”バイセクシャル”です。今は異性の恋人がおりますが、高校大学時代は同性の恋人がいたこともあります。父親は性別二元論に凝り固まったステレオタイプですが、母はあまりそういうことに関心がなく、私が男性的に振舞っているのを見るのが楽しそうでした(但し、ここでは母から”自分が甘えられる異性”という視点で見られていた可能性が高いので余り良いことばかりでもなかったです)。

そして高校大学と女子校に進学し、周囲は女子のみになったのですが、オタクが多い分野に進んだこともあり、私の男装(黒が多いモード系でした)を見て楽しんでくれる、という子が多いことに救われました。外見が外見だったので、バイセクシャルであることを話しても「やっぱり」というような反応でした。

そんなわけで他のセクシャルマイノリティの方に比べると過ごし易い学生時代を過ごしていた訳ですが、そうも言ってられなくなることがあるとも解っていました。就職活動です。

最初から”女”というラベリングをされて評価をされる、ということにまずは慣れる必要がある、と思い、今度は”女装”を始めました。ロングヘアのウィッグを購入し、少しずつ女性的なスタイルを取り入れていきました。ここですんなりと女装が始められたのは、恐らく私が「自由なタイプのFtX」だった為かと思います。

自由なタイプのFtXとは「自分は性別が固定化されておらず、どちらの性別にもなることが出来る」と考えるタイプです。自分がどちらにも属せない、と悩むFtXの方を見ることは多いのですが、私はそのタイプではなかったです。もっとも、私が女装をこなせたのは当初「外見だけに騙される人間」を眺めて嘲笑するという感覚があった為に続けられたのだと思います。

 

ある程度女装にも慣れ、無事に就職しましたが、恒例のブラック企業で即退社しました。そこで出会ったのが今の恋人です。彼はほぼツーブロックで言葉遣いも荒々しい「僕」の頃を知っています。だけど彼は「黒髪ロングの清楚系」という何のテンプレかと思うようなタイプが好みです。そのため付き合い初めは「髪の長さ」「性別」などで非常に揉めました。

私自身「どちらにもなれる」というFtXではあるものの、どちらに比重があるかと問われると男性側に自分の意識があります。そのため「女じゃなかったら付き合ってない」「髪を伸ばせばもっと可愛いのに」などの言葉がかなりの地雷でした。実質髪の長さの話だけで別れ話まで発展したことがあります。

相手から見た私は”女性”、だけど私から見た”私”は何に分類されるのか解りません。相手の脳内でカテゴライズされるのも昔は非常に苦手でした。私自身が出来ていない分類を他人が勝手にするんじゃない、と。

結局、女と思われることはしばらく無理でした。激昂するほど苦手なことでした。性行為に関しては自分の性別を再認識することになるので一層苦手でしたが、オタクだった気質から自分のことを”ボーイズラブの受け側”と認識して乗り切っていました。

 

そして男装・女装どちらもこなす日々が約3年ほど経過し、ある日突然「ああ、もういい」と諦めがついてしまったのです。外見を男性的にし、男性に見えるよう振舞うことはやめました。ある種、ロリータ愛好家やコスプレイヤーが「〇歳以上になったら劣化するから卒業する」と宣言しているのと似たようなことかもしれません。とにかくスイッチが切れてしまったようになったのです。

内面は相変わらず男性比重が強いままですが、「外見で他人にどうカテゴライズされようと、それは私の内面とは全くの関わりのない認識である」と考えるようになりました。

そこからは最早ただそうした方が生き易いうえに都合が良いから、という理由で女装メインになっています。男装している方が世間的に色々あるのはまあ…そうなので、もう面倒臭くなってしまった、というのが大きいのかもしれません。

そこで「男装を止めてしまうなんてお前は〇〇じゃない」と言う方もいるのでしょう、やめるとかやめないとかそういう話ではない。それしかないんだ、と。ただ私はそれだけじゃなかっただけなのです。

 

今性別に悩んでいる方、そしてその後の生き方もどうして良いか解らない方、多分それなりにいらっしゃると思います。ただ、もしかしたらその悩みは突如霧散してしまうかもしれないし、自分なりに折り合いが付く日が来るかもしれない。自分なりのスタイルすら解らない状態できっと迷子になっているかもしれないけれど、貴方の内面を操作出来るのは貴方だけなのです。

どれだけ他人からあれこれラベリングされてカテゴライズ化されても、貴方の方針を決められるのも貴方だけです。

苦しくとも、貴方の道が少しでも見えますように。ハルキでした。

 


【投稿者】
ハルキ さん

【プロフィール】
不眠症と情緒不安定性パーソナリティ障害で通院3年目。FTXでバイセクシャル。


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