脱税摘発体験記。風俗業の所得も、愛人業の所得も、国税は全て知っている。

コラム

唐突ですが、メンヘラの方々の中には少なからず風俗・愛人業などの源泉徴収されない(あるいは源泉徴収義務を無視してる業界で)所得を得ている方が多いと思います。

そのことについて「ちゃんと確定申告しろ!脱税は国家国民に最も広範囲に被害を与える行為!」等と説教はしませんが、とりあえず「脱税するとどのような事態に陥る可能性があるか?」を覚えておいて損はないかと思います。

本記事ではソレについて同人活動/愛人業(Not給与所得)/ファンからのプレゼント…etcの所得を申告しなかった結果、私の身に起こった体験談を交え解説します。

 

そもそもなんで脱税はバレるの?


…結論から言いますと脱税は既にバレています。

問題の本質は「そのことを国税や他の租税管理機関に問いただされるか?」です。

よくある誤解として「個人から個人に渡された金や、店が税務署等に報告してない報酬について国は把握出来ないし、正確な所得なんて分かるはずがない」というのがありますが、そう思ってる時点で間違いなくソノ方は国に脱税を把握されてます。

何故なら日本の法制度や社会システムは国民が金を使えば、記録が残るように出来ているからです。

コレについて「銀行に入れなきゃ記録がつきようがないでしょ?」という方がいますが、銀行以外にも記録が残る金の流れは無数にあります。

例えばコンビニ収納やメルカリしたら、その金の記録は資金決済法により記録されますし、国外旅行すれば当然渡航や外貨両替記録が残り、金を借りたら貸金業法、貴金属宝石を買えば犯罪収益移転防止法…etcあり、それらと申告所得を突合させれば「コイツなんで所得○○しかないのに××も払えるんだ?」という矛盾が浮かび上がります。

勿論、それでも金額を正確に把握することは困難ですが、日本は申告納税制の国ですので「正確な所得が分からないから課税出来ない」と脱税のヤリ得を許すほど甘い制度設計にはなってません。

しかも、日本には「推計課税」という制度があります。

推計課税とは、資料などがない場合に何か特定の金額・割合を基に推測で所得を計算して課税額を算出する方法であり「資料等がない場合に税額を算出するため」、そして「悪意があり資料を残さない又は破棄した者にも課税出来るようにするため」の制度です。

これに異議を唱えるためには「脱税(疑惑)者側が、自らの所得の証明をする」必要があり、証明出来なければ基本税務職員の言い値で課税されます。

つまり日本の税制は「金を使えば何らかの記録は残る」かつ「申告しない・正しく記録を残さない方」が損するように設計されており、「個人から個人に渡された金や、店が税務署等に報告してない報酬について国は把握出来ないし、正確な所得なんて分かるはずがない」は全く通用しないのです。

 

脱税摘発される基準は?


コレについて国税庁は「悪質なモノ金額な大きなモノを優先する一方、小さな金額のモノを簡易接触(申告漏れはないか?という書類を送り)という形で摘発する二極化をすすめる」以外の指針を発表してません。

参考までに国税庁の「平成26事務年度 所得税及び消費税調査等の状況」を分析する限り、概ね脱税摘発される基準は、

-申告漏れ54万~→手紙が送られてくる(簡易接触)
-申告漏れ373万~→税務職員が来訪してくる(着眼調査)
-申告漏れ877万~→税務職員が大勢やってくる(特別・一般調査)
-申告漏れ7600万~→脱税犯として刑事告訴される(査察調査)

となっています。尚、これは1年に稼いだ金額ではなく最大5年(悪質な場合は7年)遡ったうえでの申告漏れ所得「総額」です。

 

脱税摘発されるとどうなるの?


少し考えてみて下さい。

普通に申告して100万円納税してる方がいて、同じ稼ぎながら納税額を誤魔化して50万円で納税してる方がいます。

調査で不正が見つかった場合、差額の50万円だけ納税を要求した場合、見つからなければ儲けモノと考え納税額を誤魔化す方が後を絶たなくなります。

これを防ぐために、納税額を誤魔化した方には「延滞税・加算税」というペナルティ的な税金が課す制度があります。

このうち延滞税というのは、レンタルビデオの延滞料金みたいな「納付が遅れた罰金」的なシステムであり、納税が遅れた日数と金額に応じて課せられる税金です。

コレの割合は納税が遅れた日から2月を経過するまで、原則年「7.3%」課せられ、2月を経過すれば原則年「14.6%」課せられますが、今は2月以内の場合は「日本銀国が年ごとに定める割合+1%」、2月以降の場合は「日本銀国が年ごとに定める割合+7.3%」のうち、低い割合のほうが課せられます。

また加算税というのは「納税額誤魔化しの悪質さ」に対する罰金的なシステムであり、その悪質さの度合いにより「過少申告加算税」「無申告加算税」「重加算税」と3種類の税率が設定されています。

・過少申告加算税(所得を過少に申告した)→50万円まで10%、50万円を超える部分には15%
・無申告加算税(所得を申告しなかった)→50万円まで15%、50万円を超える部分には20%
・重加算税(所得の仮装・隠蔽があった場合)→悪意を持って過小に申告した場合は35%、悪意を持って無申告の場合は40%

※また脱税摘発後に再び短期間(5年以内)の内に繰り返し、納税額を誤魔化した場合はそれぞれの割合に10%加算する措置がとられます。

これらを原則5年(悪質な場合は7年)遡って課税し、本来払うはずだった税金とあわせて徴収します。

たとえば「源泉徴収義務を果たしていないデリバリーヘルス店で年600万稼いでる昼職なしの風俗嬢が3年間無申告で帳簿等の記録も無かった場合(白色申告、経費なし、基礎控除あり、国保免除、扶養外)」をモデルケースにしますと、

平成26年3月期分
本税…71万円
無申告加算税…12万円
所得延滞税…20万円
住民税…57万円
住民延滞税…18万円
事業税…15万円
事業延滞税…3万円
国民健康保険料…55万円
国民健康保険料延滞金…16万円
=計265万円

平成27年3月期分
本税…71万円
無申告加算税…12万円
所得延滞税…16万円
住民税…57万円
住民延滞税…13万円
事業税…15万円
事業延滞税…2万円
国民健康保険料…55万円
国民健康保険料延滞金…12万円
=計253万円

平成28年3月期分
本税…71万円
無申告加算税…12万円
所得延滞税…10万円
住民税…57万円
住民延滞税…8万円
事業税…15万円
事業延滞税…2万円
国民健康保険料…55万円
国民健康保険料延滞金…7万円
=計237万円

総計754万円
*このモデルケースの場合は高確率で推計課税が適用されますので、実際の課税額は1.2倍程度高くなると思われます。

 

税務(脱税)調査はどんな感じなの?


自分が受けた国税局資料調査課による「特別・一般調査」の体験談を思い出すのが少し辛いので過剰書きに記します。

0.通常は税務職員は調査の前に、事前連絡を入れるが「証拠の隠滅や関係者との口裏合わせ」する可能性がある脱税者の場合は予告無しで突然来る。ていうか来た。

1.任意調査という名目だが国民には「受忍義務」及び正当な理由なく調査を断ると「法的罰則」が課せられるので、事実上調査は強制に等しいことを説明される。

2.予めある程度こちらの事を調査しており「Twitter」「コスプレイヤーズアーカイブ」「Cure(現World Cosplay)」等といったSNSは勿論、2ch、したらばの内容までも質問される。

3.自分の場合、愛人業もしていた為「パパ」の方にも同時に税務調査が入っており、リアルタイムで双方の言説の突合(矛盾がないか?の検証)が行われていた。
※因みに「特定の日に逢瀬を重ね、金銭或いは高価な品を貰う」愛人業でよく「贈与税」がどうのこうの言われますが、この形態で得た所得は双方の間に「決まり」があるため雑所得として扱われます。なのでネットでパパ活で贈与税云々言ってる方は100%エアプです。

4.やけにコスプレイヤーの生態に詳しい方がいて「この機材、貴方と関係のある○○のツィートを見る限り、貰ったんじゃないの?それも撮影会の間」みたいな事を普通に確認される。

5.Twitterには原価厨を揶揄する「材料費だけが原価と思ってるw」みたいなツィートが時々バズるけど、税務職員は下手すると材料費すら経費に含めようとしない原価厨なので、あの手のツィートは真に受けないほうがいい。

6.スマホを操作して種々の記録を見せるように要求されるが、税務職員が直接操作する権限はないらしく「勝手に弄ってください」と渡しても「ソレは出来ません」と断れる。

7.引出やタンス等も同意の上で開けられ、PCのデータも一応断ったうえでコピーされる。

8.LINEのメッセージの一つ一つは勿論、スタンプまでをも分析され、その真意を問いただされて調書にされる。
※「なんでココで××のスタンプ使ったんですか?唐突ですよね」「すみません、単純にそのキャラが好きなんです」「ソレを証明出来ますか?」「○年○月○日辺りのツィートを見てください」「見ました、しかしツィートを見る限り貴方は××より△△のほうが好きみたいですよね?」みたいな事まで聞かれます。

9.税務調査は一日では終わらず「また、明日来ますので資料はそのままにしておいてください」と言われたので、有給を使う羽目になった。

10.二日で税務調査は終了した。

傾向としては、「売上は○○でいいですね?」「いや、それは多すぎます」「じゃあ、どれくらいですか?またその事実を証明出来ますか?」みたいに、最初は所得を高く見積もり、それを私に否定させて同時に否定の証拠や根拠の提示を求める…といったケースが多かったです。

また私は所得に関して具体的な記録は全く残してなかったので、体感所得より1.3倍程度多目に所得を推計され課税されました。

尚、具体的な推計課税額等はコミックマーケットC93で委託頒布予定の同人誌「コスROM&撮影会の原価本(タイトルは仮)」のオマケで修正申告書等のコピーをつけるので、それを確認して下さい。ファンからのプレゼントはどれくらいの金額換算になり、また所得区分はどうなるか?等のキワドイことまで実際の帳簿や申告書のコピーを併記して解説する予定です。

(ちなみにこちら、委託させて頂けるサークルさん募集中です。60P、500円、100部になる予定です。委託費として売上げは全額差し上げます(但し返送不可)また修正申告書を除くデータは冬コミから三ヶ月後ぐらいにweb公開します。つまり修正申告書を見たい方はコミケへ)

以上、最後にダイレクトマーケティングを行いましたが、この記事が何らかの判断材料になれば幸いです。

 

オマケ、性風俗産業に関してよくある質問


Q実際に脱税摘発された方はいるの?
Aいます。「事業所得を有する者の1件当たりの申告漏れ所得が高額な業種」でネットで検索かけてみて下さい。第1位が風俗嬢です。

Q源泉徴収されてるか分からないんだけど?
A性風俗産業全般に源泉徴収義務は課せられてますが、性風俗産業で源泉徴収をマトモに行ってる店は少ないです。

とりあえず源泉徴収票は貰ってるか?チップやオプション代も源泉徴収されてるか?住民税はその分ちゃんとあがってるか?等の確認をオススメします。

源泉徴収してることにして、その金額は内ポケットに…なところも珍しくはないです。(例:2015年東京国税局によればキャバ嬢の所得申告漏れ平均金額は97%、店がマトモに源泉徴収してればまずありえない数字です)

Q性風俗産業は歴史的には~社会的弱者だから~国が認めてないグレーゾンだから~
A性風俗産業従事者は所得税の概念が出来た大正時代から納税しており、社会的弱者云々を「累進課税制度」の国で主張するのはナンセンスであり、性風俗産業は「グレーゾーン」ではなく「風俗営業等の規制及び業務の適正化等に関する法律」にて国がその存在を認められてます。


【執筆者】
脱税レイヤ-風呂屋さん

【プロフィール】
脱税がバレて風俗堕ちしたコスプレイヤーの裏アカウントです。表でまだ活動はしています。追徴課税本税返済、延滞税完納まで350万ぐらい。

twittter : @557dg4


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