もうゴミ屋敷に帰りたくない!不潔な実家から逃げる決意をした

コラム アイスクリーム

タイトルの通り、私はひとり暮らしをする。

内見も終わって、あとは日取りと契約を済ませるところまで来ている。心配していた査定も済んだ。猫を飼うのだ。一目ぼれをした真っ白の猫を飼う。彼を迎え入れるためには、動物厳禁の実家から逃げ出さなくてはならない。好都合だ。

父、母、私、年子の妹で構成された我が家は、歪だった。今考えると全員、精神疾患と発達障害を抱えている気がしてならない。金に余裕があったら全員病院に突っ込みたい。

 

幼いころの父は常にスーツで、家に居ない人だった。幼稚園がお休みの日、朝10時に家を出ていく父に「だれ」と問いかけたこともあるらしい。母の話はよく盛られているから、信用ならない。その上私の記憶も盛っているかもしれない。父の日に描いた絵が、姉妹揃って仕事をしている父だったことは確かだ。

母は普通の人だ。でも一つのことしかできない。よく働きに出たいと訴えていたけれど、家事が疎かになるならば許さないと父に否定されていた。私が中学生とき、父が育てた会社から追い出されて零細企業の役員となったとき、母はそら好都合とばかりにコンビニの店員へと志願していった。おかげでめでたく我が家はゴミ屋敷となった。

歩いたら髪の毛が足の裏に纏わりつき、洗濯物はいつまでたっても山のまま、机の上のゴミは払い落とせばおしまい、なんて環境がおかしいことに気付くのは随分後のことになる。

小学生の頃にこじらせ、中学から逃げ、フリースクールで勉強し、高校に合格。通信制と定時制をくるくる入れ替えること三年、高卒認定を取って放送大学の籍を獲得し、高校を辞めた。その年の12月に縁があった業界で正社員として雇用される。ここまで20年弱育っても、まだ部屋が異常なことに気付かない。

高校生の頃に始めたtwitterで何度か身内で炎上したり知らない人と出会ったり、ネット上の恋人を何人か作ったりすぐ別れたり。学生だったので田舎から都会に会いに行くことはできずに縁が切れたりしていた。

バイトをはじめ、学生から社会人となり、どうにか人と継続して会うことが増え、そのたびに「家を出たら?」「体壊すよ」「掃除してないってレベルじゃない」「潔癖症には地獄」「その空間に行ったらまず気絶する」と様々なアドバイスを受けてきたけれど、今までずっとその環境にいたから、それがおかしいとは分からなかった。

今思えば、埃が舞うたびに喉がかゆくなったり真っ赤に腫れてたのっておかしいよなあ。今も自分の部屋がギリギリ大丈夫なだけで、廊下やリビングを歩くだけで喉がかゆくなるもんなあ。絶対おかしい。

 

仕事の都合で数か月ひとり暮らしをすることになった。都会なので車がなくても生きていけるし、終電さえ気をつければ外で飲んで帰ることも容易になる。渋谷にある友人の行きつけの店がつぶれるということで遊びに行ったり、番組協力に応募したり、気が向いて横浜アリーナの公演に行くことを決めたり、いやもう本当に都会暮らし楽しい。国際展示場が近い。一時間圏内。最高。

レオパレスのワンルームとロフトで生活していた。一週間生活しただけで、抜け毛切れ毛・こまごまとしたゴミ・食べ残し・零れたよくわからない物体・服のタグ・リングノートの切れ端など、手で拾いきれないゴミが増えた。

歩くときに汚れるのは嫌だはあ、と気づいたときにコロコロ、暇なときに布団を干しながらコロコロ、元気があれば雑巾を掛け、机の上には除菌ティッシュ、枕カバーは支給品一枚きりなので適当なタオルを適当に入れ替えていた。実家と比べれば清潔極まりない快適空間の出来上がりである。喉がかゆくなったりとか埃っぽいとかは一切なかった。

水垢と戦ったり虫と戦ったり、か弱いベッドの板を踏み抜いたりといろいろやったけれど、ひとり暮らしはとても楽しかった。土地の事情でたまに友達が泊まりにきたりするのもよかった。国際展示場近いもんね。お前の新刊のホチキスやったの全部俺だからな。

仕事の契約が終わったので地元に帰る。実家はやはりごみ溜めだった。

 

ここまでの話で、「いや、自分の知ってるゴミ屋敷とは違う」という人はいるだろう。別にゴミ屋敷とまではいわねえんだけど、クズ廊下なんだわ。異論は認めるけどやっぱりゴミであふれてるんだ。歩けば指の隙間に父か母か妹か知らんが誰かの髪の毛がまとわりつくし、風呂場の隅にはいつから溜め込まれているのか分からない毛の塊とかがあるし、歯ブラシなんか4人しか住んでないのに10本立ってるんだ。意味わかんねえよ。不衛生は不衛生なんだよ。

自社で働く。最高。気心が知れた同僚がいる。最高。定時で帰れる。最高。出社するのは刷り込まれたように憂鬱で、帰宅するのも憂鬱。

家が汚いことに気付いたのはひとり暮らしのときだった。その頃はふらふら夜の街をさまよって適当に帰宅して、映画を見て帰ったり買い物をして料理をしたりと気ままに過ごしていた。帰ったらテレビも自由にみられるし、朝起きても自分の見たいテレビを見れる。テレ東の朝はいい。政治の話も不倫騒動もハゲもなにもない、平和で幸せな時間が流れている。かわいいっていいなあ。

実家に帰ってくると、朝は嫌がらせのために妹が先にどうでもいいアニメを見ているし、帰宅すれば妹が韓国のアイドルの映像を流している。テレビ権/Zeroである。家の中を歩くのも耐えきれないのでスリッパで歩き回っているし、朝はリビングを経由しないし、夜はコンビニや古本屋で立ち読みしてできるだけ遅くに帰るようにしている。定時で上がって車に乗り込んだ瞬間の「かえりたくねえ~~~~~!!!!!」という感情は重たい。

なんかそういうの全部つらいし、自分をいじめてるみたいで気分が悪いので、家から逃げることにした。

帰りたくない場所で安眠とかできないでしょ。自分を大事にするなら家から出ないと。社長に「住宅手当出す」って言わせて、給料上げるように交渉して、相談できる人に相談して、家も猫も決めて、そうしてようやく「家を出ます」と宣言した。でも父にしか言ってないから、情報共有とかそういう概念がない我が家では伝わってないんだろうな。妹とか。妹とか。

みんながみんなを大好きなのに、愛情がねじ曲がってて気持ち悪いからみんなを大嫌いになるスパイラル、一歩下がってみるとすごく面白い。

そういう感じで、ちょっと不潔なおうちと、それぞれ少しずつ病んでる家族から逃げ出すためにひとり暮らしします。

長々とした宣言を読んでくれた人がいたらうれしいです。ありがとうございました。

学歴コンプレックスや両親、妹に関するあれそれを削った結果、奇妙な文章になっているかもしれませんが、ご容赦ください。

 

おまけ。

欲しいものリストにカラーコーンがない人のために頑張ってカラーコーンを送った記事を参考に、田舎に住む私になんかを送ってくれる人がいたらいいなあ、と思います。引っ越したい人のほしいものリスト、よろしければぽちってね。

 


【執筆者】
アイスクリーム さん

【プロフィール】
家族コンプレックスをこじらせた家族と共に暮らすわかもの。


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