アスペルガー症候群の当事者によるアスペルガー症候群の解説書

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読者の皆様、こんにちは。今回で2回目となる多聞です。

今回はアスペルガー症候群についてお話したいと思います。

 

 

■「アスペルガー症候群」の症状

アスペルガー症候群には大きく分けて3つの症状があります。「コミュニケーションの問題」「対人関係の問題」「限定された物事へのこだわり・興味」の3つです。

 

1. コミュニケーションの障害

会話能力は表面上は問題なくできるのですが、その会話の裏側や行間を読むことが苦手です。明確な言葉がないと言葉をそのままの意味で鵜呑みにしてしまう傾向があるため、人の言葉を勘違いしやすく、傷つきやすい面があります。

 

具体的な特徴としては、

○あいまいなコミュニケーションが苦手
言われたことをそのままの意味として受け取ってしまう。アイコンタクトや顔の表情を読み取るのは苦手。

○不適切な表現を使用してしまう
遠回しに発言することに困難さがあるため、言い方がキツく、ストレートすぎる発言になりがち。

○名前を呼ばれないと自分だと気づかない
1対1でも自分の名前を呼ばれないと相手が誰に対して発言をしているのかわからない。

○想像して動くことが苦手
想像力が弱い傾向にあるので、指示されたこと以外に考えが向かなかったり、相手や環境の変化に気づかないことがある。

などが挙げられます。

 

2. 対人関係の障害

場の空気を読むことに困難さがあり、相手の気持ちを理解したりそれに寄り添った言動が苦手な傾向にあります。そのため、社会的なルールやその場の雰囲気を平気で無視をしたような言動になりがちで、対人関係を上手に築くことが難しいです。

 

具体的な特徴としては、

○大勢の中で浮いてしまう
場にそぐわない発言や回答をしてしまう。

○相手の気持ちを理解するのが苦手
相手が何をどう考えているのかを想像することに困難さがある。

○自己中心的に思われる言動をしてしまう
自分の言動がその後どうなるか、ほかの人にどう影響するか、想像するのが苦手で、臨機応変に動くことに困難さがある。

○相手を傷つけてしまう
何も考えずに見たまま、思ったままの発言をしてしまうため、相手を傷つけてしまうことがある。

などが挙げられます。

 

3. 限定された物事へのこだわり・興味

いったん興味を持つと過剰といえるほど熱中します。法則性や規則性のあるものを好み、異常なほどのこだわりを見せることがあります。その法則や規則が崩れることを極端に嫌う傾向があります。一方、この特性は逆に強みとして活かすこともできます。

 

具体的な特徴としては、

○マイルールがある
自分の決めた予定や手順などを変えることを嫌い、頑なになる。無理に変更すると混乱してしまうこともある。

○記憶力が高い
興味のある物事に関しては、大量の情報を記憶したり、引き出すことができる。

○集中力がある
興味のある物事に関しては、一度手を付けると熱中しすぎて周りが目に入らないこともある。

○話し続ける
興味のある物事に関しては、一度話し出すと夢中になりすぎて止まらなくなる。

 

などが挙げられます。

 

 

■アスペルガー症候群の特徴

一見しただけではその人がアスペルガー症候群かどうかは気づきにくく、本人も自覚していない場合もあります。アスペルガー症候群の人によく見られる10個の特徴を紹介します。

1. 明確な指示がないと動けない

2. 場の空気を読むことができない、空気に沿った対応ができない

3. 冗談が通じず、会話の行間や間を読むことができない

4. 曖昧なことを理解できない

5. 好きなことは延々とやり続けてしまう、話し続けてしまう

6. スケジュール管理ができない

7. 自分が興味のないことは頑なに手を出そうとしない

8. 急な変更にうまく対応できず、だまされやすい

9. 名前を呼ばれないと自分だと気が付かない

10. 相手の気持ちを尊重できない、人を傷つけることを平気で言ってしまう

 

 

■年齢別に見たアスペルガー症候群の症状の現れ方

【乳児(0歳〜1歳)】

アスペルガー症候群は知的な遅れがなく、見た目や行動からはわかりづらい障害のため、大人になっても気が付かない場合もあります。

特に、言語・認知・学習といった発達領域が未発達の乳児では、症状が分かりやすくでることはありません。ですから、すぐにアスペルガー症候群の診断がでることはありませんし、またアスペルガー症候群の症状は他の発達障害の症状と共通するものです。しかし、アスペルガー症候群と診断された人達は乳児期に特徴的な行動を共通してとることが多いです。それらを紹介します。

 

○音に敏感に反応する

アスペルガー症候群の乳児は、大きな音や声に過敏に反応する場合もあります。大人が大声で笑ったり、くしゃみをしたりすると嫌がって泣きます。また、電車やデパートなど騒々しいところに連れて行くとずっと泣きっぱなしになってしまうなどの症状が見られます。これを聴覚過敏と言います。

 

○興味があるものに熱中する

アスペルガー症候群の特徴の一つとして、いったん物事に興味を持つと異常なほどに熱中したり集中することがあります。これは乳児期のころからも見て取れます。例えば、気に入ったぬいぐるみで一日中遊んでいたり、よそ見をせずに何かをずっと眺めていたり、同じ本の同じページだけをずっと見ていたりなどが挙げられます。乳児期は飽きやすく興味対象が移りがちなので、何か一つのことに異常なほど興味を持っている場合は、アスペルガー症候群の可能性があるかもしれません。

 

○目を合わせない、笑わない

親が目を合わせようとしても視線がマッチしない、笑いかけても反応しないなども特徴の一つとして挙げられます。乳児が母親の動作を真似ることを「動作共鳴」と言いますが、アスペルガー症候群の乳児はこの「動作共鳴」が苦手とされています。焦点が合いづらく、目を合わせようとしないことはアスペルガー症候群の症状である可能性があります。

言葉を覚え出し、会話ができるようになる幼児期のアスペルガー症候群の症状の現れ方を見ていきましょう。この頃になると症状が見えやすくなり、アスペルガー症候群の判別がしやすくなります。

 

○表情を読み取ることができない

例えば、母親が怒るときに見せる表情や空気を読み取ることができません。何かしようとした時に母親が怒った表情をしてその行動を止めようとしても、お構いなしに動作に移します。表情を読み取ることが苦手なので、言葉ではっきりと説明しないと理解ができません。

 

○説明を何度もしないと理解ができない

幼児は何度か同じ行動を繰り返すことで、「やってはいけないこと」や「言われなくてもわかること」が増えてきます。しかし、アスペルガー症候群の幼児は、その都度説明しなければ理解することができません。「言わなくてもわかるでしょう」といったことが通じないので、同じことを繰り返して叱られても、なぜ叱られているのか理解できないのです。

 

○一人遊びに熱中する

幼児期ともなれば、同じ月齢の子たちと一緒に遊ぶことを覚えます。通常であれば自然に他人との関わりを持とうとしたり、他人に興味を持とうとして輪に入ろうとするのですが、アスペルガー症候群の幼児は、公園などで同年代の子が遊んでいていも一緒に遊ぼうとしないことが多いです。もちろん恥ずかしがり屋で輪に入れない幼児はたくさんいますが、アスペルガー症候群の一つの特徴として人間関係をうまく築けないことが挙げられます。

 

 

【小学生(6歳〜12歳)】

本格的な集団行動が始まる小学生の頃になると、本人がその環境で過ごしにくくなってくる場面が増えてきます。周囲の理解が必要になってくる時期でもあるので、保護者や周りの大人たちは具体的な対応を考えるようにするとよいでしょう。

 

○学習障害が現れる場合がある

聞く、読む、書く、計算する、推論するなどの特定の能力を学んだり実行することに著しい困難を示すことがあります。アスペルガー症候群には知的発達に遅れがないので気が付きにくいですが、特定の科目だけずば抜けて得意だが、いくつかの科目はとても苦手だという極端なケースが目立つようになります。

 

○規則や法則性に忠実

朝はホームルーム、中間休みは15分、掃除は15時から、など一定の規則を守ることが得意です。すでに決められていること、法則性があることにはきちんとしたがって行動することができます。反面、イレギュラーな時間割やルーティーンが変更になると一気に慌ててしまったり、それらに従うことが難しくなることがあります。

 

○周囲との協調が苦手

小学生にもなると、特定の友人たちと多くを過ごすことになりますが、基本的に人の気持ちを理解することが苦手だったり、マイルールにこだわってしまったり、場違いな発言をしてしまい輪を乱してしまったりすることが多々あります。周囲と協調するのが苦手な場合があるので、一人遊びに没頭してしまい集団遊びができないことも出てきます。

 

【中高生(12歳〜18歳)】

中高生にもなれば思春期と重なり、周りに理解されないことで本人が苦しむケースも珍しくありません。大人への成長段階でとても重要な時期なので、家庭や学校での理解と適切な対処が大切になってきます。

 

○学校に行きたがらない

場の空気を読めないことで友人関係がうまくいかなくなったり、周りから浮いてしまうことで孤立してしまうケースがあります。最悪の場合はいじめに発展したり、それを原因として不登校になってしまうこともあります。不登校の要因としては、人間関係だけでなく、学習の遅れが原因となることもあるため、登校渋りなどが生じた場合は学校と連携しての早期の対応が重要になります。

 

○友達作りが苦手

小学生まではなんとなく集団で過ごせていたものの、中高生にもなると好みやグループもはっきり分かれてきます。自分の居場所が分からなくなったり、なかなか友人が作れないなど、コミュニケーション能力の困難さゆえに出てくる人間関係の問題が多くなります。

 

○学校での学習が困難

小学生の頃と同様、一定の科目に対してついていけないなどの学習障害は続きますが、中高生になると苦手分野の学習について行くのがより困難になります。得意分野や興味のある科目に対してはかなりの好成績を出せるようになるなど、本人の強みが明確になってくる時期です。このころに将来の夢やビジョンを一緒に描けるように、周りの工夫や理解、指導が重要となってきます。

 

 

【成人期(18歳〜)】

社会生活を送っていくためには、周りのサポートや理解はもちろん、何より本人が自分自身を理解し、対処法を用意しておくことが重要です。

 

○職場でのミスや人間関係でのトラブル

障害特性によるコミュニケーションの苦手さや、周囲の状況を判断して協調することの困難や、不注意・こだわりなどにより、仕事上のミスや、遅刻、スケジュール管理ができない、手際が悪いなどのマイナスの評価が多くなってしまうことがあります。また、職場での付き合い、上司との関係に悩んでしまうこともあります。自分自身の得意なところや苦手なところを理解し、苦手な部分の対処法を考えたり、相談できる人を増やしたりすることが大切です。

 

○二次障害を引き起こしてしまう場合がある

周りに理解を得られないまま困難な人生を送ってきたことから、いわゆる「二次障害」を引き起こしてしまう可能性が高くなります。うつ病になったり、パニック障害を併発したり、ひきこもりや家庭内暴力などを起こしてしまう場合があります。早めに支援機関・医療機関に相談するようにしましょう。

 

 

■僕がアスペルガー症候群と診断された時のこと

僕は就職活動を失敗し、大学卒業後、故郷に戻りました。しばらくして両親や親戚から「発達障害なのでは?」と指摘され、発達障害者支援センターという施設に登録しに行きました。
その際に小学校から高校までの成績表を準備しました。

そして知能検査を受け、その検査結果をお世話になっている医者に提出し、アスペルガー症候群の診断を受けました。

 

 

■まとめ

発達障害を疑うようでしたら、発達障害もカバーしている医療機関で診断を受けるといいと思います。
アスペルガー症候群はADHDのような薬はまだありませんが、自身の特性を理解し、生活やコミュニケーションなどを工夫することで社会に適応できるようになる可能性があるので、絶望はしなくてもいいと思います。




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多聞

多聞

社会復帰するために試行錯誤の日々を送る。読者の皆様のお役に立てる記事を書きたいと思ってます。

1 件のコメント

  1. 通りすがり 返信

    ◯延々と
    ×永遠と

    内容はとてもよかったと思うのですが、少し気になりました。

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