自傷痕が薄くなっていくことに、なぜが悲しみを感じる
腕にも無数にある自傷痕を見る度「自傷なんてしなきゃ良かった」と思ってきたけれども、実際に消えそうになっているのを見るとなぜだか焦った。わたしは自傷痕を「頑張って生きてきた証」だとは思わないし、「つらさの証明」でしかない自傷痕を誇りに思うことはできない。こんなもの早く消えてくれたほうが生きやすいはずなのに、本当に消えてしまうのかと思うと悲しいような、苦しいような、よくわからない感情になる。
そしてまたカッターを取ろうとする衝動を抑えるついでに考えたのだけれども、わたしが思うに、自傷痕が薄くなると焦ってしまう理由は「自分のメンタルが回復してないから」じゃないだろうか?
思い返せば、わたしは自傷痕を見る度安心していた。理由はわからないけれども、自分の体の綺麗な部分を見ると心がざわついた。今は少し回復して前ほどではなくなったけれども、それでも完全に回復したわけじゃないのだ。
自傷痕が無ければ、半袖も着れるしやれることが増える。良いことだらけだ。けれども、傷一つ無い綺麗な体で生きていく勇気は、今のわたしには無い。
自傷痕のせいだけでなく、わたしは今まで自分からやることを制限したり、されたりしてきた。「無限に広がる夢」も「自由な将来」も、わたしには未知で、知らないものだから、恐怖でしかないのだ。だから「メンタルが完全回復する」「自傷痕が消える」ことをどれだけ願っても、それが叶ったときのことを想像すると恐ろしい。
それだけではなく、周りの人たちとの考えの違いなんかもあるんじゃないだろうかと思う。例えば他人は自傷痕が無ければ当然「心身共に健康な人」という印象を持つし、自傷痕があってもそれが消えれば「良かったね」と言う。自傷痕が消えることによって心の傷も無くなったのだと思い祝福する。けれども自傷者(わたし)としては傷痕が消えたというだけのことであって、心の傷が回復したわけじゃ無いのだ。だから、おめでとう良かったね、と言われても困る、というか、はっきり言うならば不愉快でもある。最初に書いたようにわたしにとって自傷痕とは「つらさの証明」だからだ。内側ではまだつらいのに、表面が綺麗になったからって喜ばれても余計苦しくなるだけだ。
つまり「心の回復が体の回復スピードに追いついていない」から、自傷痕が消えそうになると苦しくなってしまうのでは、と思ったのだけれども、どうだろうか。勿論人によって違いはあるだろうしこれはわたしにしか当てはまらないかもしれないけれども、同じような人がいてくれると嬉しいな、と思う。そしていつか、本当にまっさらな気持ちで笑えたらいい。頑張ろう。
【執筆者】
ハル さん
【プロフィール】
18歳、中卒メンヘラ
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