「こころ百科」に関する記事につき、一部不確定な事実に基づく表現がありました、読者の皆様にお詫び申し上げます。

リストカットの原因と心理 なぜ自分を傷つけてしまうのか

コラム リストカット 自傷行為 メンヘラ.jp編集部

このページは「リストカット」をはじめとする自傷行為との向き合い方や知識をまとめたものです。当事者の方を読者として想定していますが、保護者の方、支援者の方にもご一読頂ければと思っています。

医学文献より引用した「リストカット」「自傷行為」の基礎的な知識の他にも、メンヘラ.jpに寄せられたリストカットや自傷行為の当事者たちからの声もここに集めています。

この記事が、あなたの心と身体の傷を癒す一助となれれば幸いです。

目次
・リストカットとは
・リストカット以外の自傷ーアームカット、レッグカット…
・リストカットをするのは女性だけ?
・リストカットは自殺未遂なのか
・リストカットの心理 自傷は「アピール」「かまってちゃん」なのか
・SOSとしてのリストカット
・なぜ自分を傷つけてしまうのか
・リストカットのメリット・デメリット
・自傷行為はエスカレートする
・リストカットをやめるために
・精神科医からのコメント

リストカットとは

リストカットとは、カッターナイフなどの刃物を用いて手首を傷つけてしまう自傷行為を指します。古くは1960年代のアメリカから流行したと言われており、日本では「リストカッター」を肩書とした作家の南条あやさんがブームの発信源として知られています。

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リストカット以外の自傷ーアームカット、レッグカット…

「リストカット」は最も知名度のある自傷ですが、刃物で自分の身体を傷つける自傷行為は何も手首だけとは限りません。

腕を切りつけるアームカット、足を切ってしまうレッグカット、ピアスやタトゥーを自傷的な意味合いで使う方もいます。

また体毛を引き抜いてしまう抜毛症や、男性に多く見られる壁を素手で殴るなどの行為も自傷行為のひとつと考えられています。

自分の身体を傷つけてしまう「自傷行為」はリストカットだけではないと知ることは重要なことです。例えば

「火のついたタバコを身体に押し付ける」
「自分を殴る」
「自分の身体を噛んで傷つける」
「尖ったもので自分の身体を刺す」
「ホチキスで手や指を傷つける」
「壁に頭を何度もぶつける」
「爪を過度に噛む」

以上の行為は「リストカット」以外の比較的よく見られる自傷行為です。

「手首を切ってるわけじゃないから」

そう考えて、自分の行為が「自傷行為」であると気づけない方は少なくありません。

「自分の身体を故意に傷つける行為」それは「リストカット」と同じ、自傷行為です。

手首を切ることだけが、自傷行為ではありません。

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リストカットをするのは女性だけ?

「リストカットをするのは女性だけ」

そんなイメージを持たれている方は少なくありません。しかし、それは謝った認識です。日本公衆衛生学会によれば、自傷行為の経験率は男性4%、女性9%。つまり、男性にも自傷行為で苦しんでいる方は大勢いらっしゃいます。

男性は自傷行為の手段として前述のような「リスカット」以外の自傷(「自分を殴る」など)を選ぶ傾向にあり、それが「男性は自傷をしない」といった偏見に結びついているようです。

しかし実際には多くの男性も自傷行為を経験しており、中にはリストカットを自傷の手段として選ぶ方も少なくありません。リストカットと性別は、実はあまり関係がないのです。

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リストカットは自殺未遂なのか

リストカットをはじめとする自傷行為を「自殺未遂」と考える人もいます。しかしそれは本当なのでしょうか。

精神科医の松本俊彦氏によって行われた調査では、「死ぬため」に自傷をしているケースは全体の約2割弱と、それほど多いとは言えないようです。また死ぬために自傷をしているケースは「年齢が極めて若い」「自傷回数が少ない」「はじめて自傷をした」などの傾向があり、リストカットを「繰り返してしまう」方々とは患者像が異なります。

それでは、リストカットの理由とはなんなのでしょう。

前述の調査によれば「自傷をする理由」として最も多く挙げられたのが

「不快な感情を和らげるため」

というものでした。

イライラや不安、怒りや恐怖、緊張感、絶望感など「不快な感情」。それらに対処するために人々はリストカットという手段を選ぶのです。

肉体的な痛みは、精神的な苦しみを一時的にでも和らげてくれる効果があります。それゆえ、大きな精神的苦痛に晒された人たちは苦しみから逃げる手段としてリストカットに手を出してしまうです。

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リストカットの心理 自傷は「アピール」「かまってちゃん」なのか

リストカットについてしばしば目にする「単なるアピール」「かまってほしいだけ」という意見。これらは本当に正しいのでしょうか。

自傷行為の臨床研究で知られる松本俊彦医師は著作の中で

「自傷は周囲の関心を集めるために行われる」ということを証明した研究は、古今東西を見渡してもどこにもありません。

信頼できる研究は、「繰り返される自傷の約96パーセントはひとりぼっちの状況で行われ、しかも、行ったことは誰にも報告されない」ということを明らかにしています。

と断言しています。

「自分を傷つけずにはいられない 自傷から回復するヒント」より)

また、中高生の約1割がリストカットなどの自傷を経験おり、にも関わらず、学校の先生がその自傷に気付くケースは全体の1/30という調査結果もあります。

このような事実を鑑みると、リストカットを単なる「アピール」であると考えるのは、あまりに短絡的と言わざるを得ないでしょう。

ほとんどのリストカットは、不安や恐怖などの精神的苦痛から逃れるために、ひとりぼっちの状況で行われます。リストカットは「アピール」などではなく「孤独な対処法」なのです。

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SOSとしてのリストカット

96%のリストカットが、ひとりぼっちの状況で行われ、しかも誰にも報告されないことを先ほどお話しました。リストカットは確実に「孤独」と強く結びついています。

しかし、リストカットには「SOS」の意味も込められているのです。

自傷行為に関する調査では、約2割の人が「人に気づいてほしい」「行動を変えてほしい」という想いを抱きながら自傷をしていることがわかっています。

2割というのは決して多い割合ではありません。8割のひとが「気づかれないように」自傷をしている、その孤独の方が痛々しい、とすら感じられます。

しかし自傷行為にはSOSとしての側面もあることを、支援者や保護者の立場としては知っておくべきでしょう。

自傷行為の背景は色々あると思いますが、私が自傷(リストカット)を始めたのは「心の痛みを可視化して安心したい、誰かに気づいてほしい」という理由からでした。

実際自傷をしてみると、心の痛みが体の痛みに変換されて心がスッと軽くなった気がしたり、母が私の心の問題について深刻に考えるようになったり、私の望んでいたことが叶うような気がしました。そうしてリストカットへの抵抗がなくなるまでに、そう時間はかからなかったです。


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この投稿者の方は、「精神的苦痛への対処策」と「母へのSOS」というふたつの理由からリストカットをしていたと記事の中で述べています。

目に見えない心の傷を「可視化」させたい。気づいてほしい。たすけてほしい。そのような側面もリストカットには少なからずあるようです。

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なぜ自分を傷つけてしまうのか

ここで、当事者の声を聞いてみましょう。

なぜひとはリストカットをしてしまうのでしょうか。

リストカットをすると、ざわざわイライラしていた気持ちが落ち着いて、スッと楽になってしまいます。どうしようもなくつらくて感情爆発状態になった時、カッターを手首に走らせるとあら不思議、次第に気分が落ち着いてくるのです。
痛みで正気に戻るというかなんというか、これはおそらく切った時に分泌される脳内麻薬の関係なのでしょうが、びっくりするくらい落ち着きます。安定剤なんかでも効きが早いものは結構ありますが、リストカットは安定剤より早く効き目が来るような気がしています。(個人の感想です)。

どうしても気分を切り替えたくなるとき、つい自傷行為に頼ってしまいます。


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私は生きるためにリストカットをしている。
死にたいならもっと別の方法をとる。

私は死にたくないから手首を切るのだ。

今日も死にませんように。そう願いながら、薄い鉄の刃を体に滑り込ませて、生と死を熱く体で感じている。

死の手前に触れている瞬間に、強烈に生を実感できる。

流した血の分だけ、なんだか汚く重たい枷が流し落とされた気がして、気分が軽くなるんだ。

死ぬためのリストカットはしない。それは自殺だから。

私はどれだけ醜くても、泥にまみれた靴で踏みつけられても、生きると決めている。


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母に怒られた瞬間、理性のタガが外れて硬く握っていた拳を勉強机に叩きつけ、母を部屋から追い出しました。そして数分泣いてから、「リストカットをしてみよう」と思いついたんです。

中学2年生当時、今は少し疎遠な友人が家庭環境に問題があってよく自傷行為をしていたので、彼女の影響を少なからず受けていたのだなぁ、と思います。

カッターナイフで左太腿と左手首を軽く切りました。最初だったからか少し痛かったけれど、すぅっと気持ちが楽になり、落ち着いたことは覚えています。


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殺したと思った父は生きていました。病院で頭を縫ったとの事。舌打ちです。半殺しにされました。そこでまた私は考えます、どうすれば母親と父親に迷惑をかけられるのか、あ、そうだ、死のう。子供は単純です、死ねば復讐になると思うんですから。

半殺しにされた後なのでボロッボロの私、気合いで立ち上がり机の中からカッターナイフを出して手首を切りました。うっすらしか血が出ません。ま、子供の力なんてそんなもんだよね。何箇所も何十箇所も手首を切ります、腕も切ります、血がポタポタ落ちます。これで死ねるとニコニコしてましたが世の中そんなに甘くなかった、普通に腕がイカ焼きになっただけでした。でもなんでしょう、このスッキリ感。今までのモヤモヤが晴れていくんです、増える傷と晴れるモヤモヤ。こうして私はリストカットに目覚めたのでした。


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私が生まれて初めて自傷行為をしたのは、幼稚園児の頃でした。
理由は覚えていませんが、何かに腹を立てた私はそのイライラを抑えて冷静になる為に、自らの首を絞めました。

すると手を離した瞬間、イライラよりも息苦しさから解放された安堵感の方が勝り、イライラがスッ…と消えたのです。


【関連記事】
・10年以上続いた自傷行為を止めることができた、医師のある一言

 

メンヘラ.jpに寄せらせたリストカット自傷行為の体験談を改めて調べてみると、やはり多くのひとが精神的な苦しみから逃れるためにリストカットをはじめとする自傷行為に手を出していることがわかります。

リストカットは「かまってちゃん」ではなく、

心の苦しみと闘うための、孤独な処方箋なのです。

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リストカットのメリット・デメリット

ここまで見てきたように、リストカットをはじめとする自傷行為の多くは精神的に極めて苦しい状態を一時的に緩和させるために行われていることがわかりました。これはある意味で「リストカットのメリット」と言えるかもしれません。

それでは、リストカットにデメリットはないのでしょうか。

もちろん、短期的に考えれば傷が残ってしまうという美容的なデメリットがあります、しかしより長期的に考えてみると、そのような外形的なこと以外のデメリットもあるのです。

リストカットや自傷行為の本当のデメリットは、精神的な苦痛に対して「自分を傷つける」という行為で対処してしまう「癖」がついてしまうことです。精神的な苦境、それは置かれている環境のせいかもしれないし、精神疾患のせいかもしれません。それらの苦境から脱するには、環境を変えたり、医療と繋がったりという方法を本来はなら取るべきです。

しかし、リストカットや自傷行為という「対処法」で困難をやり過ごす癖がついてしまうと、問題の根本的な部分と向かい合うことが難しくなってしまいます。

つまりリストカットや自傷は短期的に見ればメリットがあるが、長期的に見るとデメリットが大きい。そのように言うことができると思います。

【関連記事】
・リストカットのデメリット

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自傷行為はエスカレートする

リストカットをはじめとする自傷行為には精神的な苦痛を肉体的な痛みによって緩和させる効果がある。それ故多くの苦しんでいる人が出を出してしまう。この構造については既に述べました。

しかし、このリストカット/自傷の緩和作用には耐性ができてしまうのです。

リストカットの鎮静効果は、脳内のモルヒネ様物質によって引き起こされると考えられています。つまり、リストカットは一種の薬物なのです。

薬物の特徴、それは長期に渡って服用すると耐性があらわれてしまうこと。つまり、効果がだんだん弱くなってしまうということです。

リストカットをしても以前のように楽になれない。そのような状況に陥ると、「楽になりたい!」と考えたあなたは、段々ともっと深く、もっと多く、より深刻な手段で、自分を傷つけてしまうことになります。

またリストカット繰り返した部位の皮膚は固くなってしまうため、新たに自傷を行うためにまだ傷つけていない身体の部位を傷つけなければいけなくなってしまうかもしれません。そう、リストカットはエスカレートするのです。

これが、一概に自傷行為を「苦しみのための対処法」として安易に推奨できない理由です。

ほかの対処法、例えばメンタルクリニックで処方される薬などは、それほど急激に耐性がつくこともありませんし、医師や薬剤師というプロがしっかり管理した上で処方してくれます。

しかし自傷行為という素人処方には、そのようなコントロールがありません。

結果以前よりささいなことで自傷をしたくなってしまったり、より深く手首を切ってしまい、結果重大な怪我を負ってしまうということもあります。

【関連記事】
・リストカットで尺骨神経を損傷。回復までの軌跡

前述したように、自傷行為には短期的に苦しみを緩和してくれる効果があります。どうしてもつらい時に、それに頼ってしまうのは仕方のないことかもしれません。

しかし、自傷行為にはデメリットもある。エスカレートすることで重大な障害を負ってしまったり、誤って本当に命を落としてしまうこともある。

自傷行為を全否定するつもりはありません。自傷行為がどうしても必要になる場面が、苦しい状況を生きているひとにはきっとあります。

しかし長期的にはこのような悪影響があることも知ってほしいのです。そして、自傷行為以外の苦しみを緩和させる方法についても考えてほしい。著者としては、そのように願わずにはいられません。

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リストカットをやめるために

リストカットが常習化してしまった時、そこから回復するためにはどのような手段があるのでしょう。

ここまで述べてきたように、リストカットをはじめとする自傷行為は「精神的な苦しみを肉体的な痛みで緩和する」という代替療法です。そして「精神的な苦しみ」が当事者にとって千差万別である以上、そこから回復する道もひとつだけではありません。

しかし、リストカットの原因が「精神的な苦しみ」であると認識することは大切なことです。あなたは何に苦しんでいるのでしょう。何に悩んでいるのでしょう。その問題と向き合う──時には逃げる──ことも、自傷行為から回復するためには重要になってくると思います。

 

メンタルクリニックという選択肢


自傷行為は、なんらかの精神疾患と結びついている場合も少なくありません。またリストカット(自傷行為)は精神医学上の治療の対象ともなります。まず医師やカウンセラーといった「心の治療のプロ」に頼ってみるというのは、ひとつの有力な選択肢です。

しかしメンタルクリニックといっても千差万別。中にはあまり当事者のためにならないお医者さんもいます。ここでは「リストカットから回復するためにはどんなクリニックを選ぶべきか」について、少し書かせていただこうと思います。

 

・リストカットを全否定する医者は避けよう

リストカットが「精神的な苦しみから逃れるための自己治療」であることは既に繰り返し述べてきました。リストカットは、ある意味で、本当に苦しい状況で自分を生かすために必要なものであることもあるのです。

このような背景を理解せず「もうリストカットなんかしちゃダメだ!」と叱責したり、「次に自傷したらもううちでは診ないよ」などと言ってしまう医者は、自傷行為についてあまりに無知であることが多いため、おすすめしません。

逆説的なお話になりますが、リストカットから回復するには、リストカットを肯定してくれる環境が必要なのです。安心してリストカットできる。そういう安心感、安全感があるからこそ、リストカットからの回復を効果的に進めることができるのです。

(リストカットがエスカレートし)

これはマズイと思い通院時に主治医に相談したところ、なんと意外な返答が。

「やり過ぎなければ別に良いんじゃない?」

驚きました。それはもうめちゃくちゃ驚きました。

だって、今までありとあらゆる大人に否定されてきたのに、です。

その瞬間、心がふっと軽くなったのが分かりました。

きっと私は、幼い頃からすがり続けていたものを否定されたのが悲しかっただけなのです。自傷行為は私そのものであり、それを否定された悲しみゆえ、認めてもらおうと手首を切っていたのだと思います。私の自傷欲求は、ある種の承認欲求だったのです。

ですが、主治医にそう言われたことにより、だんだんと「手首を切りたい」と思わなくなっていきました。あの日から、もう数ヶ月経っていますが、私は未だに手首を切っていません。


【関連記事】
・10年以上続いた自傷行為を止めることができた、医師のある一言

この体験談は「リストカットから回復するためには、安心してリストカットできる環境が必要」というお話の、まさに典型的なものです。

リストカットを全否定されることは、苦しみと必死に戦っていた過去の自分の努力までも否定されることです。リストカットを全否定してしまう医師やカウンセラーは、当事者の心を癒すことは難しいでしょう。

「リストカットを全否定する医者は避ける」

メンタルクリニック選びのひとつの考え方として、参考にして頂ければ幸いです。

 

リストカット当事者の体験談を読んでみよう


リストカットから回復した、または回復しようとしている当事者の体験談も、参考になるかもしれません。メンヘラ.jpには多くの当事者からの声が載せらせています。その中のほんの一部を、以下でご紹介します。
自傷をやめるまでの20年近くの間で、当然それを止める人はいた。

親だったり恋人だったり友人だったり。しかし申し訳ないことに、誰の言葉も届かなかった。

成人してからは「自分は自傷依存症になってしまっているので、もう治らない」と思い込んでいた。回数は減っているし、10代の頃より傷は薄くつけるようにしてるし、別にいいんじゃないかとも思っていた。「親が悲しむよ」と言われても、当時のわたしは親を悲しませたくて後悔させたくてしょうがなかったので、そんな言葉は届かなかった。


「いいことじゃないんだろうけど、死ななきゃいいんじゃない?」

と。初めてそんなことを言われたので、びっくりして「え?」と聞き返したと思う。

「だって巴ちゃんは自分を傷つけたら死にたい気持ちがおさまるんでしょ。本当に死ぬくらいなら、体傷つけておさまる方がいいじゃん。死なないんなら、その方がいいよ」

彼女にとっては、わたしが自分で自分の体を傷つけることより、わたしがこの世からいなくなることの方が大問題のようだった。折角こんなに面白い人と友達になれたんだから死んでもらっちゃ困る、と笑っていた。


【関連記事】
・リストカットをやめるきっかけになった友人の一言

 

はじめて自傷したのは高校生のときでした。それからずるずる、やめられたと思ってたのに気付いたら切ってた、みたいなことを繰り返して今に至ります。

「今年こそやめるぞー」と決意して3日、さっそく切ってしまい、自己嫌悪に襲われて。はじまりました2017年。

そんなこんなで、「次こそやめるぞー」と決意しました(懲りない)。

しかし、このままだとまた同じことを繰り返してしまう。それは避けなければ。そこで読みはじめた本がこれ。じゃじゃーん。

自分を傷つけずにはいられない~自傷から回復するためのヒント~(講談社)

松本俊彦先生の著書です。

今日は、わたしがこの本をヒントにはじめた/はじめたいことを書こうと思います


【関連記事】
・自傷をやめたい!私が実践中の、リストカットをやめるための7つの方法

 

これらの記事の他にも、たくさんの当事者の声がメンヘラ.jpには集まっています。

「リストカット」タグや「自傷行為」タグを参考にしてみてください。

また、あなたも自分の体験を送ってみたいと思ったら、ぜひ読者投稿のページを読んでみてください。応募の要件や、私たちがなぜ当事者の声を集めている理由などが書かれています。

あなたの心と身体の傷が少しでも癒されることを、心から願っています。

【参考文献】
・自分を傷つけずにはいられない 自傷から回復するためのヒント
・こころの科学186号 「死にたい」に現場で向き合う
・こころの科学 (2006年 5月号) 127号 自傷行為

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精神科医からのコメント


リストカットによって救われている人がいるというのはとても重要な事実だ。

それ以外に逃げ場がなかった、という人たちに対して、『なぜリストカットなんてしたんだ!』と心配に見せかけた怒りをぶつける人がいることも悲しいけれど事実だ。

心配というのは容易に怒りに変わり、『そんな心配をさせたお前が悪い』というような、心配という名の批判や怒りを傷ついている相手に向けるのだ。その辛さから逃れるためにまたリストカットが繰り返されるという悪循環がある。

リストカットをしたことで辛い状況からなんとか逃れることができたのであれば、そのまま元気に暮らしてほしいと思う。カミングアウトはしてもしなくていい。

リストカットが一時的に心を癒してくれることから、ふと『マッチ売りの少女』を思い出した。寒い冬の街角で少しでも温まりたいとマッチを擦って暖まる少女と、リストカット、自傷行為をする人たちが重なるように思ったのだ。

マッチは少しの間は温めてくれるかもしれない、しかしずっとは暖めてくれない。少女はマッチを擦って暖まろうとしたが、本当に欲しかったのは、寒い外気から守る家と全身を暖めてくれる暖炉だったのではないだろうか。

辛い状況や耐えきれないような虚しさ、悲しさという寒さの中、受け入れて、暖めてくれるものが必要なんだと僕は思う。それはリストカットを否定せずに、受け入れてくれる人であり、否定や批判をしない暖炉のような優しさではないか。人には食べ物と睡眠以外にも暖かさと明るさが必要だと信じている。

暖かい人、暖かい場所を探そう。それは病院の診察室であることもあるだろうし、街の喫茶店であることもあるだろうし、友達の家でもあるかもしれない。また、同じ寒さに震える仲間と言葉を交わし、あたためあうことかもしれない。

この記事を読んだリストカットをしない人がリストカットをした人がこれ以上凍えないように暖かい言葉をかけてくれたらと願っている。

by ゆる医者 先生

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【執筆者】
メンヘラ.jp編集部


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2件のコメント

通りすがり 返信

Twitterで紹介されていたので見に来ました。
最近は落ち着いているのですが、再びリストカットの気分になったら、この記事を覚えておいてまた見に来ようと思います。

まさこ 返信

自傷行為として私も逆剥けを血が出るまでむしってしまうので、参考になったし助かりました!

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