「辛いことがあるなら言え」 自分の気持ちを言えるようになっても、いいことなんて一つもなかった。

コラム 自傷行為 不安障害 サラ

明るい子供だった。言ってしまえばピエロだ。世間でよく言われる、友達は沢山いるけど親友は一人もいない子供。とにかく周りを笑わせることに魂を燃やし、笑わせるためならわざと転んだりもする、「サラは悩みなさそうでいいね」とよく言われたのを思い出す。

実際は些細な事で傷つきやすく、色んなことに悩んでいた。この時から、自分は周りと少し違ったのかもしれない。でも、自分で違うとは思っていなかった。それは大人になって思い返し、ちょっとおかしかったな…と思うのだ。

それが一転して別人のように暗い子供になったのが中学になってから。

私は不登校になった。勉強についていけないのと、特別親しい子も出来ず女子グループをあちこち転々としながら過ごしていたことが嫌になったのか、他にも色々あったのかもしれないが、20年も前の事でもうよく分からない。

誰も私の異変に気づいてくれず引きこもり、教師に見捨てられ、親も自殺を恐れ「学校へ行け」とは強く言わない、友達も二度来てくれたが、その後は音沙汰なし。みんなから見捨てられ、私すらも私の心と向き合うことをないがしろにしてダラダラと生きてしまった。そして、リストカットもこの頃から始まった。

自分の気持ちを言えず、苦しいことがあっても黙って俯く。悩むと食事が喉を通らなくなる。

親は「昔はあんなに明るかった」「お前は何も言わないから分からない」「辛いことがあるなら言え」と言うが言えない。そんな状況が15年以上は続いた。

しかし、最近…やっと自分の思いを言えるようになってきた。私も35歳、結局ダラダラ生かされ歳をとったからなのか、時が過ぎたからなのか、少し変われた。

が…。

「寂しい」と言えば、「家族がいるのに何が寂しいの?」と言われ。
「凄く辛い、凄く不安だ」と言えば、「みんな同じ」と言われ。
リストカットがバレれば、「理解できない、やめろ」と言われ。
「お前は考え方が極端すぎる」と言われ。
「そうじゃない、違う」と言われ。

あれ、前の方が幸せだったかも…。自分の気持ち言えず押し殺してたときの方が幸せだったかも。

そして、自分の気持ちを言う度に、言葉を発する度に、「ほらまた失敗した」と思うようになった。自分の気持ちを言う度に、恥が増えていく気になった。

「辛いことがあるなら言え」…。

結局、自分の気持ちを言えるようになっても、いいことなんか一つもなかったのだ。

自分の気持ちを言うことって本当に大事なの? 私は、私は分からなくなった。



【執筆者】
サラ さん

【プロフィール】
35歳、女、引きこもり、リストカット、不安障害


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1件のコメント

返信

こんにちは
私もこれ、言われたことがあります。

ここから先に書くことは、場合によっては貴方様を傷つけるような、わりとひどい内容かもしれません。
書こうかどうしようかしばらく悩んだのですが、同じ体験をしてきた者として、お怒りを買うのを承知の上で書きます。

「辛いことがあるなら言え」というのは多くの場合、その「辛いこと」さえ改善すれば「マトモ」になるんだろうから、とっとと解決してしまいたい、という意味です。

親御さんの気持ちをもっと細かく描写すれば
「この子が今『マトモ』じゃないのは、この子に人間的な問題があるわけじゃなく、何か辛いことがあるからおかしくなっているだけで、それさえ改善されれば『マトモ』な人間に戻るんだろう。だから早くそれを聞き出して片付けてしまいたい」という
要するに、厄介払いしてしまいたいという気持ちであって、本当に貴方の気持ちを聞きたいとか理解したいとかといったことではない場合が残念ながらほとんどです。
だから解決に繋がらない抽象的なことをいくら言ってみても、極端だの何だのと否定されるんです。

だいたい、話せと言ったって話せないでしょう。
こういうものは、たいてい漠然とした不安や、漠然とした虚無感や、そういったものに理由もなく襲われるというのが実際のところであって、それを自分で分析して、全部理論的に説明できるくらいなら、メンヘラなんぞやってないで、凄腕のカウンセラーにでもなってますよ。

ですから、まあ、相手にうまく伝わらなくてもそれを失敗だと思う必要はないという、とりとめもない戯言です。

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