怖くなったら110番! 自殺未遂をして自分で警察に助けを求めた時の話

体験談 自閉症スペクトラム 自殺未遂 鈴音

はじめまして、鈴音と申します。

発達障害のASD(自閉症スペクトラム)にその二次障害である適応障害の診断を受けている20代の無職です。希死念慮を抱えながら生きていますが、家族のお陰で何とか生きている感じです。メンヘラ.jpさんは普段からお世話になっておりまして、ちょくちょくコラムや体験談などを拝見させて頂いています。

その中で自殺未遂をした体験談や自死遺族の方の後日談を見るのですが、自殺未遂をして自分で110番した人の体験談を見た事がないなと思いまして(と言っても、私が知らないだけかもしれませんが)、「あれ?私の体験談ってもしかして誰かの役に立つかな?」と思い筆を取りました。

拙い文章で役に立つかわかりませんが、いざという時の手段としてどの様な感じになるかということを書いておきたいと思います。場所や警察署にもよるかと思いますが…一つの参考になれば幸いです。

 

私が自殺をしようと思ったことは何度もありまして、警察に連絡する前に二度自殺未遂をしました。

一度目は高校生の夏の終わり頃に首吊り、二度目は去年の夏の終わり頃にOD。どちらも自殺を図ったのですが、軽傷(?)だったのか自力で家族に助けを求める事ができました。メンタルが不安定になってから、私の中で夏というのは地雷みたいで…必ずと言っていいくらい、自暴自棄になったり無気力になったり鬱になったり自殺未遂したりと碌な事がないので毎年注意していますが…今年もダメでしたね。結局、メンタルが死んで自殺未遂をしました。

二回目までは、警察の方にお世話になる事はありませんでした。そもそも、自分で警察へ連絡するという手段をこの時知らなかったのと、今までは突発的に家の敷地内で行っていたので…家族に助けを求めた方が早いですよね。だから警察のお世話になる事はありませんでした。

なので、今回三回目で初めて警察へ自ら通報して助けを求めました。その経緯をお話させて頂きます。自殺の動機はあまり話したくない上に長いし、何より今回は「110番をするとどんな感じなのか」、いざと言う時に使って欲しいという事を伝えたいので割愛させて頂きます。

 

私が三回目の自殺を決意したときの状況は、悲しさと無気力と恐怖、そして自分は生きる価値のない人間だと思い…何より天気が悪く、薬を飲んでなかった事や朝から希死念慮が今までで一番酷かった事もあり、すぐに死のうと思い行動へ移しました。

もう夜中でしたから止める家族は就寝しているし、相談できる人はいない、病院も閉まっている。平日の夜中の2時過ぎですから仕方ないです。何を思ったのかパジャマから普段着に着替えて、最寄りの大きな川へ車を発車させました。お気に入りのバックに財布とかゲームとか入れて(いつ使うんだよ)、スピーカーも持ち出してスマホから大好きな音楽を大音量で流します。まるでショッピングにでも行くかのようなノリで向かいました。

その時の感情は無でした。未練とか、恐怖とか、何も感じずに淡々と川へ向かいました。

川でお察しかと思いますが、今回は溺死してやろうと思いました。橋から飛び降りようと思ったのですが…やっぱり怖かったんでしょうね。飛び降りより溺死を選択しました。

6月の始めといえ、まだ夜は冷えます。冷たい川に身を沈めればいずれ体力が尽きて死ぬだろうと思い、通行する人や車の邪魔にならない様に適当な道の溝に車を止めて整備されていない道を進んでは転んだり倒れたり、川へ近づくたびに草木と茂みに阻まれますが、手足が傷つく事、雨が降って寒い事、ここから先は危険という注意書きが書かれた看板とロープを何度も潜り抜けて、暗闇で周りがよく見えない事を気にせずに一歩ずつ川へ進みました。

でも、川まで本当に距離があります。道路から一般人も通れる道まで距離があり、ちゃんとした道から通らず坂を無理矢理降りて道を通り、そこから整備されていない獣道すらない草木を通り、自分の背丈より高い茂みをかき分けながら進んでも人の足じゃ限界があります。何よりこの時何を思ったのかサンダルで来ました。靴より歩きにくいです。草木や鋭い棘のような茂みでズタズタに切られてとても痛くて、これがまた進みにくいのです。

道路から川までの距離の半分も進んでいません。まだ川も見えない。誰もいない、知らない所で独り…ここでようやく感情が戻ってきて恐怖を感じました。死ぬ事が怖いと初めて思ったのです。溺死という選択をしたからこそ、この感情に気づきました。身投げでしたら、そのまま橋から落ちていたでしょうから…道無き道を進む辛さ、夜の暗さや外の寒さでやっと冷静になれました。自分が今何をしているのかと。

でも、今更ここから車まで引き返せる程の距離ではありません。30分以上かけて整備されていない道無き道を進んできてしまった…私が今どこにいるかは橋の下に居た為に目視で距離はわかるけど…死ぬ恐怖で動けなくなりました。

助けを求めたい。でも家族は寝てしまっている。通行人なんていないし、車が通っても道路や橋から遠くて声が届かない。万が一届いても高い茂みにいるから見つけられない。そもそも声を出しても誰も通らないから助けを求められない。でもこのまま死にたくない。怖い、助けて欲しいとスマホを握りしめて震えていた時にカウンセラーから話された対処法を思い出しました。
「自殺しそうだったら、助けて欲しい止めて欲しいと思ったら警察の人に連絡をして。110番して」

その言葉を思い出した私は震える手で110と打ち電話をかけました。プルル…と音のすぐに誰かが出て声が聞こえました。

「もしもし?事故ですか?事件ですか?」

男性の方が出ました。生憎、事故でも事件でもありません。そして、初めて警察へ連絡したのでどう話せばいいかわからず私はやっとの思いで…

「助けて…」

と伝えました。

私の声の震えから何かを察したのか、「今どちらにいらっしゃいますか?」と優しく聞かれました。しかし私の頭はパニックを起こしています。死への恐怖、孤独による不安、助けて欲しいという焦り、人の声を聞けた安堵感でキャパオーバーを起こしているので…何を聞かれているのか、すぐには理解できずにただただ助けて欲しいと死にたくないと喚きました。

警察の人は、電話を切らないで「大丈夫ですからね」と宥めて、私を少しずつ落ち着かせて居場所を聞き出しました。

警察官「今どこにいますか?」
私「川の茂みです…」
警「近くに何が見えますか?」
私「橋…えっと…△△(施設名)の近くにある橋…」
警「◇◇橋か…橋の他に何が見えますか?」
私「柱…△△(施設名)から✕✕県へ向かう時へ見た時に2番目の柱が目の前にあります…」
警「橋から貴方を確認できますか?」
私「光源あって明るいけど…真下にいて橋から見えないです…」
警「わかりました。今から警察の人が向かいますから安心してくださいね。まだ電話は切らないでくださいね」
私「はい…」

ここから、私の名前、生年月日、年齢、住所、今の服装や髪型、持ち物に危険物は持っていないか。茂みはどのくらいの高さか、助けを呼ばれたら反応できるかどうか聞かれて、その後は「大丈夫ですよ」とか「安心してくださいね」と優しく言われて…

「よく連絡してくれましたね、ありがとう」

迷惑をかけているのに連絡した事を褒められて、「ありがとう」と言われて更に泣きました。

暫く話していたら警察の人が来てくれて私を見つけ出してくれました。道路方面からが3つの光が見えて、「〇〇(本名)さーん!!」と声が聞こえて、「おい、こっちだ、見つけたぞ!」と話し声が聞こえて、3人の警察の方が来てくれました。その事をスマホの向こうに居る警察の方に伝えたらその人達に変わって欲しいと言われたので、スマホを手渡しました。

保護しに来た警察官は無事保護した旨を伝えて電話を切りました。私は警察の人達に少しずつ歩けそうな道を案内されて、草木が多い所は先に進み道を作ってくれて、「少しずつで大丈夫だよ」と言われて無事道路に戻れる道へ届きました。

道路に戻ってから、消防署の方や救急隊員の方まで来ていた事に後で気づきました。夜中に計10人くらいの人が来て凄く驚きました…。

私は「事故でも事件でも何もないのに呼び出してごめんなさい」と静かに泣きました。本当にここまで大事になるとは知らず、何より警察に連絡をした事ない私には今の状況はキャパオーバーでした。「悪い事をしたら警察の方にお世話になる」という小学生レベルの知識しか持たず、今までお世話になった事がない私からすれば、自分で呼び出しておいて、本当に何が起こっているのかよく分からなくなっていました…。

そして、車を止めた道路へ戻る途中、雨で濡れていたからなのか…救急隊員の方が毛布を被せて貰った事で少し冷静になり、くだらない事で呼んで怒られるんじゃないかと思って震えながら「ごめんなさい、お忙しい中本当にごめんなさい…」と謝りました。

しかし、警察の方達は…

「いいんだよ。これも私達の仕事だから」
「大丈夫、気にしないで。踏みとどまってくれてよかった。死んじゃったら皆悲しむから、またこうなりそうだったら呼んでね」

と泣き続ける私を否定しないで優しく返してくれました。

救急隊員の人には怪我はないかを確認されて、今は何月か、「私(救急隊員の人)は何をしている人かわかりますか?」と聞かれたり、病気はあるかどうか聞かれて、どこの病院か、生年月日、年齢、名前、住所を聞かれてました。受け答えができている事、特に目立った外傷がない事で救急車を必要性が低いと判断され、救急車を呼ぶ必要がないという書類に名前を書いて、後日異変があったら救急車を呼んで欲しいと話されて救急隊員や消防署の方達は先に戻りました。その後、私はパトカーに乗せられて警察署で保護されました。

警察署に着くまでに何度も聞かれましたが、改めて住所、氏名等に加えて家族構成や家族の名前、職業、年齢と事細かく聞かれてパトカーの中で縮こまっていました。

警察署に着いて個室に案内された後も、警察署=悪い人が行く所と認識が強かったので…もう怖くて怖くて仕方なくて、「お茶飲みますか?」という気遣いも「いいです」と断ってしまい…自分がやってしまった事の愚かさや罪悪感、恐怖色んな感情が混ざり涙は止まりました。

その後は持ち物確認されました。危ないものは持っていないか、何を持っているか財布の中身も確認されました。この時、お金を多めに持ち歩いていたので少し驚かれたのを覚えています…。

運転免許証と通っている心療内科の診察券を書き留められて、過去に警察にお世話になった事はあるかどうか、自殺未遂は今回が初めてなのか、初めてでなければ前に通報したか等色々聞かれましたが…覚えているのはここまでです…。正直、知らない所へ一人で行くのも居るのも怖く、何より知らない人達に囲まれているのでもう恐怖でしかなかったのです。なので、警察署に来てからの記憶が曖昧です。申し訳ありません。

 

暫くしてから、父母姉が迎えに来てくれて、父と姉は私の車の回収に行き、母が警察署に残り警察の方とお話する事に。

母が隣に来た瞬間わんわん泣き、ずっと「ごめんなさいごめんなさい」と謝っていました。姉と違い就職できなかった自分、堕落的に過ごしてきた事、また去年と同じ過ちを犯した事、深夜に呼び出した事、何よりまた迷惑をかけて本当にごめんなさいとずっと謝り続ける中、母は「大丈夫大丈夫」と背中を擦り、「よく連絡したね」と涙を浮かべて私を励ましてくれました。

その後は、母は警察の方と私について今後どうするのか、入院を検討した方がいいのではないかと言われたり、過去の自殺未遂案件やその時の状況、過去に警察にお世話になったかどうかとか色々聞いてきた中で、一つ引っかかる事がありました。

それは「自閉症の割には受け答えがしっかりできていますね?」と言われたことです。

発達障害であるASDをそのまま伝えるとわからない人も多いから自閉症スペクトラムと伝えたのですが…まだ認知されていない様で、何よりASDに統合される前の自閉症という言葉が強かったのか、私が普通に喋れている事に驚いていたそうです。母が自閉症ではなく自閉症スペクトラムである事と、コミュニケーションに難があるだけでコミュニケーション自体は取れなくはない事を説明をし、その後「お世話になりました」とお礼を言って家へ帰りました。再度、発達障害はまだまだ認識されていないものなんだなと悲しくなりました。

我が家へ戻った後、家族と話し合いをし、再度入院しても根本的に解決にならないので今回はしない、今まで放任主義であり過ぎた故に私が過ちを犯した事を反省して、少しずつ家族がサポートするから前を向こうという結論に至り、気分が落ち着いた所で私は薬の力に頼って眠り、家族はそれぞれの職場へ向かいました。今は少しずつ落ち着いて生活を送っています。

 

まとめ

自殺しそう、誰かに止めて欲しいけど誰に助けを呼べばいいかわからない。そういう時は警察の方に頼ってみてください。

実際に私が退院した後、両親は医師から私が再度自殺をしそうになったら110番するように、と説明されたそうです。そして、私も希死念慮が酷く死にたい死にたいと何度もカウンセラーに話していた時も「110番して欲しい」と言われました。

110番するのは怖いかもしれません。でも、貴方がまだ生きたいと何処かで思い踏みとどまったなら、スマホや電話がある所へ向かって110と数字を打ってそのまま連絡してください。近くの警察署に連絡が行き、事故か事件か聞かれたら、「自殺をしそう、助けて欲しい」と伝えれば保護に向かってくれます。

もし、野外で知らない所で自殺をしそうになっていたら、近くに見えるもの、今まで通ってきた施設や道路の看板、何でもいいです。自分の居場所を絞れそうな事を伝えてください。慌てなくて大丈夫です。ゆっくりと伝えられそうな事を伝えてみて、怖かったら怖いと、辛かったら辛いと言ってください。ちぐはぐでも警察の方はちゃんと聞いてくれます。場所がわかり次第、保護へ向かってくれますので、それまでは連絡先の警察の方の指示に従ってください。

指示と言っても大したものではありません。保護されるまで携帯を切らない事、危険物を持っていないか、自分について聞かれるかと思いますが、ゆっくり話せる範囲で少しずつ話してみてください。

話しているうちに最寄りの警察署から保護のために派遣された警察の方が来てくれますので、それまで今通話している方と電話を切らずに話し続けてみてください。実際に私が連絡したら、場所は地元と隣の県の境目にいたのですが…隣の県へ連絡が行ったみたいです。保護は最寄りの警察署に保護してもらいました。

死にそう、でも少しでも「生きたい」と思ったら誰にでもいいんです。連絡してください。わからなければ、110番で大丈夫、というお話でした。少しでもお役に立てれば幸いです。

誰にでも生きる権利はありますし、生きたいと思ったら生きていいんです。そして生きてください。
困った時は110番!自殺未遂して警察に連絡した人間の話でした。


【執筆者】

鈴音 さん
【プロフィール】

希死念慮と発達障害と二次障害に悩ませながらも生きている20代無職。いつか職について親孝行するのを目標にしながら生きています。今の最大の敵は早起き。


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2件のコメント

もち 返信

生きていてくださってよかったです。
助かって本当によかったなと思いました。
今年の夏は無事過ごされているでしょうか。
格別に暑さがひどかったので大変だったかと思います。
どうかご自愛ください。

みみ 返信

大好きな文章です。
泣きながら何度も読みました。その度胸がぎゅっとして少し救われた気分になりました。ありがとうございました。

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