「蛙化現象」 好きな人に好かれた途端に冷めてしまう

コラム 恋愛 蛙化現象

わたしはもう何年も、蛙化現象に悩んでいる。

そもそもタイトルにもある蛙化現象って何?という人もいると思うので説明すると、蛙化現象とは、好きな相手が同じように自分に好意を持っていると知った途端に、冷めてしまったり気持ち悪く感じてしまったりする現象だ。言い換えるなら、片思いは出来るが両思いにはなれないことを意味する。

主な要因として、

・自己肯定感の低さ
・自分の女性性への嫌悪
・相手や恋愛そのものへの過度な期待

などが考えられるらしい。

当事者としては、これら全てになんとなく思い当たる節がある。たとえばわたしは自分に自信がないタイプの人間だし、精神はまだまだ子供で自分を女として見られることが苦手だ。だから付き合いはじめるとすぐに防衛反応として相手の男性に嫌悪感を抱いてしまうんだろうと分析している。

そこで思い至ったのが、蛙化現象は家庭環境などによって生きづらさを抱えているような人に多いんじゃないか?ということだ。

もちろん人それぞれだし、全く当てはまらん!と言う人もいると思うけれど、わたし自身はメンヘラを自認していることもあり、ここにわたしの経験を投稿してみようと思った。

 

小学校から中学まで女子校育ちだったわたしは高校に入ってはじめて彼氏ができた。

はじめ、出会った頃はその人のことが好きでも嫌いでもなかったけれど、何度かお出かけするうちに付き合ってもいいなと思うようになった。そしてバレンタインの日、告白されて付き合いはじめた。

ところがだ。その翌日からもう、その人への嫌悪感で頭の中はいっぱいになった。いっぱいすぎて食べ物も喉を通らない。その人のことも、「彼女」になった自分のことも生理的に無理で気持ち悪くてたまらなかった。耐えきれず、結局一ヶ月足らずでお別れした。

この時はまだ、「本当に好きな相手じゃなかったからなんだろう、相手には申し訳ないことをしたな」という程度にしか考えていなかった。

その一年後。ひそかに憧れていて、でも相手はまさか自分を好きになったりしないだろうと遠くから見ていた部活の先輩から、映画に誘われた。その後も何度か出かけるうちに、本当に、心から好きになってしまった。今回は好きすぎるあまりご飯が食べられなかったくらいだ。ただそれは、相手がわたしに本気で振り向くはずがないという思い込みがあってこそだったらしい。

しばらくして、先輩の方から気持ちを伝えられたとき、嬉しさと同時に、こんなに好きな先輩と付き合うことなんてできないという大きな恐怖に襲われた。

ご飯に誘われても、「電話したい」と言われても、頑なに断り続けた。まもなくして、生理的に受け付けなくなり、連絡が来ることさえ嫌でメールをブロックした。

大好きな人ともう少しで幸せになれたはずなのに、なんで?

自分でも訳がわからなくて、申し訳なさと情けなさで死にたかった。いつまでも収まらない嫌悪感で絶望する日々を過ごした。

その後大学に進学したが、数人の男性と付き合い、同じことを繰り返した。学習しないのか、「今度こそ本当に好きだから大丈夫だ」、そう思って挑戦してしまい、毎回うまくいかなかった。一人だけ長く続いた人がいたけれど、彼とは遠距離だったため頻繁に会わずに済んでいたというだけの話だ。

 

ここまでがわたしの破茶滅茶な恋愛体験だ。はたちを過ぎたころに蛙化現象と言う言葉を知り、恋愛でわたしが幸せになることは難しいらしいと悟ってからは、これ以上むやみに人を傷つけることがないように、と、自分から恋をしたり好意を持たれたりしないよう気をつけて生活している。

一方的に傷つけてしまった過去の男性のことを思う日も多い。「どうして別れたいの?」と聞かれて「生理的に無理になったから」なんて言えないから、いつもそれっぽい理由を言って誤魔化してきた。でも、それでは相手は納得がいかないはずだ。もし逆の立場だったらわたしは絶対に人間不信になっただろう。

一部の友達には相談してみたが、理解してくれるとも限らなかった。当たり前の反応だけど、やっぱり自分はおかしいんだな、と寂しかった。

別れた本当の理由を知る由もない男性側の友達からは、不審に思われて縁を切られた。

こうして、自信も信頼もどんどん失っていって、今では自分の殻に閉じこもり気味だ。恋愛が人生の全てではないとはいえ、まともな恋愛もできず、人を傷つけてしまう自分に生きる資格はないと思われてしかたがない。本当は昔から、結婚も出産もしたかった。両親もそれを望んでいる。なのに、その見通しは全く立たない。

だけど、一方で、この先いつか、蛙化現象が治るかもしれないと希望を持っているのも確かだ。残念ながら特効薬はない。でも蛙化現象を克服した人は確実にいて、その人たちは口を揃えて、「自分が本当に好きな相手なら大丈夫」とか「時間が解決してくれる」と言っている。今は一縷の望みを抱きながら、その時が来るのを待ち続けるしかないみたいだ。

とりとめのない文章になってしまったが、このようなやむにやまれぬ現象で、常識的には許されないことをせずには生きられない、哀れで不器用な人間もいること、そして当人もなかなかにつらい思いをしているということなどを、少しでも多くの人に知ってもらえたら幸いだ。


【執筆者】
無記名 さん

【プロフィール】
悩みがつきない20代女性


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3件のコメント

ダメじゃない 返信

初めまして。
蛙化現象と言うものをこの記事で初めて知り、自分にも当てはまる部分や心当たりがあり、納得しました。(蛙の王様が語源なのですね)
今まで異性から好意を向けられると嫌悪感を感じ逃げ出したくなったりしてしまう自分の気持ちや行動の理由がわからず、調べても「好き避け」ばかり出てきて違和感を感じモヤモヤしていたのですが、この記事を読んでやっとしっくりきました。
本当にありがとうございました。
無記名さんも私も、同じように悩まれている方もみんな幸せになれるよう願っています。

mynameisSecret 返信

恋愛ってそんなにしたいものなんですか?よくわからないです。恋愛はポケモンの絵を描くことよりも楽しいことだ、とは私には思えません。

空箱 返信

蛙化現象、中々理解されなくて苦しかったから当事者さんの記事を読めてホッとした。

一緒にいると楽しくて気が楽で、結婚生活から老後までワクワクして想像してしまうような相手でも、いざ恋愛感情を向けられると耐えられないほどの嫌悪感を覚えてしまいます。
手を繋ぐことすら拒否反応が出て、相手は何も悪くないのに、どんどん嫌いになってしまう…
今のところ治る兆しは見えないし、辛いな…

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