「死」という選択肢が魅力的に”見える” それはどういう状態か?

コラム 死にたい うつ病 あがつま ゆい

これを読んでいるという事は、あなたは今日までなんとか生き残れたという証拠ですね。つらかったでしょう。大変でしたね。死を選ばなかったことには敬意を表します。

もしこれが掲載されるのであれば6回目となります。あがつま ゆいです。

最近はヒゲを剃った自分の顔が少しだけ好きになったので、多分うつ治療は前進していると思います。

今回は、なぜうつ病患者は死を選ぶのか? ということを実体験を踏まえて述べようと思います。

 

私も含め、こういうサイトを見ている方々にはにわかには信じられませんが、普通の人は「死にたい」なんて一切思わないし、仮に思っても一時的なもので2~3日で忘れるものらしいです。

それがうつ病になると脳が誤作動を起こし、健常者が普段「生きよう」と思う位自然に、それこそ息を吸って吐くのと同じくらい自然に「死のう」と思うようになってしまうのです。

うつ病になっている人間というのは大抵、数多くの問題が押し寄せてきているものです。恥ずかしながら私を例に挙げますと……

・吐くほどつらい現在の仕事を辞めたら再就職先はどうするんだ
・仕事してる「ふり」をして「給料ドロボー」するのをいつまで続けるつもりなんだ
・お前もう今年で35になるけどコネもキャリアも持たずに今後どうするつもりだ
・親が死んだあと誰がお前の面倒を見てくれるんだ
・老いた将来はどうするんだ
・いつになったらうつ病が治るんだ
・「死にたい死にたい」言ってて生きる気力が湧いてこないがどうするつもりだ
・人生逃げてばかりでいつ立ち向かうんだ
・自分は存在するだけで負債になるマイナスの存在だ、いつまで周りに迷惑をかけ続けるつもりなんだ
・楽しい事を見つけられない、どうするつもりだ

……と事実と被害妄想がごちゃまぜになってますが、ざっと挙げただけでもこれだけ問題が多いんです。深堀すればもっと出るでしょう。

しかもこれらの問題は1つ1つきちんと丁寧に整理された状態ではなく、もつれた釣糸か毛糸みたいにこんがらがっていて解決するには根気強く、時には何年もの間同じ問題に取り組み続けなくてはならない場合もあるでしょう。

うつになると脳みそがおかしくなってしまい、その根気強さというものが無くなります。問題を解決するために1歩を踏み出す力、コツコツ続ける力が消えてしまうのです。そうなってくると「死」というのがものすごくスマートで便利で素晴らしい解決方法に「見えてくる」のです(お医者さんが言うにはあくまで「そう見える」だけの「錯覚」だそうですが)。

何故なら、さっきも述べたこのすべての問題が一瞬で、一気に、全て、同時に解決して、楽になれるという、とてつもなくうれしいリターンが得られるにもかかわらず、自分のやるべきことはただ「死ぬだけ」でいい。これ以上素敵で素晴らしく、簡単で効果抜群な選択肢なんてそうはありません。

日本の自殺者は年3万人というのは過去の話で、2017年の自殺者は2万1千人程度と今ではだいぶ減っているものの、無くならないのはそれだけ「死」が魅力的に「見える」からでしょう。

もう疲れた。何をしても全くの無駄だった。このとてつもないマイナスを0に出来るのならとてもうれしい。これ以上幸せな事はない。だから2万人以上もの人が自ら死を選ぶのだと思います。

 

勘のいい読者諸兄ならお気づきかもしれません。そう、「全てゼロ」に出来るのなら「ものすごくうれしい」と思えるまでにボロボロに傷ついているんです。

あとどこかでチラッ見ただけで失念してしまったのですが「自殺者は自分で自分の事が訳が分からなくなってしまって、訳が分からないまま対向車線に突っ込んでしまうのではないか」という考察があったのですが、多分当たっていると思います。

「自分は何をすればいいのか分からない」
「自分は何をしたいのかさえ分からない」
「今の自分にはどういう言葉をかけてほしいのかさえ分からない」
「そもそも何が分からないのかさえ全く分からない」

という所まで行ってしまって、そのこんがらがった糸を無理矢理ほどくとなると「死」以外に残されていないという感じですね。「死にたい」と思ってる人はもはや「理性」や「理屈」でどうこうできる相手ではない、と思っていただいて結構です。そう、もはや「理性」や「理屈」でどうこうできるレベルを突破してて自分でも訳が分からなくなってるんです。

あくまでも私の意見ですが、死を選ぶ(もしくは選んで未遂に終わった)、あるいは死が魅力的に見える人間というのは自尊心なんてカケラも残っておらず、「自分という醜い存在自体が一族の汚点であり会社のお荷物であり日本のガンであり世界において放射性廃棄物よりも役に立たないゴミクズのカス」と「本気で」思っていますし、何とか励ましをもらっても「ああまたこうやって人様に迷惑をかけた」となおさら死にたくなるという悪循環があります。

うつ病の人にとっては、もう自分がこの世に存在している事それ自体が迷惑なんですよ。自分が死ねば地球上の全ての人間が笑顔になれると本気で思っているんです。実際、「うつへの理解不足でうつになった夫が死んで清々した」なんていう主張をしてる本も、トンデモ本扱いされているようですが出版されていますしね。

「それもこれも脳みそが誤作動を起こしている」という事情がありますが、うつ病になった人間の心理というのは健常者からすれば本当に分からないんですよ。なんせ「脳が誤作動を起こす」と言われてもピンと来ません。当事者であるうつ病の人も「俺の脳は誤作動を起こしていない。心の底から、腹の底から死にたいと思ってるんだ」と「勘違い」する位ですので。

本当のところはうつ病患者も「死にたくない」というのが本音でしょう。ですが「死ぬ以外に問題を解決する方法がどうしても見当たらない、どう頑張っても見えない、考えられるあらゆる手を尽くしても見つからない」から死を選んでしまうのだと思います。

 

ちなみに何で私がこんなメンヘラ芸を飽きずに続けているのかというと、いつ死ぬかは神のみぞ知るですが、死ぬ前に「私は今まで死にたいと思ってたけど本当はこう言いたかったんだ」という「引っかかり」を、1つでも多く遺したいというのがあるんですね。

そのままだったら子供が「ママのバカ!」としか言えないのを「こういう理由だから」と大人(メンヘラ当事者及びその身内の健常者)でもわかるように翻訳する作業をしたいんです。

それで1人でも死ぬのを思いとどまってくれれば、まぁいい具合に世の中が回っていくのかなと思っています。

あと最近「刺さった」サイトが見つかったのでシェアしたいと思います。

外部サイト:文春オンライン「死にたい」と言うヤツに限って死なないというのは迷信だ


【執筆者】
あがつま ゆい さん

【プロフィール】
大人になってADHDとアスペルガー症候群の併発が分かった発達障害患者。精神もだいぶ病んで医者曰くうつ病1歩手前。障害者枠で仕事をしつつ小説投稿サイトで小説を垂れ流す、カッコつけて言えばアマチュア小説家。
この「あがつま ゆい」名義で各種WEB小説サイト、特にカクヨムというサイトをメインに活動中です。もしよろしければ応援よろしくお願いします。

Twitter:@agatuma_yui
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1件のコメント

ときの 返信

あがつま ゆいさん、いつもありがとうございます。あがつまさんの記事をよく見ます。その度に、何かと助けられている気がします。

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