自傷、オーバードーズの果てに首吊り自殺を実行するまで

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こんにちは。わとりんです。

ツイッターやnoteをフォローしてくれている方はご存知かもしれませんが、僕は重度のメンヘラヒキニートです。大学生の頃に精神の不調を感じ始め、一時は就労に成功したものの、ブラック労働でメンタルが爆発四散し、現在では双極性障害という診断を受け、障害年金を受給しながら家に引きこもってニートをしています。

僕は何度か自殺未遂をしたことがあります。初めて試みた自殺未遂が首吊りです。今回はその首吊り自殺(未遂)がどのようなものであったかを書きたいと思います。

 

首吊り自殺を試みたのは大学4回生のときでした。季節は覚えていないのですが、長袖を着ていた覚えがあるので、おそらく秋か冬だったと思います。僕は日頃から怯えていました。自分の存在が誰の目にも留まらなくなり、恋人や友人から愛されることもなく、永遠に孤独であるという事実に耐えられなくて、怯え苦しんでいました。

まるで社会全体が僕を陥れようとしているように思えてなりませんでした。街中を歩けばビル群がまるで自分を押しつぶそうとしているかのように見えました。ビルが僕を見下ろしているように見えたのです。車が通り過ぎれば、その音で自分の存在がかき消されてしまうように感じました。どこに行っても「ここには僕の居場所はない」、そんな思いに駆られていました。

そのうちこのような感覚は自分の部屋の中でも感じるようになりました。本棚が、まるで非常に厳しい生活指導の先生に見下されているかのように感じられました。極めつけは身体に小さな蜘蛛のような虫が大量に自分の体を這いずり回っている幻覚を見たり、10歳位の和装をしている日本少女のような座敷わらしの幻覚まで見るようになりました。

マンションに住んでいたのですが、実家の階段を母が登ってくるような足音が聞こえたり、両親が喧嘩をしているような喧騒が聞こえたり、自分の名前を怒鳴り呼ぶ声が聞こえたりもしました。どこに行っても安息を得られることがなく、常に怯えていました。

当時付き合っていた彼女ともあまりうまくいかなくなっていました。その彼女は僕のはじめての彼女で、最初の数カ月はとても上手くいっていたのですが、僕と彼女が童貞・処女であることがきっかけとなり、二人の仲に亀裂が生まれました。

具体的には、彼女は処女であるからセックスにおける挿入がどうしても怖い、僕は童貞であるからなんとしてでも挿れたい、そういう思いのすれ違いが互いへの不満となり、結果的には僕が捨てられました。

 

この頃から精神の不調が極大になっていたと思います。とにかく死にたいと思うようになったのです。視界に入るあらゆるものが、僕を死なせるための道具に見えました。

例えば、電車が走っているのが目に入れば飛び出したい衝動に駆られ、電源延長コードを見れば首を吊りたくなり、ビルを見れば飛び降りたくなり、ガソリンスタンドを見れば焼身自殺をしたくなり、深い川を見れば入水自殺をしたくなり、刃物を見れば首を掻っ切りたくなり……などといった具合に、目に入るものすべてが自殺に結びつくようになりました。

どのような自殺方法があるか、いろいろ調べだしたのもこの頃です。完全自殺マニュアルは何度も読みました。手に入る限りの劇物の致死量を調べたりもしました。飛び降りられる場所を調べたりもしました。

完全自殺マニュアルによると、苦痛の少ない自殺方法は首吊りだということで、首吊り自殺にとても強いあこがれを感じるようになりました。物干し竿を使って、自殺の練習をしてみたりしました。しかし、練習は練習、とても死に至る気がしません。足の付く範囲で首に縄をかけて、体重をかけて自殺のシミュレーションをしていたのですが、首に痣がついて痛いだけで全く死ぬ気配がありませんでした。そのうち、ОD(オーバードーズ)を覚えました。

ODは死に至る確率はとても低いのですが、「死ぬかもしれない」という気分を味わうためには最も手軽な方法でした。病院で処方される薬を一気に飲むのも良かったのですが、頭痛薬を大量に飲むのが最も手軽で、よくやっていたODでした。処方薬でODをしたくても処方される数には限度があるので、ODには向いていなかったのです。頭痛薬を10箱くらい買ってきて、飲めるだけ飲みます。飲みすぎると吐き戻しがあるので、胃薬もたくさん飲みます。10箱買ってきても、飲めるのはせいぜい5箱分くらいでしょうか。気持ち悪くなってそれ以上は飲めなくなるのです。

そして、薬が効き始めてくると、頭がフラフラするようになり、心臓が苦しくなり、寒気、発汗、吐き気、めまい、意識の混濁等の症状が現れ、丸一日は布団から起き上がることができなくなります。処方薬によるODにおいても似たような症状が出て、「死ぬかもしれない」という感覚を得られることができました。

ここまで読むと、ODが大好きなように思われるかもしれませんが、ODをした後はとても後悔するのです。やはり苦しいのは嫌なのです。ところが、悲しく辛い気持ちになると、薬を飲み始めてしまうのです。ODで苦しんでいる間は、精神的な苦しみがなくなり、ある意味安息の時間でもあったのです。精神的苦痛から逃れるためにODを繰り返していました。

しかし、ODをしたからといって死ねるわけでもないし、精神的苦痛が取り除かれるわけでもありません。ODの苦しみがなくなったら、再び精神的苦痛が襲ってきます。死にたい気持ち、孤独感、自己嫌悪、将来への不安、そういったマイナスの感情は常にあるのです。ただ、ODで一時的に見えなくしても、すぐにまたその苦しみに襲われるのです。

何度もODを繰り返しているうちに、こんなことをやっていても無駄じゃないか、苦しいだけの人生なんて生きる価値がないじゃないか、そう思うようになりました。死にたい気持ちはさらなる高まりを見せ始めました。

 

そのうち、ODよりも、自殺の練習に励むようになりました。

どうやったら死ねるか、この死に方は苦しいか、死ぬまでどれくらいかかるか、確実に死ねるか、死ねなかったらどうなるか、死ぬために必要なものはなにか、そんなことを常に考えながら、様々な自殺のイメージトレーニング、実践練習を行うようになりました。首吊りの練習はもちろん、飛び降り自殺のロケハン、服毒自殺のための毒物の入手方法など、他の自殺方法についても準備を進めていました。

自傷を覚えたのはこの頃でした。もっとも、ツイッターによくいるリストカッターほど手首を切る度胸はなく、周囲の目も怖かったこともあり、精神の不調、希死念慮は最大の秘匿事項でもあったため、そういう素振りは一切見せたくなかったので、それほど痕が残るほどの自傷はできませんでした。行った自傷行為といえば、キリで手首を刺す、薄皮一枚だけ切る、くらいのものでした。それでも自傷行為をすると頭がとてもスッキリすることもあって、度々行っていました。自傷をやめられない人が多いこともとても頷けます。

自殺の練習、自傷、これを繰り返しているうちに、ある日の夜、突如思ったのです。

「本番をやってみよう」

何度も練習した首吊り自殺の本番をやろうと突然思ったのです。正直なところ、何がきっかけで本番をやろうと思うに至ったのか思い出すことはできないのですが、泣きながらそのように思っていたことは覚えています。

毎日聞いている音楽(というかASMR音声)をipadで流しながら首を吊りました。毎日のように首吊りの練習をしていたので、首吊りの準備は整っていました。あとは吊るだけでした。

気がついたら真っ暗闇の中で、ipadで流していた音声が頭の中で大音量で聞こえてきました(かなり小さな音で流していた)。五月蝿くてたまらなくて手をばたつかせました。するとなにかの衝撃を受けて意識がはっきりしてきました。首をつったロープから落ちて、横たわっていることがわかりました。何が起きたのかよくわかっていませんでしたが、段々と先程までの記憶が戻ってきて、

「自殺に失敗した」

という事実に気が付きました。動こうとしたら頭に激痛が走りました。経験したことのない激しい痛みでした。くも膜下出血かとも思いました。とにかく激しい頭痛で、まともに動くこともできず、吐き気に襲われて横たわりながら嘔吐しました。激しい頭痛で動けずぐったりしている中、ズボンの中に違和感を感じました。排泄物を漏らしていました。

激しい頭痛でうめき声を上げながら横たわっていました。動こうとすると頭に釘を打ち込まれたかのような痛みに襲われ、全く動けませんでした。そのままただ時間がすぎるのを待って、日が昇り、日差しにジリジリと焼かれる感触を味わいながら、ただひたすら頭痛に耐えていました。通常の頭痛であれば寝れば治るのですが、この頭痛は寝ることも許さない頭痛でした。身体中の神経が鋭敏になっている感じがして、脳の裏側の様子がわかるようでした。

この状態で再び日が暮れるまで過ごして、誰かが助けてくれないか、そんなことばかり考えていると、頭痛が最初よりマシになっていることに気が付きました。なんとか起き上がり、自分の部屋に戻り、床に再び倒れました。そして、そのまま眠りにつきました。

翌朝になってみると、頭痛は消えて、身体も動くようになっていました。何もなかったかのように…とはいきませんでした。ズボンの中では排泄物が、首を吊っていた場所には吐瀉物があり、気が滅入りました。

しかしながら、とにかく、自殺には失敗して、首吊り自殺の確実性は疑わしいと、自分の中で結論付けられました。

 

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他にもメンヘラヒキニートの僕が体験したことや考えていることをわとりんマガジンでは公開しています。有料・無料記事があります。随時更新していますので、よろしければそちらもご覧ください。


【執筆者】
わとりん さん

【プロフィール】
中高生の時から「周りの人となにかおかしいな?」と思いながらもなんとか高校を卒業。大学生の時にメンタル不調を自覚。ADHD・統合失調症と診断され治療を開始。その後就職するも、150h残業でメンタルが爆発四散して入院。双極性障害と診断される。気がついたら借金まみれになっていてお先真っ暗な感じでもなんとか生きています。
Twitter:@wtwtringring


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