何のために生きるのか、どう生きることができるのか。

体験談 いじめ 機械じかけ

中学校の時にいじめを受けました。

暴力はなかったですが、あるクラスメートに一挙手一投足を観察されて、休み時間にからまれたり、通りすがりに揶揄されるのが続きました。それがだんだんとクラス全体に広がっていって、ある時学級委員がクラスの男子に呼びかけて、自分を生徒役員に推薦し、多数決でそれが決まりました。

いい加減許し難かったので、それが終わった後に喧嘩をすると、次の日学級員は手に包帯をまいて現れました。

学校の知れることとなり、喧嘩の事情を話したところ、教員は学級委員はそんな子じゃないからと自分は言い分は通りませんでした。親はケーキを買って学級委員の家に謝りに行きました。

バカバカしくなって、もうこんな学校に行かなくてもいいだろうと思って学校に行かなくなりました。

 

何年経っても、当時のことを思い出すと、馬鹿にされたりしながらそれを無視して、我慢していたことに強い屈辱を感じます。たとえ少年院にいれられるようなことをしても、そうしてきた相手になぜ徹底的にやり返さなかったのかと思い、相手を滅茶苦茶にするまでやり返すシーンが自動的に浮かんできます。

しばらくした後、なぜか自分に対してしつこく嫌がらせをしてきたそのクラスメイトと自分に共通する性質があると気づき、そこから激しいフラッシュバックがはじまりました。しつこく、嫉妬の感情、劣等感まるだしで人にその感情をぶつけてくるそのクラスメイトを強く軽蔑し、憎んでいましたが、自分が彼と同じようなものを持っていると思うと、彼に向けていた激しい軽蔑や憎しみが全部自分に向かってきました。

フラッシュバックは不意に、電撃的にやってきて、どうしようもなく堪え難いものでした。それから何年も経って3浪して大学生になった時に友人たちと旅行した写真がありましたが、まだ廃人みたいな顔でうつっていました。

死んではいけない理由はわからなかったし、「死んではいけない」とかいう世間には欺瞞を感じました。でも結局は死ねなかった。フラッシュバックがどうしても耐え難くなった時には死んでもいいと決めて、やり過ごしていました。

フラッシュバックが始まった時点で、将来家庭を持って幸せになるとか、裕福になるとか、そういうことはもう割りにあわなくなりました。そんなもので今の苦しみを埋め合わせることはできない。生きる意味はわからず、生きてきました。

ただ、世間で流通している無責任な理屈や当たり障りの無い一般論ではない、「生きるということがどういうことなのか」という問いに対して、本当の納得を見つけたいという気持ちが生きる動機といえば動機だったと思います。

 

意味というのは、未来や先に続くものです。何かをした「意味」は、そのことがその後に何らかの効果をもたらすということです。意味がないとは、後に続くものがない、その場だけで終わるということだと思います。

また「意味のない人生」というようなときは、「本来獲得されるべき充実が獲得されなかったり、失われた」というような意味になるかと思います。多くの人が本来獲得されるべきものが獲得されないことを恐れて生きています。

ですが、何か後に続くものが必要なのでしょうか?

人間は割とさっさと自分たちを破滅させる方向に動いているし、仮にそこに何らかの調和や解決が生まれたとしても、人類が「続く」ということ自体に何か意味があるでしょうか?その先に何か到達点があるのなら続く意味もあるかもしれませんが、単に続くことには何の意味もないのではないでしょうか?

生きることに意味などなく、獲得されることが約束されているものなどありません。

世間が提示する「人生ゲーム」には、ゴールに続くレールのように敷かれたマス目の外に出てしまった人たちの存在は想定されていません。そういう人たちはいないことになっています。

ただ、生きることに意味がないということで、拷問のような日々だけを耐え忍ばなければいけないようでもないようです。

鶴見俊輔は、自分の深い痛みに根ざす根源的な生きることに対する問いを生きることが、生きる力や充実をもたらすことを述べています。自分の深い痛み、欠落、苦しみに根ざし、根源から回復していこうとするとき、人は場当たりの適応行動から脱して、自分の生きる環境を変えていく力を蓄えていきます。

何かを達成しなくても、獲得しなくても、自分の根底にある深い痛みに根ざして、その自分を根源から回復させていこうとすることによって、将来に何の保証がなくても、その瞬間瞬間を生きること、燃焼することは少なくともできるようです。


【執筆者】
機械じかけ さん

【プロフィール】
中学校でいじめを受ける。その後強いフラッシュバックが現れる。自閉症スペクトラム。人への感情的愛着が薄い。


【募集】
メンヘラ.jpでは、体験談・エッセイなどの読者投稿を募集しています。
応募はこちらから

この記事のカテゴリ・タグ

体験談 いじめ 機械じかけ
このエントリーをはてなブックマークに追加

0件のコメント

コメントを残す

返信をキャンセル
返信先コメント