精神障害が理由で仕事をクビになった話
こんにちは。皆様いかがお過ごしですか。私は最悪です。というのも、先日、気分障害(気分変調障害)と病気(神経調節性失神)を理由に仕事をクビ(表向きは自主退社)になりました。今回はそういった話と、クローズでの就労の難しさを改めて書かせていただきたいと思います。
今回クビになった職場は、今年の4月に勤務を開始した比較的新しい職場でした。小さな精神科病院で、終末期の患者さんを担当に看護助手として働いていました。自宅からも近く、定時は厳守、以前の職場(12時間勤務に通勤時間1時間半の肉体労働)に比べると天国のような職場でした。
あぁ、毎日きちんと寝れる。そういった小さなことに喜びを感じて仕事に取り組んでいました。あぁ自分はこれからここで人生をやり直すんだ、そうとまで考えていました。
ところが、入職してしばらく経ったころ、病院内での健康診断がありました。当たり前のことなのですが、自分はそこで「障害がある」ことが院内で知れ渡ってしまいました。直属の上司にもバレ、急遽面談が取り付けられます。
「どうして隠して入職したの?」
「お薬手帳を提出してコピーさせて」
「診断書を提出して」
「仕事の何が辛いの?なんで出来ないの?」
「どうして朝の準備中に体調が悪いの?薬を変えたら?」
「病院もカウンセラーもうちの病院に変えなさい」
どれも自分にはきっちりとした理由がありました。しかし、そういった質問を矢継ぎ早にされている中で、どうしても許せない言葉があり、自分は口を噤みました。
「悪いけど、そういう病気がある訳だし、早番や遅番、リーダーなんかの責任の重い仕事はさせられないから」
自分は精神科で働いていました。そこで働いている人達は皆理解があると思い込んでいました。しかし、冷静に考えてみれば、そこで働けているのは健常者なんです。自分はこの言葉を受けた時に「あぁ自分は他の人とは違う出来損ないなんだ」と、泣きながら帰りました。自分が障害者でなければ、努力でどうにか出来たのかもしれない。でも、病状は悪化するばかりで、そのうち不眠の悪化や嘔吐が止まらなくなり始めました。
面談は毎週のように行われ、より偉い方々とお話をさせていただきました。
そこでは「どうして改善しようとしないんだ」「どうして出来ないんだ」といった内容が(もちろんもっとマイルドな話し方です)殆どです。でも、自分ではどうにも出来ないんです。仕事を頑張るために薬を増やしたり変えたり、その副作用に耐えながら毎朝出勤して、面談を受けて、患者の暴力に耐え、暴言に耐え、薬を飲み、カウンセリングで泣き叫び、それでも仕事をこなしたい、一人前になりたいと必死に踏ん張ってきたつもりでした。しかし、それが伝わることはなかったのでしょう。
「そもそも働けるの?」
この一言で、完全に、ぽっきりと心が折れてしまいました。
自分は今まで働いてなかったのか?
出来損ないなりに頑張ってきたつもりだったのに。
結局、面談はその後も続き、自分はここでは必要とされていないことを嫌と言うほど認識させられ、退職願を提出しました。上司は驚いた様子もなく、私はあっさりと病院から追い出されてしまいました。
最初からこれが狙いだったんだろうな、とはうっすら気がついていましたが、いざ目の前にすると「あぁ、必要とされていなかった。障害者であることがこんなにハンデになるなんて思ってもみなかった。」初めて“自分の障害”の壁の前に立ったような気持ちでした。遙かに高い壁。この壁を乗り越えていくには自分はまだ時間がかかりそうです。
本来であれば採用に関して病気などは選考の理由にしてはいけないことになっているはずです。でも、それがいまでも当たり前のように行われている。私がこの病院に転職する前に行っていた転職活動の中でも「持病はありますが」「今飲んでいる薬はありますか」こういった質問を設ける場所が非常に多かったことを記憶しています(おかげさまで書類選考はほぼ通るのに30社以上落ちました)。
医師は「環境が変わって状態が良くなることもあるからわざわざオープンにしなくていい」とおっしゃってくれていました。それに、病気の話になると一気に選考に落ちる確率が高くなるのです。実際のところ、転職活動中に素直に答えたところはやはり落ち、聞かれなかったからと黙っていた場所は内定がもらえました。
最初からオープンで就労していたらこんな結末にはならなかったかもしれません。そもそもここで働くことも出来なかった可能性が高いです。しかし、転職の道がより困難になることは避けられないと思います。
改めて、働く上で病気や障害をオープンにするのか、クローズにするのか、是非皆さんもしっかりと考え抜いた上で決断を下して欲しいと思います。
余談ですが、その後大学でお世話になった方から「君がどんな人間かくらい知ってるし」と運良く内定をいただき、現在は休養と資格をとるため絶賛引きこもり中です。社会から孤立している感が半端なくて寧ろ休めていないような気がしなくもないですが、これも長い人生の中でのほんの少しの休憩時間と割り切ってしっかり休むことに専念しています。
皆さんもあまり無理せずに、ゆっくりと人生を楽しんで行けたらなぁと思います。
私自身もそうですが。それでは。
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【執筆者】
カス子 さん
【プロフィール】
最近は薬が増えたし無職だし12時間くらい寝ている。診断名がやっとおりました。
twitter : @gomikasu0202
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