信頼できない就労移行支援事業所 そのプログラム、本当に実在するんですか?

体験談 就労移行支援 就労 さとう学

フェイスブックのタイムラインをながめていたところ、ある就労移行支援事業所のページが紹介されてきた。

その事業所のプログラムを見るといろいろと興味をひくようなものばかりだった。

Photoshop、メンタルヘルスマネジメント検定、秘書検定、日商簿記、そして認知行動療法……etc

そのページに「興味あり」というボタンを押した。フェイスブックにはそういうボタンがある。すぐにそこの事業所の施設長から友だち申請とメッセージが来た。

事業所に見学にいく

しばらくして、その事業所の見学にいった。職員と一対一の面談をした。

「プログラムを見るといろいろ充実していますよね。特に認知行動療法なんてそう簡単にできるものなんですか。この事業所の職員の経歴をみても臨床心理士の方がいませんし、どうやってやるんですか」と僕は言った。

「痛いところをつかれたなあ。わたしは個人的には反対なんですけど施設長はやりたがっているんです」と職員。

「それからPhotoshopというのも珍しいですよね。どうやって教えるんですか?」と僕。

「正直、職員は使いこなせないです。利用者さんと一緒にネットでPhotoshopのやり方を調べながら勉強しているのが現状です」と職員。

そういうものをプログラムに載せていいのだろうか。その理屈でいくと、CSSやJAVAなども可能になってしまう。しかもプログラムの中には日商簿記や秘書検定まである。だけど、職員の経歴をみるとだれもそういう資格をもっている人がいない。どうやって教えるのだろうか。

ネットや参考書をみながら一緒に学習? いやいやいや、それがプログラムとして掲載可能なら税理士や公認会計士の資格もありになっちゃう。

問題なのは、就労移行支援事業所って原則一度しか通えない。二年間通えるので「転校」という形で他の事業所には移れるらしいけど……。

ここのプログラムは充実していると思って変な就労移行施設に行っちゃうと、その一度を無駄にしかねない。

そういう疑問や懸念を自分のフェイスブックに書いた。

就労移行支援事業所の施設長からメッセージが来る

メッセンジャーで事業所の施設長からメッセージが来た。僕のフェイスブックの記事を読んだのだろう。以下はその施設長の書いた内容だ(ほぼ全文引用に近い)。固有名詞は伏せることにした。

「わたしは、たしかに臨床心理士の資格はもっていません。あなたの認知では、わたしは認知行動療法の素人。そして、認知行動療法は素人が簡単にできるものではない。だから、パンフレットにはできないことが書かれている。わたしたちは食わせ者だ、というご趣旨だと理解しました。

あなたの言う素人のわたしは、人材開発コンサル時代に認知行動療法をベースとして人材開発プログラムを多く開発しました。国立大学と共同でメタ認知が働いているときの脳波の研究もしました。こういう仕事で二十年以上おかげさまで悪くない収入を得てきました。

わたしを認知行動療法の素人だと決めつけるのは、あなたの自由です。それがあなたの認知だからです。そして、その認知に基づきわたしへの不信感を表明することも○○(事業所名)を選ばないこともあなたの自由です。どうぞご自由に!」

正直、驚いた。施設長自ら、このようなメッセージを送るとは。

しかも、証拠として残ってしまうのにやや感情的な内容だった。

 

僕から施設長に返信をした

施設長に対して返信をした。以下はほぼ全文の引用だ。

「せっかくですから、フェイスブックに書き込んでオープンな場でその意見を言っていただければよかったのに。認知行動療法もそうですが、Photoshopは○○(事業所名)の職員自らができないとおっしゃっています。日商簿記なども不明。これらから不信感をおぼえたのです。従って僕がそういう認知になったのでしょう。

その件を説明していただき、僕のゆがんだ認知を正していただければ幸いです。オープンの場で多くの人の前で伝えたほうが誤解も解けるでしょうし、お互いにいいと思うのですがいかがでしょうか」

施設長からのメッセージ

施設長からのメッセージをほぼ引用する。

「あなたが書いているように、ご自分の認知が歪んでいる、と思うのであれば、ご自分で、認知を修正してください。フェイスブック上でやりとりしたいというご提案、ありがとうございます。謹んで、お断り申し上げます。

私を認知行動療法の「素人」と決めつけ、私に対して不信感を抱いているあなたとは、基本的な信頼関係がありません。基本的な信頼関係がなければ、カウンセリングも、あらゆる心理療法も、成立しません。このやりとりさえ、成立するか怪しいものです」

このあと、「どうぞ、あなたが信頼し、信頼される関係性を自ら作り上げ、その人とつながってください」「私たちのあいだには、それがありませんので、これで終わりにさせていただきます」という短文のメッセージが続く。そして、ブロックされてしまった。

僕はこの事業所で面談をうけたとき、住所だけでなく病名や通院先の病院まで書かされている。しかし、施設長自らがブロックするくらいだから、僕の個人情報を適切に処理してくれるか心配になる。これも認知のゆがみと言われるかもしれないが。

県庁にこの就労移行施設について相談

この事業所の施設長の対応に疑問を抱き、県庁に電話をかけて相談してみた。県庁の職員によると、

「就労移行施設にはハード面では基準があるようです。県のホームページをみるとそういう手引きをご覧いただけます。施設の大きさや職員の数などの基準ですね。しかし、ソフト面(プログラムなど)での基準が今のところみつからないです。

おっしゃられているようにやろうと思えば、あらゆる資格をパンフレットやホームページに載せることができます。就労移行施設は原則一回しか通えないのでおかしなところに入ってしまったらたしかに大変ですね……」

僕はその職員にその施設名を伝えて電話をきった。

その後

数ヶ月後、その就労施設のホームページをみたところ、売り文句であっただろう、さまざまな資格名が消えていた。施設長が得意とする認知行動療法の名前もなくなっている。

僕の手元にはその施設のパンフレットがある。おそらく、このパンフレットもいろいろな場所に置いたけれど回収したのかもしれない。

売り文句につられて、この施設に通ってしまったメンヘラはどうなったんだろうか。もう他の就労移行施設に通うことはできないんだ。

僕は、怒りをおぼえるとともに悲しみの感情も生まれた。

それは、その施設長がメンヘラだからだ。

その施設の名物として、ホームページ上で施設長が精神障害2級であり、○○という病気だと紹介されている。そして、精神障害者(当事者)として、利用者の気持ちがよくわかるとも……。

 

追記

後日、またホームページをみたところ、僕と面談して事業所の実情を話してくれた職員の方はお辞めになられたようです。そして、認知行動療法の言葉も復活しました。


【執筆者】

さとう学 さん
【プロフィール】

小学生のときに不登校。中学で特殊学級に通うものの普通学級への編入をうながされて再び不登校。定時制高校に進学するが16才で大検(現在の高認)を取得したため、中退してひきこもる。大学を一年で中退してしばらくひきこもる。障害者枠で働き始めるがパワハラをうけてひきこもる。2017年にひきこもり支援を訴えて埼玉県の入間市議選に立候補。落選して再びひきこもる。現在、ひきこもり当事者メディア「ひきポス」に記事を書いているか寝ています。
鬱病・パニック障害・心因性頻尿・過敏性腸症候群の四天王に苦しめられています。

Twitter:@buriko555

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1件のコメント

はう 返信

施設に当たり外れがあるのは事実ですね。
私が検索してたまたま最初にヒットしたところは、気分障害に特化した施設で、ホントにホントに健全でキチンとしていました。1年通って社会復帰してもうすぐ1年経ちます。自分で環境を整えるチカラを付けてもらえた気がします。自分らしく生きるために前を向いて進めています。出会えてラッキーだったなと思います。

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