放置された「きょうだい児」の末路  「大変な子」によって見過ごされるきょうだい児の困難

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お久しぶりです。以前にきょうだい児のことなどを書いた文を掲載して頂いた者です。

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前回は軽度知的+発達障害の弟のきょうだい児として育てられた自分の話をしましたが、実はあの投稿の数ヶ月後にわたし自身もASDとADHDの診断を受けました。また、同時に二次障害として愛着障害の診断、寛解していた躁鬱が再発の一歩手前まできていると言われ、そのままメンクリ通いに逆戻り。

結果、毒親ときょうだい児と発達と愛着障害と躁鬱(気味)という現代社会の闇のハッピーセットが爆誕しました。もはや呪いかな?と逆に笑えてきます。

メンタルヘルス当事者や、メンタルの問題に詳しい方ならご存知かと思いますが、発達障害や一部の精神疾患には遺伝性があると言われています。

わたしの観測範囲でも、きょうだい全員が発達や精神何かしらの問題を抱えているという家庭は結構な数あるように思われます。

また、きょうだいで同じ障害を抱えていても、その重さや症状の傾向には偏りがあり、知的障害の有無などもばらつきがあります。(一般的には両親の年齢が上がるほど障害が重くなりやすいそうです)

しかしその割には、どれだけ検索をしてもわたしのようなきょうだい児だと思っていたら当事者だった、という方が見つかりません。

わたしのように、生まれと育ちの終わりっぷりに絶望的な気持ちの方にはこの記事を読んで同じ立場に置かれた人がいる!と気付いてもらい、あわよくばコンタクトがとれれば嬉しいですし、今障害のあるお子さんを育てていらっしゃる方にはこういうケースが起こり得ることを知って頂き、きょうだい児の問題に目を向けて頂ければと思い再び投稿させて頂きました。

わたしの家庭の場合、弟は小さい頃に発達障害の診断が下り、小学校から支援学級に通っており、知的面でも問題を抱えていました。

姉のわたしは成人後に二次障害で受診した病院で検査を受けたところ、自身も発達障害であることが判明しました。

総合的なIQは平均的な数値なので知的障害ではありませんが、得手不得手のばらつきがかなり激しく(得意分野と苦手分野でIQに50近く差があります)、苦手な分野のIQは知的境界域に入るほど低いです。

主治医曰く「ここまで凹凸の差がある人も珍しい」「一般枠で働けてるのはすごい」とのことで、恐らく障害の程度としては決して軽くはないのだと思います。

そんなわたしが何故いい歳になり二次障害を拗らせきるまで障害を見過ごされてきたのか?放置されることによってどんな不都合が生じるのか?自分なりにまとめてみました。

 

(1)親がきょうだい児の問題に気づきにくい


きょうだい児が第一子である場合、はじめての子育てでわからないことが多く、発育の異変に気がつきにくい…というのがまず大きな要素だと思います。

そもそも障害関係なく、親は下の子に振り回されて上の子たちに目が行き届かなくなりがち、というパターンは往々にしてよくある問題だと思います。

また、きょうだいのどちらが上かは関係なく、障害が先に判明した方が障害の程度が重かったり、言葉の遅れや多動・パニックなどわかりやすい症状を呈していたりすると親の目線は完全にそちらに向いてしまい、きょうだい児は

「(障害が判明している子よりは)手がかからない」

という評価を下されがちなのかな、と思います。

 

(2)きょうだい児まで問題を抱えていると思いたくない親の心情


発達障害とひとことで言ってもその困り感は多種多様。しかし、先に下の子の障害が判明した場合は「発達障害とはこういうもの」という先入観ができてしまい、上の子と下の子の症状のタイプが異なる場合はその訴えを見過ごされがちなのかと。

弟は多動やパニックの激しい典型的な自閉児でしたが、わたしは多動よりも声の聞き分けなど情報の取捨選択が苦手で困っているタイプでした。

小学校低学年の頃に「いきなり話しかけられた時に何と言われたか聞こえない」「教室がうるさいと先生の声がどれか分からない」と親に訴え耳鼻科に連れて行かれたのですが当然ながら聴力に異常はなく、精神的な問題かもと小児科への紹介も提案されましたが母に「ボーッとして話を聞いてないだけ、お前が悪い」と一蹴されました。

また、障害が判明している方の障害が重ければ重いほど、親の側が健常(に見えている)方のきょうだいに期待をしてしまうケースも多く「この子はきょうだいの分までしっかりした子」とか、「変わった子だけど勉強はできてるし健常に違いない」という願望が込められたバイアスがかかった状態で我が子のことを見ているご家庭が少なからず存在していると思います。

また、あまり口に出したくはありませんが、薄々「きょうだい児の方にも何かあるな」と気付いていても、きょうだいの複数もしくは全員が障害を抱えているという現実を受容できず目を背けてしまっている親御さんもいらっしゃるのかもしれません(うちはこのパターンではないかと思います)。

 

(3)きょうだい児自身の思い込み


⑵では親の思い込みについて触れましたが、自身も親と同様の思い込みをしているケースもあると思います。

わたしは数年前躁鬱でかかっていた病院で発達障害の傾向を指摘され簡易検査を受けましたが、当てはまる項目が少なく診断をつけるのは早計、と言われていました。

わたし自身よく調べるまで発達障害=多動や衝動・パニックのイメージで、そのどちらもなく性格も弟とは真逆だった自分はただぼーっとしたコミュ障だと思っていました。

また、これまできょうだい児として散々プレッシャーをかけられてきたのに自分も当事者なんてあり得ない!という意地も当時はあったように思います。簡易検査だと自身の現在の困り感が基準になるので、自身を客観視できていない状態だと普通に病院でも見過ごされます。

WAIS-3という精密検査を受けて初めて自身の得手不得手が数値化された時に「この感覚が当たり前だと思ってたけどみんなそんなに楽に生きられてたの?」と衝撃を受けました。

 

(4)放置された発達障害→二次障害の問題


わたし自身、発達障害そのものではなく二次障害の躁鬱や愛着障害などをきっかけに自身の発達障害に気付きました。

なのですでに二次障害を拗らせ「二次障害のつらさ>>>発達障害の困り感」になっていました。

わたしの場合、きょうだい児という立場でプレッシャーやストレスの多い環境+両親も発達障害の疑惑がかけられており、機能不全家族気味+物事をズレて受け取ってしまいやすいわたしのASDの特性が重なって、二次障害の愛着障害をかなり拗らせています。また、以前は躁鬱の激しい気分の波にも悩まされていました。

今の主治医は発達障害専門の先生なのですが、発達障害の当事者は家族との軋轢を抱えているケースが明らかに多く、親はちゃんと愛情を注いでいるつもりでも当事者である子供がうまく受け取れなかったり、親子やきょうだい、もしくはその両方が障害の当事者で一対一では健全な関係を築くことが難しいケースがあると話されていました。

今は発達障害への理解が進み、早期療育や特性に合った接し方で自己肯定感を損なわれることなく得意分野を活かして社会でやっていける当事者も多いと聞きます。

しかし、障害を放置されてしまったがゆえに鬱や躁鬱、愛着の問題や人格障害など、発達障害から派生した二次障害のせいで発達障害の薬を服薬していても社会復帰が難しい状態にまで追い込まれている人も少なくないのが現状です。

 

(5)さいごに


発達障害だからといってすべてが健常者より劣っているわけではなく、特性に合ったお仕事で社会に貢献している方もたくさんいらっしゃいます。

わたしは特に何か才能があるわけではありませんが、服薬+苦手分野を自覚して別の手段に置き換えたり他人に助けてもらったりでなんとか社会でやれています。

しかし、放置され認知に歪みがかかった状態では自身の障害の受容も難しく、二次障害の治療も困難になります。

障害のあるお子さんを育てていらっしゃる、そしてほかにきょうだいがいるご家庭の方。

ただでさえ障害のあるお子さんを育てるのは大変かと思いますが、他のきょうだいのことを忘れないであげてください。

たしかにきょうだい児は当事者よりは「手がかからないいい子」かもしれません。でもみんなそれぞれに悩みやつらいことだってあると思います。

きょうだい児になってしまったというだけで家族との関係が上手くいかず心の傷を抱えてしまったり、生まれつきの発達の問題を見過ごされてしまった人の人生も当事者のきょうだいと同じくらい、もしかしたらそれ以上に大変だと思います。

今はきょうだい児向けのケアや親のレスパイトを目的としたサービスも存在しますし、どうか、「大変な子」以外の子供の日常の些細な動きにも目を向けていただければと思います。

わたしのように血のつながった親やきょうだいを憎んで数十年苦しむ大人が増えないことを祈っています。

 

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【執筆者】
メガ盛り中華丼

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遺伝子と生育環境が両方バグっている。今一番欲しいものは安心感です。


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1件のコメント

hakosuki1400 返信

お初にお目に掛かります。きょうだい児だと思ったら、当事者だった者です。
診断を受けたのは、随分昔だったので、細かいことは覚えておりませんが、私も、得手不得手に関しては、かなりばらつきがあります。
また、DV、いじめの二次障害で、複雑性PTSDを患っております。ずっと、鬱だと思っておりました……。
親への怒り、他の兄弟への怒りが、抑えきれない時もありますが、何より、長い間、見逃されていたことによる、二次障害、過剰適応による、自分自身の生きづらさに、頭を抱えております……。

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